メーター パネル

一般事項

メーター パネルには、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)およびディスプレイ ユニット(AE)が統合されています。 IKEは、ディスプレイ ユニットにコネクター接続されています。

97 年 5 月生産以降、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)がディスプレイ ユニット(AE)に一体化されたメーター パネルが、生産ラインに導入されています。部品交換の場合は、古いメーター パネルをこのメーター パネルと交換することができます。

IKE にはバス インターフェースが内蔵されており、これを介して、接続されたコントロール ユニットへの信号の受け渡し(データ接続/シリアル)が成立します。

2 種類のバス インターフェースは、

不揮発性データ メモリー(電源を切った場合でも、データは保存されている)には、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)の機能を規定するコーディング データが記憶されています。

このデータ内には、車両モデルや国別仕様などのような、さまざまな機能が保存されています。

計器類(メーター)

メーターはすべて、ディスプレイ ユニット内にあります。これには、メーター、警告灯/表示灯、LCD モジュールが含まれます。メーター パネルのディスプレイ ユニットは、車両モデルによって装備されるメーターが異なります。

メーター パネル エレクトロニクス(IKE)の交換

故障の場合に、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)を、安全に交換できるように、どのような状態のときに、どのような方法で行うべきか、その手順を以下の 4 つの状況によって説明します。

ここに挙げた例は、97 年 5 月より生産ラインに導入されているメーター パネル仕様にも有効です。その場合、交換できるのはメーター パネルのみです。

状況 1:メーター パネル エレクトロニクス(IKE)のコントロール ユニットが故障、ライト チェック モジュール(LCM)コントロール ユニットは正常。

処置

結果

備考

IKE を新品に交換します。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされます。

ライト チェック モジュール内のシャシー ナンバーが、メーター パネルのシャシー ナンバーと一致しないと、マニポレーション マークがセットされます。

IKE を新規にコーディングします。

 

セントラル コーディング キーで IKE をコーディングします。

シャシー ナンバーを IKE にコーディングします。

 

シャシー ナンバーが IKE でコーディングされていない場合、IKE でも LCM でも積算走行距離は表示されません(トリップ メーターのみ)。CAN バス(97 年 5 月より生産ラインに導入されているメーター パネル一体型仕様)およびダイナミック スタビリティ コントロール(97 年 9 月生産以降の DSC)付きメーター パネルの場合は、シャシー ナンバーが一致しないと DSC が作動しないことに注意してください。作業終了後は、DSC コントロール ユニット内のディフェクト メモリーを消去します。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

マニポレーション マークが消灯していると、IKE が LCM から総走行距離値(積算距離値)および SIA データを引き継ぎます。

IKE コントロール ユニットと LM コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関する情報交換は、正常に戻ります。

状況 2:メーター パネル エレクトロニクス(IKE)コントロール ユニットは正常、ライト チェック モジュール(LCM)コントロール ユニットが故障。

処置

結果

備考

LCM を交換します(新品)。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされます。

ライト チェック モジュール内のシャシー ナンバーが、メーター パネルのシャシー ナンバーと一致しないと、マニポレーション マークがセットされます。

LCM を新規にコーディングします。

 

セントラル コーディング キーで LCM をコーディングします。

LCM にシャシー ナンバーをコーディングします。

 

LCM にシャシー ナンバーがコーディングされていない間は、LCM で積算走行距離は表示されません。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

マニポレーション マークは消えて、LCM は IKE から総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

IKE コントロール ユニットと LCM コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離、シャシー ナンバーなど)に関する情報交換は、正常に戻ります。

状況 3:メーター パネル エレクトロニクス(IKE)コントロール ユニットとライト チェック モジュール(LCM)コントロール ユニットを同時に交換しなければならない。

避けられない事態の場合にだけ、両方のコントロール ユニットを同時に交換します(記憶されている総走行距離値が、消却される恐れがあります)。

ヒント

バッテリーのターミナル接続を外すこと!

