ヒント
DME コントロール ユニットまたはパルス ホィールを交換した後は、ホィール センサー学習を実施する必要があります。パルス ホィールのみを交換した場合は、まずホィール センサー学習値を消去します(コントロール ユニットを約 5 分間、電圧供給から離します)。エンジン ブレーキ時にエンジンが最低 10 秒間作動すると、センサー ホィール学習が自動的に実行されます。ホィール センサー学習を参照。
ヒント
ペダル ポテンショメーターまたは EML コントロール ユニットを修理した後、車両はアクセル ペダルを受け付けなくなることがあります。この場合ペダル ポテンショメーター学習を実施する必要があります(EML 参照)。
M1.7 M70 |
M5.2 M73 |
---|---|
アンチノック コントロールなし |
シリンダー バンクごとにそれぞれ 2 つのアンチ ノック センサー |
シリンダー 6 のイグニッション ケーブルに誘導型パルス センサー(シリンダー識別センサー)が 1 つ |
シリンダー 1 〜 6 のシリンダー バンク カムシャフトにホール センサー(カムシャフト センサー) が 1 つ |
エア マス メーター 2 |
ホット フィルム エア マス メーターが 2 つ |
シリンダー バンクごとに吸入空気温度センサーがそれぞれ 1 つ |
吸入空気温度センサー 1 つ(シリンダー 7 〜 12 のシリンダー バンク用) |
共通ハウジング内にエンジン温度センサーが 2 つ |
シリンダー 1 〜 6 のシリンダー バンクにエンジン温度センサーが 1 つ |
シリンダー バンクごとにそれぞれタンク エア抜きバルブが 1 つ、負圧がインテーク内で発生し、機械式チェック バルブが開くとすぐに「無通電状態で開」 |
シリンダー バンクごとにそれぞれタンク エア抜きバルブが 1 つ、「無通電状態で閉」。 |
キャタライザー前のシリンダー バンクごとにそれぞれラムダ センサーが 1 つ |
ラムダ センサーが 4 つ:キャタライザー前後のシリンダー バンクごとにそれぞれラムダ センサーが 1 つ |
- |
新型スパーク プラグおよび小型で軽量なイグニッション コイル |
メーター パネルからの車速信号 |
ABS/DSC コントロール ユニットからの車速信号 |
2 次エア ポンプなし |
冷間始動の際の排気ガス改善のための 2 次エア ポンプ 1 つ |
シリンダー バンクごとにフューエル ポンプおよびポンプ リレーがそれぞれ 1 つ |
1 つのフューエル ポンプおよび 1 つのポンプ リレーは、2 つの DME コントロール ユニットによって制御されます。 |
CAN バスなし |
CAN バス経由の DME コントロール ユニット間のデータ交換 |
オートマチック スタートなし |
オートマチック スタートDME が Kl.50 からの信号を検知すると、スターター リレーが直接 DME コントロール ユニットによって制御されます。エンジン始動後、リレーをスロー オフにします(回転信号を介して検知) |
ここでは 2 つの DME コントロール ユニットが作動しています。DME コントロール ユニット 1 は、シリンダー バンク 1(シリンダー 1 〜 6)の制御を引き受け、同一仕様のコントロール ユニットがシリンダー バンク 2(シリンダー 7 〜 12)の制御を引き受けます。診断モードの際に識別するため、コントロール ユニット 2 ではピン 48 をグラウンドに接続しています。付属コンポーネントはたいてい 2 倍あります。例外は:
DME コントロール ユニットは、回転数、エア量、スロットル バタフライ位置、ラムダ センサー電圧、エンジン水温および吸気温度に基づき正しい噴射時間(ti)を算出します。混合比の変更は、インジェクターの開放時間を介して行われます。噴射時間(ti)算出の際には、バッテリー電圧または回路電圧も考慮されます。インジェクターの作動時間および閉鎖時間は、電圧が降下するにつれ長くなります。
各インジェクターは、それぞれ独自のファイナル ステージによって制御されます。これにより、噴射量の正確な配分と負荷切換えの迅速な反応が可能になります。
エンジンが始動すると、燃焼サイクルごとに(2 回のクランクシャフト回転)シリンダー別に噴射されます。
噴射時間(ti)は、プログラミングされた開始噴射基本値、クーラント温度および吸気温度インプット信号からの修正係数に基づきます。シリンダーの制御は、レファレンス マーク センサー信号(クランクシャフト センサ ー)に基づきます。
