従来のモデルとは異なり、E38 はラジオを標準装備しています。デザイン上および人間工学の観点から、E38 センター コンソールの表示エレメント及び操作エレメントの総数が低減されたため、プライマリー機能に関して(音量、選局ボタン、サーチ、音源選択など)マルチ インフォメーション ディスプレイ(MID)を介して操作できるラジオが装備されています。並行して音量調整とサーチをマルチファンクション ステアリング ホィール(MFL)から操作でき、メーター パネルにテキスト表示されます。
標準仕様のラジオには、現行の「BMW BUSINESS RDS」と同様にいくつかの追加機能が装備されています。AUTO-BEST 周波数検索の最適化の他に、RDS システムには EON 機能(エンハンスド アザー ネットワーク、Enhanced Other Network)が追加されました。EON は任意の放送局チェーン内の交通情報にこのチェーン内の全ての放送局が接続できるようにします(たとえばドイツ BAYERN 2 が選局されているときにドイツ BAYERN 3 の交通情報を聞く)。その他に Business では、短波またはオート ストアと同様の機能が追加されました(ボタンを押して受信感度の良好な 6 つの放送局を自動登録できる)。
現行の BMW BUSINESS RDS と同様に、E38 の標準仕様のラジオも CD チェンジャーとダイバーシティ アンテナ システムの接続が可能です。標準装備のステレオ システムには、すでに E32 でお馴染みのアクティブ Hifi システムがオプションとして提供されます(EC 仕様)。
家庭用ラジオとは異なり、カーラジオの受信条件は常に変化します。ある場所での受信状態は良好でも、ほんの少し離れただけで受信が非常に悪化することもあります。受信状態を点検するには、円を描いて走行します。回転走行(円周上を周回)ではリア ウィンドウ アンテナがすべての方向に向きます。
リア ウィンドウには、AM(振幅変調)および FM(周波数変調)帯のアンテナが装備されています。受信信号はアンテナ アンプで増幅され、高周波ケーブル(HF ケーブル)を通って直接ラジオに送られます。
ダイバーシティ アンテナを特別装備している場合には、AM 領域専用のアンテナ 1 本と、FM 領域専用の独立したアンテナ 3 本を接続します。ダイバーシティ アンプでは、3 種の FM 受信信号が HF ケーブルを介して周期的にラジオに切り換えられます。ラジオからは、受信アンテナ信号の品質について(中間周波信号で)ダイバーシティ アンテナに応答があります。ダイバーシティ アンテナは、その時点で 3 つのアンテナのうちのどれが最も受信感度がすぐれているかを検知して判断し、次の測定周期まではそのアンテナをラジオに接続します。中間周波信号の異常が生じた場合には、リア ウィンドウに垂直に配置されたアンテナ(FM 1)を使用します。
ラジオには 2 個のスピーカー システムが用意されます。ステレオ システムの場合は、アンプが切り換えられるアクティブ HiFi システムとは異なり、スピーカーが直接ラジオに接続されています。
ステレオと同じ機能のスピーカー(同一部品)、以下の部品が付いています:
高音スピーカー(ツィーター)はステレオのコネクターのピン配列と異なるために、フロント側ボックス内蔵の分波器を介して作動するのではなく、全てのスピーカーと同様に直接アクティブ アンプにより制御されています。