処置

結果

備考

バッテリー ターミナル接続を外してから、IKE および LCM を交換します(新品)。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされ、総走行距離値(積算距離値)が 0 を表示します。

それまでの総走行距離値(積算距離値)は回復不可能となります。

IKE および LCM をコーディングします。

 

セントラル コーディング キーで IKE および LCM をコーディングします。

IKE および LCM にシャシー ナンバーをコーディングします。

 

シャシー ナンバーがコーディングされていない間は、IKE および LCM で積算走行距離が表示されます。CAN バス(97 年 5 月より生産ラインに導入されているメーター パネル一体型仕様)およびダイナミック スタビリティ コントロール(97 年 9 月生産以降の DSC)付きメーター パネルの場合は、シャシー ナンバーが一致しないと DSC が作動しないことに注意してください。作業終了後は、DSC コントロール ユニット内のディフェクト メモリーを消去します。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

マニポレーション マークは消えて、LCM は IKE から総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

IKE コントロール ユニットと LCM コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関する情報交換は、正常に戻ります。

状況 4:メーター パネル エレクトロニクス(IKE)コントロール ユニットまたはライト チェック モジュール(LCM)コントロール ユニットをテスト交換する。

ヒント

両方のコントロール ユニットのうち片方をテスト交換することは原理的には可能ですが、しないでください。

処置

結果

備考

別の車両から持ってきた IKE または LCM コントロール ユニットを試験的に取り付けます。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされた状態になり、IKE は総走行距離値(走行距離値)をカウントします。

シャシー ナンバーが異なっている間は、積算走行距離は IKE でしか表示されません。LCM では総走行距離のカウントは行われません。CAN バス(97 年 5 月より生産ラインに導入されているメーター パネル一体型仕様)およびダイナミック スタビリティ コントロール(97 年 9 月生産以降の DSC)付きメーター パネルの場合は、シャシー ナンバーが一致しないと DSC が作動しないことに注意してください。作業終了後は、DSC コントロール ユニット内のディフェクト メモリーを消去します。

 

 

 

機能範囲

以下は、表示用または機能用として使用されます:

表示/機能

信号

車速表示

ABS/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

回転数表示

エンジン コントロール ユニットからの回転信号 TD(コーディングされたエンジン バージョンに応じて、信号が個別配線または CAN バスを介して読み出されます)。

燃費表示

エンジン コントロール ユニットからの噴射信号 ti/エンジン コントロール ユニットからの回転信号 TD/ABS/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw(コーディングされたエンジン バージョンに応じて、信号が個別配線または CAN バスを介して読み出されます)。

燃料残量表示

両方のフューエル レベル センサーの抵抗値(アナログ信号)

クーラント温度表示

クーラント温度センサーからの抵抗値(温度に応じて変化する抵抗)/エンジン コントロール ユニットからの回転信号 TD((コーディングされたエンジン バージョンに応じて、信号が個別配線または CAN バスを介して読み出されます)。

サービス インターバル インディケーター

ABS/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw、クーラント温度センサーからの抵抗値、エンジン コントロール ユニットからの回転信号 TD

サービス インターバル インディケーターのリセット

診断コネクターへの配線接続

オドメーター(積算走行距離)

ABS/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

トリップ メーター

ABS/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

外気温度ディスプレイ

外気温度センサーからの抵抗値、ABS/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

テキスト ディスプレイ

ステアリング コラム スイッチ(BC ファンクション キー)、チェック コントロール スイッチ(CC スイッチ)

メーター パネル調光

ライト チェック モジュール(LCM)からの調光信号、フォト トランジスターからの内部信号

ゴング制御

トーン 1(T1)は 1 kHz の短い「ピー音」、トーン 2(T2)は 1 kHz の 1 回のゴング、トーン 3(T3)は 1 kHz の優先ゴング

車速信号/アウトプット

車速信号

ブレーキ パッド摩耗検知

ブレーキ バッド摩耗センサーおよびリング状に配置されたセンサー配線(アナログのプラス アウトプットからアナログのグラウンド インプットへ)の抵抗値。チェック コントロール モジュール(CCM)へのインフォメーション配線(I バス テレグラム)。