DME M5.2 には、シリンダー別燃料噴射 CIFI が 1 つあります。CIFI によって、各シリンダーが個別に制御されます。インテーク バルブの開放前に、各シリンダーの噴射の終了が保証されます。これにより最適な燃料/エアの混合比、燃費を抑えて、最良の燃焼が達成されます。
点火システムまたは噴射システムに故障があると、各シリンダーの噴射が個別に作動を停止されます。これらのエラーは、ディフェクト メモリーにも登録されています。
回転数信号および負荷信号に基づいて、DME コントロール ユニットによって点火タイミング(点火時期)が算出され、イグニッション ファイナル ステージを介して出力されます。さらにエンジン水温、吸入空気温度、スロットル バタフライ位置、エレクトロニック スロットル コントロール EML、ダイナミック スタビリティ コントロール DSC およびアダプティブ トランスミッション コントロール ユニット AGS からの信号など他のインプット信号も考慮されます。
イグニッション コイル内の 1 次側電圧を構成するための時間が、エンジン回転数、バッテリー電圧および回路電圧によって決定されます。従って、デジタル モーター エレクトロニクスは、これらの値から必要なドエル アングルを計算し、どんな作動状態でも充分な点火電圧を供給します。
ミス ファイアは、クランクシャフト回転数が不規則であることに原因があります。これはセグメント時間の変化を介して検知することができます。
レファレンス マーク センサー(= クランクシャフト センサ ー)を介して、継続してセグメント時間が算出されます(センサーのパルス ホィールの一定数の歯が通り過ぎる時間)。エンジン作動中は、このセグメント時間が常にチェックされます。故障の場合、故障がメモリーされ、該当するシリンダーの噴射が停止されます。
ヒント
DME コントロール ユニットまたはパルス ホィールを交換した後は、センサー ホィール学習を実施する必要があります。パルス ホィールのみを交換した場合、まずセンサー ホィール学習を消去します(コントロール ユニットを約 5 分間、電圧供給から遮断します)。エンジン ブレーキ時にエンジンが最低 10 秒間作動すると、センサー ホィール学習が自動的に実行されます。センサー ホィール学習を参照。
3000 rpm 以下では、ミス ファイアはミス ファイア検知で検知されます。3000 rpm 以上では、ミス ファイアは点火回路モニターによって検知され(自己診断)、キャタライザーの損傷を防止します。
2 次側回路モニターは、「シャント」(2 次側グランド配線内の抵抗)を使用して作動します。
イグニッションが正常に行われた後、ミス ファイア検知の動作限界電圧に達しないと、故障が設定され、故障ランプが作動し(米国仕様のみ)、該当シリンダー バンクが作動を停止します。
スロットル バタフライが閉じていて、エンジン回転数が約 800 rpm 以上の場合、燃費を下げるためにフューエル カットオフ信号が作動します。DME が噴射を停止し、点火タイミングを遅角方向にずらし、回転数が再作動回転数以下になるようにします。この回転数以下で、噴射が再開し、点火タイミングが再度進角方向に移ります。再作動回転数は、エンジン水温と回転数低下によって決まります。
スロットル バタフライ位置がフルロード方向に急激に変化すると、デジタル モーター エレクトロニクスが加速動作時間のために噴射量を上げようとします。ここでは、臨界最大トルク、排気ガス濃度および加速時のノッキングがないことができる限り考慮されます。
ノッキング燃焼が起こっているエンジンで比較的長い間運転が行われると、重大な損傷を引き起こすことがあります。ノッキングは以下によって発生します:
圧縮比は、保管条件または製造条件によるばらつきによっても、値が高くなりすぎることがあります。
アンチノック コントロールの付いていないエンジンでは、ノッキング限界に対して安全な間隔をとることによって、点火時の良くない影響を考慮する必要があります。この場合、高負荷領域での効率損失は避けられません。
アンチノック コントロールは、ノッキングの発生するエンジン作動を防止することができます。実際にノッキングの危険がある場合にのみ、該当するシリンダー(シリンダー別)の点火タイミングが必要なだけ遅角方向に調整されます。これによって、ノッキング限界を顧慮せずに点火特性マップが最適な値に補正されます。安全な間隔は必要ありません。
