冷却系特性マップ

ウォーター ポンプ

ポンプ ハウジングはアルミ ダイカストまたはプラスチック製で、タイミング ケース カバー内部にねじ止めされています。ウォーター ポンプのハウジング内には、クーラント用ダブル温度センサーが取り付けられています。このダブル温度センサーは、クーラントがエンジンから排出される箇所に付いています。

ラジエター

国別仕様によっては、ラジエターにもう 1 つ追加装備しているものもあります。

標準型のサーモスタットの機能

標準的なサーモスタットによるエンジン冷却制御は、クーラント温度にのみ依存しています。エンジン水温の制御は、下記の 3 つの動作に分けることができます：

• サーモスタットが閉じている場合：クーラントはエンジンの中を循環します。ラジエター回路は閉じた状態。
  
• サーモスタットが限界まで制御されている(開いている)場合：全クーラントがラジエターへ廻ります。そのため、規定の最大冷却能力を発揮します。
  
• サーモスタットの制御範囲：クーラントの一部がラジエターの中を通ります。サーモスタットは制御範囲内で制御され、エンジンに流入する水温を一定に保ちます。
  

サーモスタット制御領域では、特性マップ制御式サーモスタットによってクーラント温度が適切に保たれるようにします。

これによりエンジンは、部分負荷領域では比較的高いクーラント温度で作動できます。これにより、より効率的な燃焼を達成し、燃費や有害物質排出を低減します。

逆にフルロード中は、適切に比較的低いクーラント温度に調整されます。これによりノッキング傾向を低減し、エンジンは最適な点火タイミングで作動されます。

特性マップ制御式サーモスタットによって、部分負荷領域では適切にクーラント温度が上げられます。この特性マップ制御式サーモスタットの制御は、エンジン コントロール ユニットにより特性マップに応じて行われます。

この特性マップを特定する変数値：

• エンジン負荷
  
• エンジン回転数
  
• 車速
  
• 吸気温度
  
• クーラント温度
  

特性マップ サーモスタットの構造

特性マップ制御式サーモスタットは一体型サーモスタットです。つまり、サーモスタットとサーモスタット カバーがひとつのユニットになっています。

特性マップ制御式サーモスタットの機械的構造は、標準的なサーモスタットと同じです。ただし、膨張剤(ワックス エレメント)には、ヒーター エレメントが内蔵されています。

特性マップ制御式サーモスタットのハウジング カバーはアルミ ダイカスト製です。サーモスタット カバーには、特性マップ制御式サーモスタットの膨張エレメントに組み込まれているヒーター エレメント用の電気接続も内蔵されています。

特性マップサーモスタットの機能

特性マップ制御式サーモスタットは、サーモスタットのところのクーラント温度が 103^oC の時、内蔵ヒーターを使用しないで、エンジン入口が開くように設定されています。エンジン内でクーラントが加熱され、エンジン出口(DME およびメーター パネル表示用クーラント温度センサー取付け位置)での温度がこの作動ポイントの約 110 ^o C になります。エンジンがこの作動温度に達すると、特性マップ制御式サーモスタットは制御動作なしで開きます。

DME コントロール ユニットによる制御動作が行われる際は、サーモスタットに組み込まれたヒーター エレメントに電流(12 V)が流れます。温度に応じてサーモスタットの開度を決める膨張剤が加熱されます。膨張エレメントの加熱により、サーモスタットはクーラント温度が低くても開きます(サーモスタット制御領域：約 80 ^oC - 103 ^oC

エンジン アウトプットのクーラント温度が 113 ^oCを超えると、他のパラメーターには関係なく、DME により特性マップ制御式サーモスタットのヒーターがオンになります。

診断

特性マップ制御式サーモスタットのケーブル コネクターおよび機能は、DME コントロールユニットの診断でモニターされます。故障が発生すると、DME コントロールユニットのディフェクト メモリーに故障が登録されます。

メーター パネルの水温計

メーター パネルのクーラント温度表示の仕様は、特性マップ制御式サーモスタットに限定された高いエンジン水温に適合されています。

メーター パネルのクーラント温度表示の指針は、クーラント温度が

75 ^oC - 113 ^o C

で中央になります。