リバース ギアの検知(マニュアル トランスミッション)

リバース ギア スイッチのグラウンド

シフト プログラム表示(オートマチック トランスミッション)

トランスミッション コントロール ユニットからのインフォメーション配線(データ配線/シリアル)

I バス(インストルメント バス)

接続されているコントロール ユニットへのインフォメーション配線(データ配線/シリアル)

K バス(ボディ バス)

接続されているコントロール ユニットへのインフォメーション配線(データ配線/シリアル)

診断バス(RxD/TxD)

DIS へのインフォメーション配線(データ配線/シリアル)

テスト機能

従来のモデル シリーズでオンボード コンピューターに呼び出すことができたテスト機能は、現在メーター パネルに呼び出すことができます。

システム テスト(テスト No.2):このシステム テストは、ディスプレイ ユニット、およびメーター パネル エレクトロニクス(IKE)によって制御される部品の点検に使用します。

シミュレーション:

表示灯/警告灯

アナログ メーターシステム テスト中、アナログ メーターのシミュレーションが診断され、電気的な故障が発生した場合はディフェクト メモリーが登録されます。さらに、手順の特に最初の過程で、指針が全目盛範囲上を連続してスムーズに動くかどうか確認します。2 番目のテスト過程では、アナグロ メーターは全目盛範囲上をそれほど連続してスムーズには移動しません。この場合は、指針の各位置における電気的制御データが測定されるに過ぎません。

テスト機能の呼出し:

テスト ナンバー 1 および 2 以外のテスト機能はすべてロックされており、テスト機能ナンバー 19 で解除します。

手順: Kl.15「オン」のときにチェック コントロール ボタン(メーター パネルの右側のノブ)を、テキスト ディスプレイ上に(チェック コントロール メッセージの表示領域)「Test-NR.: 01」が現れるまで押し続けます。繰り返し押して、該当するテストを選択します。さらにトリップ メーター リセット ボタン(メーター パネル左側のノブ)を押すと、選択したテストが作動します。ロックされたテスト(テスト 3 〜 21)の場合、トリップ メーター リセット ボタンで確定すると、「Lock ON」の表示が現れます。このとき、ボタンを繰り返し押して、シャシー ナンバーの数字の和を入力します。CC スイッチによって、新たにテストを選択し、トリップ メーター リセット ボタンで確定します。テスト 1 および 2 は、直接トリップ メーター リセット ボタンで確定し、呼出しできます。

車体番号の和:テスト 1 でシャシー ナンバーを読み出します。

例:「FGSTNR: XY12345」

車体番号の和:1+2+3+4+5 = 15

テスト No.

機能

1

メーター パネル エレクトロニクス(IKE)の識別

2

システム テスト

3

SIA データ

4

走行 100 km 当たり、および走行 1 時間当たりの瞬間燃費

5

現在までの区間燃費および区間距離

6

燃料残量値

7

クーラント温度および回転数

8

瞬間車速(km/h)

9

Kl.30 の回路電圧値

10

国別コードの呼出し

11

表示単位の呼出し(AM/PM または分.時/時.分)など

12

到着まで、および現在までの平均車速

13

ゴングの作動

14

故障バイトの呼出し(自己診断)

15

I/O ポート ステイタスの表示

16

使用せず

17

使用せず

18

使用せず

19

テスト機能のロックおよび解除

20

平均燃費の修正係数のインプット

21

IKE のリセット(ソフトウェア リセット)

“平均燃費”.用テスト機能 20 修正係数

テスト機能 20 は、修正係数の調整を可能にします。修正係数の修正範囲は 0750 〜 1250 間で確定されます。修正を行うために、係数は 1000(工場での調整)でなければなりません。そうでないと新しい係数を公式で計算できなくなります。係数が 1000 である場合、100 km ごとのリッターの実際の消費を 100 km ごとのリッターの表示消費で割った値に 1000 を掛けると新しい修正係数が導き出されます。他の測定単位、リッター当たりのマイル、ガロン当たりのマイルおよびリッター当たりのキロメーターが表示される場合、修正係数算出のために 100 km ごとのリッターで換算しなければなりません。この新しい係数はテスト機能 20 のトリップ メーター リセット ボタンで変更できます。