アンチノック コントロールは、ノッキングに対するすべての補正を点火タイミングによって行い、レギュラー ガソリン(ROZ 91 以上)でも正常な走行が行えるようにします。
アンチノック コントロールの役割:
M73 には、シリンダー別に、アダプティブ アンチノック コントロール システムが装備されています。各シリンダー バンクに 2 つあるノック センサーは燃焼時のノッキングを検知します。センサー信号は DME コントロール ユニットで評価されます。
圧縮比は、保管条件または製造条件によるばらつきによっても、値が高くなりすぎることがあります。
アンチノック コントロールの付いていないエンジンでは、ノッキング限界に対して安全な間隔をとることによって、点火時の良くない影響を考慮する必要があります。この場合、高負荷領域での効率損失は避けられません。
アンチノック コントロールは、ノッキングの発生するエンジン作動を防止することができます。実際にノッキングの危険がある場合にのみ、該当するシリンダー(シリンダー別)の点火タイミングが必要なだけ遅角方向に調整されます。これによって、ノッキング限界を顧慮せずに点火特性マップが最適な値に補正されます。安全な間隔は必要ありません。
アンチノック コントロールは、ノッキングに対するすべての補正を点火タイミングによって行い、レギュラー ガソリン(ROZ 91 以上)でも正常な走行が行えるようにします。
アンチノック コントロールの役割:
ノック センサーは圧電体の固体伝送音マイクロフォンです。このセンサーは固体伝送音をピックアップして、電圧信号に変換します。
ノッキングが発生すると、一定数のサイクルだけイグニッションが遅角方向に調整され、その後徐々に元の値付近まで戻されます。
ノック センサーが故障すると、DME コントロール ユニットのディフェクト メモリーに故障が登録されます。故障の際には、点火タイミングが一定して遅角方向に調整され、両方のシリンダー バンクは保護されます(DME コントロール ユニット 1 および 2 のアンチノック機能)。
4 つのノック センサーは、8mm ボルトで両方のシリンダー バンク間のエンジン ブロックのシリンダー ヘッドに固定されています。各 1 つのセンサーが 3 つの隣接するシリンダーをモニターするように配置されています。
ボルト保護としては、ロックタイトのみが使用されています。スプリング ワッシャーや歯付きワッシャーは、いかなる状況でも使用してはなりません。
アンチノック コントロールの自己診断では以下の点検が行われます:
これらの点検で不具合が確認されると、アンチノック コントロールがオフになります。イグニッション コントロールがエマージェンシー プログラムになります。同時にディフェクト メモリーに登録されます。エマージェンシー プログラムは、ROZ 91 以上で問題のない走行を実現します。これは負荷、エンジン回転数、エンジン温度に左右されます。
診断によって、センサーのコネクターの取り違えは検知されません。センサーを取り違えると、エンジン損傷につながります。サービス作業では、センサーが正しく接続されているか、必ず注意しください(リペア マニュアルを参照)。
キャタライザーの最適な効率を維持するためには、燃焼用に理想的な混合比(ラムダ = 1)が目標になります。センサーの役目をするのは、2 つのヒーター付きラムダ センサー(キャタライザー前と後に各 1 つ)で、排気ガス内の残留酸素を測定し、それに相当する電圧値をコントロール ユニットへ送ります。そこで、もし必要ならば、噴射時間を変更することによって混合気組成が補正されます。キャタライザー後のラムダ センサーによって、キャタライザーの機能、キャタライザーの変換率がモニターされます。
ラムダ センサーが作動可能状態になるには、約 300 ℃が必要ですから、ラムダ センサーのヒーター抵抗に電圧が供給されます。
吸入空気の流れの中で温められるホット フィルム エア マス メーターの表面は、吸入空気用の一定の超過温度に制御されています。流れていく吸入空気がこの温まった表面を冷やすと、抵抗値が変化します。超過温度を一定に保つために必要なヒーター電流は、吸入されるエア量の測定係数になります。この値から DME コントロール ユニットは噴射時間を算出します。
主な長所:
ホット フィルム エア マス メーターにより、エンジン停止後のセンサーの自由燃焼は必要なくなります。一定の超過温度によって保護フィルムがきれいにされるため、表面上の汚れの堆積物はセンサー信号に直接影響を与えません。
