左右方向の演算用に ABS/DSC コントロールユニットは他の測定値の他にステアリングアングルも必要とします。
ステアリングアングルは別付けのステアリングアングルセンサーを介して検知されます。 このステアリングアングルセンサーは 360 度のポテンショメーター仕様です。 測定範囲は 2 x 180 度。
正常な測定結果を保証するために、ステアリングアングルセンサーは二重構造になっています。 両方のスライディングコンタクトは互いに 90 度ずれています。
ステアリングアングルセンサーは、例えばホィールが直進位置のときはスライダーにかかる電圧がごくわずかな値になるように取り付けられています。
ステアリングホィールを右または左にきると、スライダーによって弱められた電圧が直線的に上昇して、ステアリングホィールを 180 度きったときには最大値約 5 V に達します。 この位置からホィールを同じ方向にさらに回すとスライダーの電圧は直線的に低下し、最小値約 0.5 V に達します。
このようにポテンショメーターによって形成される三相電圧は、コントロールユニットによって評価されてステアリングアングルに変換されます。
両ポテンショメーターのプラスおよびマイナス電源は ABS/DSC コントロールユニットから供給されます。 電源電圧は 5 V です。
注意事項
ステアリングアングルセンサーを交換する際、ステアリングホィールに対するセンサーの位置決めは必要ありません。 ただし取付け後は診断およびインフォメーションシステム(DIS)でステアリングアングルの調整を行わなければなりません(「サービス機能」の章の「ステアリングアングルの調整」)。