テスト機能 20 の呼出し:Kl.15「オン」のときにチェック コントロール ボタン(メーター パネルの右側のノブ)を、テキスト ディスプレイ上に(チェック コントロール メッセージの表示領域)「Test-NR.: 01」が現れるまで押し続けます。繰り返し押して、テスト 20 を呼び出します。 その後、調整されたテストをトリップ メーター リセット ボタン(メーター パネル内左ボタン)で作動させます。

テスト機能 20 はロックされたテストです。トリップ リセット ボタンでテスト機能 20 を作動し、「Lock ON」が表示されたら、トリップ メーター リセット ボタンを繰り返し押してシャシー ナンバーの数字の和を入力します。CC ボタンでテストを新たに選択し、トリップ メーター リセット ボタンで確定しなければなりません。

小数第 1 位はトリップ メーター リセット ボタンを短く押すと(メーター パネル内の左ボタン)後戻りして(0-9)調整できます。小数第 10 位、100 位、1000 位はボタンを継続して押すと自動的に後戻りして調整されます。修正係数はその際、750 〜 1250 の有効範囲内に止まります。ボタンがもう押されない場合、調整された修正係数は維持されます。

 

車速表示

車速表示については、各モデルで異なったスピード メーターが装備されています。

メーター パネルは、距離信号 tw をアンチロック ブレーキ システム(ABS)、オートマチック スタビリティ コントロール(ASC)、ダイナミック スタビリティ コントロール(DSC)のコントロール ユニットから受け取ります。これにより、メーター パネル エレクトロニクス(IKE )は、スピード メーター、オドメーターおよびトリップ メーターを制御します。

メーター パネルは、車速を距離信号twおよびメーター パネル エレクトロニクス(IKE)にコーディング データとして記憶されている距離パルス係数(K 値)を基に算出します。さらにメーター パネルには、接続されているコントロール ユニットのための車速信号(Tacho-A)があります。インストルメント バス(I バス)およびボディ バス(K バス)では、車速インフォメーションがテレグラムとして使用されます。

回転数表示

97 年 5 月生産以降、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)がディスプレイ ユニット(AE)に一体化されたメーター パネルが、生産ラインに導入されています。部品交換の場合は、古いメーター パネルをこのメーター パネルと交換することができます。

メーター パネルは、エンジン コントロール ユニットからの回転信号(ガソリン エンジン車ではtd)を、回転数算出のために使用します。他のエンジンへの適合は、メモリーされているコーディング データによって行われます。

97 年 5 月より生産ラインに導入されているメーター パネル一体型仕様は、メモリーされたコーディング データにより、回転信号が CAN バスと専用ケーブルのどちらを介してメーター パネルへ送られるのかを確認します。

タコメーターは、Kl.15「オン」以上で、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)からの回転信号に応じた数値を表示します。回転数インフォメーションはインストルメント バス(I バス)およびボディ バス(K バス)を介して他のコントロール ユニット用にも提供されます。

燃費表示

97 年 5 月生産以降、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)がディスプレイ ユニット(AE)に一体化されたメーター パネルが、生産ラインに導入されています。部品交換の場合は、古いメーター パネルをこのメーター パネルと交換することができます。

燃費信号tKVAは、エンジン コントロール ユニットからの噴射信号から算出されます。距離信号と組み合わせて、単位距離当たり(例:km/l)の燃料消費量として算出します。

12 気筒エンジンの場合、燃費は 2 つのエンジン コントロール ユニットの噴射信号と距離信号から算出されます。

97 年 5 月より生産ラインに導入されているメータ パネル一体型仕様は、メモリーされたコーディング データにより、噴射信号が CAN バスと専用ケーブルのどちらを介してメーター パネルへ送られるのかを確認します。