フューエル タンクのエア抜きラインは、チャコール キャニスターと接続していて、そこにタンク内に発生した燃料蒸発ガスが集められます。チャコール キャニスターは、他のラインを介してエア コレクターと接続しています。このラインには、タンク エア抜きバルブがあります。
タンク エア抜きバルブが開いていると、エア コレクター内の負圧によりチャコール キャニスターを介してフレッシュ エアが吸引されます。フレッシュ エアがキャニスター内に集められた燃料を洗浄し、燃焼のためエンジンへ送ります。
この補足的に送られた混合気が、燃焼に非常に影響を与えるので、タンク エア抜きバルブは電気制御式バルブで構成されます。タンク エア抜きバルブは、無通電状態では閉じています。
スタートすると、タンク エア抜きバルブが約 6 分間(348 秒間)制御される最初の洗浄段階が始まります。その後、バルブは 100 秒間閉になり、基本学習を実施します。基本学習が正常に終了すると、次の洗浄段階は 90 分(5400 秒)です。そうでない場合は、短い洗浄段階(約 6 分)となります。基本学習を正常に終了するには、エンジンをアイドリングおよび部分負荷作動で作動させる必要があります。
補正は、DME コントロール ユニットの調整値の変更で行われます。この CO 調整は、DIS または MoDiC を使用して専用診断プログラムによってのみ実行できます。
インテーク マニフォールド内で生成された混合気は、ラムダ センサーに達して排気ガスとなるまでに若干の時間を要します。負荷およびエンジン回転数が上がると、この時間は短くなります。この理由から、ラムダ コントロールの反応時間も負荷および回転数に左右されます。ラムダ センサーから検知された混合気の誤差は、学習値(学習された補正値)のメモリーにも記憶されます。学習により、噴射をすでに規定値付近まで調整することができます。これにより反応時間が短くなります。
たとえば、アイドリング中 DME 特性マップの噴射基本値が、理想的な燃料/エアの混合比を維持するには低すぎる場合、ラムダ コントロールがつねに噴射時間(ti)を増やします。この場合、すでに噴射基本値を補正した学習値が使用されます。これによりラムダ コントロールは、精密な調整を引き受けます。
次の学習をエンジン運転中に実施します:
タンク エア抜きバルブが開いていると、チャコール キャニスターからエンジンに燃焼可能な追加の混合気が送られます。ラムダ センサーに検知された混合気の変動は、タンク エア抜き学習値を介して完全に補正されます。
アイドル エア学習は、アイドル コントロール バルブにより行われます。アイドル コントロール バルブは、一定のアイドル回転数用エア量を供給します。
タンク エア抜きの静止段階においては、スロットル バタフライ コントロールによりアイドリングが検知されると、一定の間隔でアイドル混合気学習が行われます。
部分負荷領域でも、一定の間隔で混合気学習が行われます。算出する学習値は、すべての部分負荷領域で考慮されます。
ミス ファイアは、クランクシャフト回転数が不規則であることに原因があります。これはセグメント時間の変化を介して検知することができます。
レファレンス マーク センサー(= クランクシャフト センサ ー)を介して、継続してセグメント時間が算出されます(センサーのパルス ホィールの一定数の歯が通り過ぎる時間)。エンジン作動中は、このセグメント時間が常にチェックされます。故障時は、故障がメモリーされ、該当するシリンダーの噴射が停止されます。ミス ファイア検知も参照。
誤った評価を防止するために、DME コントロール ユニットまたはパルス ホィールを交換した後は、センサー ホィール学習を実施する必要があります。パルス ホィールのみを交換した場合は、まずセンサー ホィール学習値を消去します(コントロール ユニットを約 5 分間、電圧供給から遮断します)。
センサー ホィール学習は、パルス ホィールの変形を算出し、セグメント時間の評価の際に考慮します。エンジン ブレーキ時にエンジンが最低 10 秒間作動すると、センサー ホィール学習が自動的に実行されます。
吸入空気温度センサーは、エア クリーナーのシェルの中に差し込まれています。「温度」を DME コントロール ユニット用に電気的に評価可能な「抵抗」測定値に変換するために、精密サーミスタ(NTC 抵抗)が使用されています。
