ステアリングアングルセンサーはステアリングジョイントディスク前のステアリングスピンドルの下部末端に取り付けられています。
コネクターのピン配列:
ピン No. |
信号 |
---|---|
1 |
12 V 電源(ターミナル 30) |
2 |
12 V 電源(ターミナル 87) |
3 |
CAN (+) |
4 |
CAN (-) |
5 |
グラウンド(ターミナル 31) |
センサーは精度が約 0.7 O の総ステアリングアングル信号を CAN バスへ伝送します。
さらに様々な状態の情報を CAN バスへ送り、ステアリングアングル信号の妥当性についての情報を与えます。
生産ラインの最後の段階またはセンサー交換後は、ステアリングまたはフロントホィールのできるだけ正確な直進位置を DSC3 の自己診断で診断テスターにより初期設定します。 このときセンサーの電気的なオフセットが調整され、センサー内に持続的にメモリーされます(EEPROM)。
またセンサーおよび DSC3 コントロールユニットには、ステアリングアングルセンサーから CAN バスへ送られる識別番号が組み込まれます。 識別番号が違えば DSC3 システムのインプットは行われず、DSC3 診断でステアリングアングルの初期設定が要求されます。
これにより、新製品のステアリングアングルセンサーを採用する際や他の車両で使用されていたセンサーを取り付ける際に、間違ったオフセット値が働くことを防止することができます。
この他にも電気的オフセットのために、DSC3 ロジック回路はトー調整などによって生じたステアリングセンターのオフセットを、走行中連続的に点検します。ステアリングアングル信号の妥当性は DSC3 ロジック回路により点検されます(他のセンサー信号との比較)。
センサーは(EDC ステアリングアングルセンサーと同様) 90 O ずれた 2 個の精密ポテンショメータースライダーから成り、これらのスライダーから 0 〜 約 4.5 V の信号電圧が供給されます。
さらにセンサー内に格納されているロジック回路(CAN モジュール付きマイクロコントローラー)が、各電圧値からその時のステアリングホィールの回転角を計算し、それが妥当であるかどうか(90 O - モニター)をモニターします。
電源電圧が遮断されると(バッテリーのターミナル接続を外した場合など)、センサーロジック回路はその時点のステアリングホィールの回転情報を失います。 この場合は、フロントホィールスピードのスタティック判定により(CAN を介した受信)ステアリングホィールの回転角が測定されます。
総ステアリングアングル信号は DSC3 ロジック回路において車速を正確に測定する(コーナリング時)ために使用されます。
また、オーバーラップされる車両レギュレーター用のインプット信号としても使用されます:
DSC3 のロジック回路はステアリングアングル信号からドライバーの「希望する車両旋回度」を計算します。