燃料残量表示

一般事項

燃料残量測定は、別々にメーター パネル エレクトロニクス(IKE)に接続されている 2 つのフューエル レベル センサーによって行われます。各センサーは、専用のグラウンド(アナログ グラウンド)およびセンサー ケーブル(アナログ プラス)と共に、メーター パネル エレクトロニクス( IKE )に接続されています。フューエル レベル センサーには、燃料残量警告灯を点灯させるためのリザーブ コンタクトはありません。燃料残量警告灯は、レベル限界値と残量の比較によって点灯します。

フューエル タンク

7 シリーズ(E38)では現在、85 リッターまたは 95 リッターのタンクが取り付けられています。95 リッターのタンクは、ボディ フロアより低い位置に配置されているため、タンク アンダー ガードが取り付けられています。5 シリーズ(E39)では現在、70 リッターのタンクのみが取り付けられています。85 リッター タンクと 95 リッター タンク(E38)、70 リッター タンク(E39)と95 リッター タンク(E53)の燃料計に対する充填レベルの算出方法が異なるため、コーディング データによって一致させています。

点検のため左半分または右半分のタンクから特定の量を排出する必要がある場合は、正しいドレン接続部かどうかを確認します(7 シリーズ E38 の場合のみ)。両方のタンク用のドレン接続部は、左側タンクにあります。2 つのドレン接続部のうち、右タンク用ドレン接続部には横向きの長方形が、また左タンク用ドレン接続部には縦向きの長方形が刻印されています。

5 シリーズ(E39)では、専用の接続部を介して燃料を排出することはできません。この場合、フィラー パイプ(タンク フィラー ネック)を介して行わなければなりません。

クーラント温度計

97 年 5 月生産以降、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)がディスプレイ ユニット(AE)に一体化されたメーター パネルが、生産ラインに導入されています。部品交換の場合は、古いメーター パネルをこのメーター パネルと交換することができます。

メーター パネルは、クーラント温度センサー(NTC 抵抗)によって現在のクーラント温度を算出します。クーラント温度センサーは、専用のグラウンド(アナログ グラウンド)とセンサー ケーブル(アナログ プラス)によって、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)に接続されています。

97 年 5 月より生産ラインに導入されているメーター パネル一体型仕様は、メモリーされたコーディング データにより、クーラント温度がエンジン コントロール ユニットからの CAN バスとクーラント温度センサーからの専用配線のどちらを介してメーター パネルへ送られるのかを確認します。

「クーラント温度」のインフォメーションは、メーター パネル エレクトロニクス( IKE )からインストルメント バス( I バス )およびボディ バス(K バス)を介して伝送されます。

サービス インターバル インディケーター

サービス インターバル インディケーター(SIA)によって、ドライバーおよびサービス工場はオイル サービス、距離インスペクションまたはタイム インスペクションの実施時期を知ることができます(一部日本仕様に該当せず)。車両のインスペクション インターバルは、走行距離だけに固定されているわけではなく、燃費に応じても決定されます。サービス インターバル インフォメーションは、「Kl.15 をオン」以上で、エンジン回転数が 400 rpm 以上に達してから 10 秒間、表示されます。

サービス インターバル インディケーター(SIA)のデータは、ライト チェック モジュール( LCM )にもメモリーされます。

サービス インターバル インディケーターのリセット

サービス インターバル インディケーター(SIA)は、一定の周期のパルスがサービス インターバル リセット インプットにかかるとリセットされます。各リセットは、それぞれ互いに独立して行われます(サービス インターバル インディケーター[SIA]リセッター)。オイル サービス、タイム インスペクションおよび距離インスペクションをリセットすることができます。

オドメーター(積算走行距離)

積算走行距離は、液晶ディスプレイに表示されます。現在の積算走行距離値は、Kl.R を「オン」にするとディスプレイに表示されます。Kl.R「オフ」のときは、メーター パネルのトリップ リセット ボタンを押して、手を離すと約 25 秒間、表示されます。コーディングされている国別仕様に応じて距離の単位(km/miles)が、トリップ メーターの横に表示されます。インストルメント バス(I バス)およびボディ バス(K バス)では、テレグラムとして積算走行距離が使用されます。