吸入空気温度センサーは、噴射時間(ti)の補正には必要ありません。エア マス測定では吸気温度が自動的に考慮されます。吸入空気温度センサー(NTC-1)は、エンジン始動の際にクーラント温度センサー(NTC-2)と組み合わせて必要とされます。両方のセンサーの抵抗値は、噴射時間形成のための正確な情報を提供します。これにより特別な温間スタート時の問題が解消されます。
車速信号(V 信号)のインプットは、DME コントロール ユニットで幾つかの機能のために必要です。
ダイナミック スタビリティ コントロールは、ABS/DSC コントロール ユニットに組み込まれています。センサーでホィール回転速度がモニターされます。駆動側と非駆動側のホィール間の速度差が大きいと、ホイール スリップと検知されます。さらに、ステアリング アングル センサーによって、車両がオーバーステアか、またはアンダーステアであるか検知されます。
DSC は、必要な制御の重要度に応じて次の処置を伝えます:
ホィール スリップ コントロールのために:
エンジン ブレーキ トルク制御のために:
始動段階で排気ガス後処理のために、電動 2 次エア ポンプを使って、キャタライザーをすばやく加熱します。始動段階で 2 次エア ポンプは、各 1 つのシャットオフ バルブを介して両方のシリンダー バンクのマニフォールドにエアを吹き込みます。2 つのシャットオフ バルブは、ニューマチック式電動切換えバルブを介して操作されます。操作は、エンジン水温に応じて、約 20 秒(温間始動)から約 100 秒(冷間始動)間行われます。2 次エア ポンプは、回転数が 3000 rpm 以上になるか、またはフルロードになると、すぐに作動を停止します。
CAN バス(コントローラー エリア ネットワーク)は、接続されているすべてのステーションが同じ権利を持つシリアル バス システムで、各コントロール ユニットは送受信を同時に行うことができます。接続されたコントロール ユニットは、相互にケーブルを介して「会話」したり、情報を交換することもできます。
あるステーションに不具合が発生しても、ネットワークがライン構造になっているためバス システムは他のすべてのステーションに問題なく使用することができます。接続は、シールド(CAN_S)を介して障害から保護されている 2 本のデータ配線(CAN_L および CAN_H)で構成されています。
現在、このシステムには アダプティブ トランスミッション コントロール ユニット AGS、デジタル モーター エレクトロニクス DME、エレクトロニク スロットル コントロール EML およびダイナミック スタビリティ コントロール DSC のコントロール ユニットが相互に接続されいます。
接続されているユニットは、すべて同じ CAN バージョンを有しています。CAN バージョンは、診断インターフェースから点検することができます。CAN バスに接続されている各コントロール ユニットの確認画面に、CAN バージョン(バス インデックス)がアウトプットされます。
CAN バス経由で、たとえば CAN ステイタス、作動値、回転数や温度などの情報がコントロール ユニット間で交換されます。
センサーが故障した時、限定してエンジン運転を続行するため、代替値が用意されます。回転数センサーが故障した場合、該当シリンダー バンクでのエンジン運転はできません。
コンポーネント |
代替処置 |
---|---|
吸入空気温度センサー |
代替値 アクティブ |
エンジン水温センサー |
代替値 アクティブ |
ホット フィルム エア マス メーター |
スロットル バタフライ位置の代替値(CAN 経由の EML 情報) |
EGS コントロール ユニットは、シフト動作中 DME コントロール ユニットに信号を送って、点火タイミングを遅角調整させて、回転トルクを低下させます。これにより、次の走行ポジションへソフトに移行できます。
トルク コンバーター クラッチが閉じていると、すぐに DME コントロール ユニットが、他の点火タイミング特性マップに切り換えるよう指示します。
電子式エンジン始動ロック EWS、マルチ インフォメーション ディスプレイ MID またはDWA(盗難防止装置)によって、DME のイグニッションおよび噴射、およびフューエル ポンプの始動が防止されます。
オートマチック スタートは、スタート動作の快適性を改善します。スタート操作およびスタート操作の騒音をできるだけ短くします。スターターは、イグニッション キーを始動位置にするだけ作動します(ワンタッチ操作)。