積算走行距離は、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)およびライト チェック モジュール(LCM)にメモリーされます。メーター パネル エレクトロニクス( IKE )が積算走行距離値を呼び出せず、ライト チェック モジュール( LCM )の値と一致しない場合は、積算走行距離値として「999999」が表示されます。

トリップ メーター

トリップ メーターの距離は、液晶ディスプレイに表示されます。現在のトリップ メーターの数値は、Kl.R を「オン」にするとディスプレイに表示されます。Kl.R「オフ」のときは、メーター パネルのトリップ リセット ボタンを押して、手を離すと約 25 秒間、表示されます。コーディングされている国別仕様に応じて距離の単位(km/miles)が、トリップ メーターの横に表示されます。

外気温度ディスプレイ

メーター パネルは、外気温度センサー(NTC 抵抗)からのインフォメーションによって現在の外気温度を算出します。外気温度センサーは、専用のグラウンド(アナログ グラウンド)とセンサー ケーブル(アナログ プラス)により、メーター パネル エレクトロニクス( IKE )に接続されています。外気温度はマルチ インフォメーション ディスプレイ(MID)に表示されるのではなく、常時メーター パネルに表示されます。外気温度が +3oC 下がると、コーディング状態に応じてゴング音 2(T2)が鳴り、温度表示が点滅します。表示の単位(oC/ o F)は、コーディング データにメモリーされています。

エンジンの余熱および他の環境条件が外気温度表示に影響するので、表示の変化は遅延されています。

「外気温度」のインフォメーションは、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)からインストルメント バス(I バス)およびボディ バス(K バス)を介して伝送されます。イグニッション スイッチが「0」のとき、IKE は分刻みで外気温度センサーの値を読み込みます。IKE は短時間作動し、インフォメーションが使用されるとその後はオフになります。

テキスト ディスプレイ

テキスト ディスプレイは、電球(バルブ)でバックアップ照明されている液晶ディスプレイです。5 個のバルブは、サービス インターバル インディケーター( SIA )、オドメーター、トリップ メーター、外気温度ディスプレイおよびメッセージ用テキスト ディスプレイをバックアップ照明します。

メーター パネル調光

バックアップ照明の調光は、メーター パネルの調光とは分離されています。輝度センサー(油圧警告灯の下の警告灯パネルにあるフォト トランジスター)は、液晶ディスプレイのバックアップ照明にのみ作用します。メーター パネルおよび液晶ディスプレイの輝度は、ライトがスイッチ オンのとき、ライト チェック モジュール(LCM)の調光信号によって制御されます。

ゴング

電子ゴングは、時報トーン 1(T1)、温度警告トーン 2(T2)、警告信号トーン 3(T3)およびトーン 1 とトーン 2 の合わさったコード信号用の音響信号装置として機能します。トーン 1 〜 3 のゴング制御用信号配線は、メーター パネルで使用されますが、パーク ディスタンス信号トーン 4(T4)によって遮断されます。トーン T4 および T5 は、車両の装備によって異なるゴング用の別のインプットを介して制御されます。このトーンは、メーター パネル エレクトロニクス( IKE )によって制御されるのではなく車両の他のコンポーネントの機能要素です。

時間信号 T1 は、ラジオ放送検知または交通情報検知のため、短い「ピー音」(1 kHz)を 3 回鳴らして、ドライバーに注意を与えます。

温度警告 T2 では、外気温度が低いことをドライバーに警告する(凍結の危険)ゴング(1 kHz)を1回鳴らします。

警告信号 T3 は、長いトーン(1 kHz)でドライバーに注意を与え、続いてゴングを鳴らします。これは、ライト チェック モジュール(LCM)の警告音として機能します。メーター パネルのライト チェック モジュール(LCM)は、音響信号の作動を I バス(インストルメント バス)のテレグラムとして伝達します。

短いコーディング信号は、トーン T1 および T2 を介して作動します(750 Hz)。これは、設定された車速限界値を超えたこと、または発進時にコード機能がまだ作動していることをドライバーに伝えます。

車速信号

メーター パネルは、距離信号 tw をアンチロック ブレーキ システム(ABS)、オートマチック スタビリティ コントロール(ASC)、ダイナミック スタビリティ コントロール(DSC)のコントロール ユニットから受け取ります。

メーター パネルは車速信号を、距離信号twおよびメーター パネル エレクトロニクス(IKE)にコーディング データとして記憶されている距離パルス係数(K 値)から形成します。車速信号(Tacho-A)は、接続されているコントロール ユニットに信号アウトプットとして利用されます。接続ユニットは、周波数または周期の測定を通して、 車速信号から車速インフォメーションを受け取ります。この車速インフォメーションはまた、インストルメント バス(I バス)およびボディ バス(K バス)を介して、テレグラムとして使用されます。

リバース ギアの検知(マニュアル トランスミッション)

「リバース ギアの検知」は、メーター パネルに対してコーディングされている場合にのみ機能します。メーター パネルがマニュアル トランスミッション用にコーディングされている場合は、オートマチック トランスミッション用プログラムおよびセレクター レバー ポジション インディケーターは停止状態になります。

「リバース ギアが入っています」と言うインフォメーションはボディ バス(K バス)を介して、テレグラムとして使用されます。

トランスミッション プログラム インディケーター(オートマチック トランスミッション)

97 年 5 月生産以降、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)がディスプレイ ユニット(AE)に一体化されたメーター パネルが、生産ラインに導入されています。部品交換の場合は、古いメーター パネルをこのメーター パネルと交換することができます。

メーター パネルは、独立したデータ配線を介してトランスミッション コントロール ユニットに接続されています。トランスミッション コントロール ユニットは、データ配線を介してメーター パネル エレクトロニクス(IKE)に、どのような走行シフトであるか、どのような走行プログラムであるか、およびトランスミッションがエマージェンシー プログラムであるかどうかを知らせます。トランスミッションが「エマージェンシー プログラム」であるというメッセージの場合、このメッセージはバス メッセージとしてライト チェック モジュール(LCM)に伝送されます。メーター パネルがオートマチック トランスミッション用にコーディングされているときは、オートマチック トランスミッション用のプログラムおよびセレクター ポジション インディケーターが点灯します。

97 年 5 月より生産ラインに導入されているメータ パネル一体型仕様は、メモリーされたコーディング データにより、トランスミッション インフォメーションがトランスミッション コントロール ユニットからの CAN バスと独立データ配線のどちらを介してメーター パネルへ送られるのかを確認します。

インストルメント バス(I バス)

インストルメント バス(I バス)は、3 種類の信号の受け渡し(データ接続/シリアル)のうちのひとつで、1 本のデータ配線を介して、他のコントロール ユニットに接続されています。このインストルメント バスは、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)によってモニターされています。IKE は、次のバス システムの接続も受け持ちます。

相互交信(ゲート ウェイ機能)

ボディ バス(K バス)

ボディ バス(K バス)は、3 種類の信号の受け渡し(データ接続/シリアル)のうちのひとつで、1 本のデータ配線を介して、他のコントロール ユニットに接続されています。このボディ バスは、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)によって電気的にのみモニターされています。ボディ バスによるモニターは、ジェネラル モジュール(GM)を介して行われます。

診断バス(D バス)

診断バス(D バス)は、3 種類の信号の受け渡し(データ接続/シリアル)のうちのひとつで、2 本のデータ配線を介して、診断可能なコントロール ユニットに接続されています。この診断バスは、診断コネクターに DIS が接続されている場合にのみ機能します。

警告灯

一般事項:全ての警告灯シンボル並びにセレクター ポジション インディケーターのバックアップ照明は、オートマチック トランスミッションの場合、選択された走行プログラムとともに、発光ダイオードによって行われます。

警告灯

信号

ブレーキ警告灯

赤く点灯:

メーター パネルは “ブレーキ パッド摩耗”を検知します

ライト チェック モジュールから I バスを経由したブレーキ液レベルのメッセージ

ASC コントロール ユニットからの「エレクトロニック ブレーキ フォース ディストリビューション(EBV)」故障の CAN バス メッセージ(コーディングされて取り付けられていなければならない)。

 

黄色く点灯:

ASC コントロール ユニットから CAN バス経由で「ブレーキ アシスタント(HBA)」の機能不良メッセージ(コーディングされて取り付けられていなければならない)。

パーキング ブレーキ警告灯

パーキング ブレーキ スイッチのグラウンド

シート ベルト警告灯

ライト チェック モジュールからの I バス メッセージ

燃料残量警告灯

両方のフューエル レベル センサーの抵抗値(アナログ信号)

フラッシャー表示灯

ライト チェック モジュールからの I バス メッセージ

フォグ ライト表示灯

ライト チェック モジュールからの I バス メッセージ

リア フォグ ライト表示灯

ライト チェック モジュールからの I バス メッセージ

ハイ ビーム表示灯

ライト チェック モジュールからの I バス メッセージ

油圧警告灯

油圧スイッチのグラウンド

ブレーキ警告灯:たとえば、ライト チェック モジュール(LCM)がブレーキ液レベルが低すぎることを検知したとき、LCM は警告灯を点灯させます。警告灯はイグニッションを「オン」後も、機能点検(走行前点検)のために点灯し、エンジン回転数が 400 rpm 以上になると、消灯します。

ブレーキ パッド摩耗検知は、IKE のセンサー アウトプットから IKE のセンサー インプットまでの配線が断線したとき、LCM へ I バス テレグラムを発信します。このメッセージに応じて、該当するメッセージが LCM から IKE に伝送され、IKE のテキスト ディスプレイに表示されます。したがってブレーキ警告灯は、点灯しません。

パーキング ブレーキ警告灯:警告灯は、パーキング ブレーキ スイッチにより点灯します。パーキング ブレーキが解除されているときは、スイッチは開になっています。

「パーキング ブレーキ」のインフォメーションは、インストルメント バス( I バス )およびボディ バス( K バス )を介して、テレグラムとして使用されます。

シート ベルト警告灯:シート ベルト警告灯は、コーディング データに応じて制御されます。シート ベルト ロック コンタクトの付いていない車両では、Kl.15 を「オン」にしてから約 6 秒間点灯します。

シート ベルト ロック コンタクト付き車両の場合、Kl.15「オン」以上で、ライト チェック モジュール(LCM)からの対応する I バス テレグラムにより、シート ベルト コンタクトが開となるまで(シート ベルト ロックが噛み合うまで)点灯します。

燃料残量警告灯:燃料残量警告灯は、フューエル レベル センサーのリザーブ コンタクトにより点灯するのではありません。レベル限界値と残量との比較によって点灯します。

フラッシャー表示灯:フラッシャー表示灯は、ライト チェック モジュール(LCM)からの I バス テレグラムにより、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)で点灯します。

フォグ ライト表示灯:フォグ ライト表示灯は、ライト チェック モジュール(LCM)からの I バス テレグラムにより、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)で点灯します。

リア フォグ ライト表示灯:リア フォグ ライト表示灯は、ライト チェック モジュール(LCM)からの I バス テレグラムにより、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)で点灯します。

ハイ ビーム表示灯:ハイ ビーム表示灯は、ライト チェック モジュール(LCM)からの I バス テレグラムにより、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)で点灯します。

油圧警告灯:この警告灯は、油圧スイッチにより点灯します。油圧スイッチからのインフォメーションは、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)によりステイタスとして読み込まれ、対応する I バス テレグラムがライト チェック モジュール(LCM)に伝送されます。このメッセージに応じて、該当するメッセージが LCM から IKE に伝送され、IKE のテキスト ディスプレイに表示されます。

ヒント

ここに説明されていない警告灯はすべて、メーター パネル エレクトロニクス(IKE)の機能と関連がありません。警告灯は、メーター パネルのディスプレイ ユニットのプラスまたはマイナスにのみ接続されます。