ボディ集中エレクトロニクスの全システムは以下のコンポーネントで構成されています:
95 年 9 月生産以降、運転席ドア モジュールはスイッチ ブロック モジュールに組み込まれています。
上記のモジュールにより以下の機能を作動することができます:
すべてのワイパー/ウォッシャーは、Kl.R(イグニッション スイッチ位置 1)以上でワイパー スイッチによりオンにすることができます。
ワイパー スイッチは間欠、ステージ 1、ステージ 2 の間で切り換わります。これらの切換え位置はジェネラル モジュールへの 2 本の配線を介してコーディングされています。スイッチはそれぞれグラウンドに切り換わります。
オプションのオートマチック インターバル コントロール(AIC)付き車両(96 年 3 月生産以降)の場合は、「インターバル」のスイッチ位置でレイン センサーによりワイパーインターバルが制御されます(オートマチック インターバル コントロールの機能説明を参照)。
ワイパー スイッチにはポテンショメーター付きローレット ダイヤルが取り付けられています。これにより間欠の間隔を 4 通りに調節することができます。この間隔は、車速に応じても制御されます。車速が速くなると間欠周期は短くなります。
オートマチック インターバル コントロール(AIC)がオプション装備されている車両(96 年 3 月生産以降)では、ローレット ダイヤルを介してレイン センサーの感度が調節されます。
ワイパー モーターは 2 通りのワイパー ステージ用に設定されています。負荷の切換えは 2 個の外部リレーにより行われます。
ワイパー モーターの終端位置(停止位置)は、モーター内に取り付けられたリターン コンタクトを介して検知されます。モーターが終端位置に達するとこのコンタクトはグラウンドをジェネラル モジュールに切り換えます。
リターン コンタクトはワイパー モーターのモニターにも使用されます。ワイパー モーターがオンになっている時にコンタクト信号が 16 秒間出ない場合(乾いた状態などが原因)は、過負荷保護のためワイパー モーターはオフになります。
この場合ワイパーは、スイッチをオフにして 3 分間のアレスト(リピート ロック)経過後に再びオンになります。
ワイパー ステージはワイパー スイッチでセットします。オートマチック インターバル コントロールを装備していない場合、ワイパー ステージは車速に応じても制御されます。次の通りです:
車速 |
スイッチはステージ 1 |
スイッチはステージ 2 |
---|---|---|
< 6 km/h |
間欠ワイパー |
ワイパー モーターはステージ 1 |
> 6 km/h |
ワイパー モーターはステージ 1 |
ワイパー モーターはステージ 2 |
ステージ 2 がオンになっている時、車速が 210 km/h 以上になると、ワイパー アームが外れるのを防ぐためにステージ 1 に切り換わります。
オートマチック インターバル コントロール(AIC)がオプション装備されている車両(96 年 3 月生産以降)では、車速に応じたワイパーの制御はありません。
停止位置でのワイパー アームの取付け(ワイパー ブレードの交換時など)は不可能なため、必要に応じて自動的にワイパー アームを交換位置に持ってくることができます。
手順:
E39 またはオートマチック インターバル コントロール(AIC)がオプション装備されている車両(96 年 3 月生産以降)には、この交換位置のセット機能はありません。
シリコン リムーバーはワイパー スイッチでオンにされると、その後自動的に作動します。
最初にポンプを介してフロント ウィンドウ上にウォッシャーが噴射されます。ワイパーはやや遅れてオンになります。続いて、ウォッシャー ポンプが始動し、シリコン リムーバーが噴射されます。その後ワイパーがさらに短時間作動して、ガラス面の水分を拭き取って乾いた状態にします。
シリコン リムーバー ポンプは外部ダブル リレー モジュールを介して制御されます。また、このモジュールはヘッドライト ウォッシャー ポンプの切換えも行います。
ヘッドライトまたはスモール ライトがオンになっている時、ウォッシャーまたはシリコン リムーバーの 5 回目の作動ごとにヘッドライト ウォッシャーが作動します。このときヘッドライトには 2 回ウォッシャーが噴射されます。
ウォッシャー動作が終了するとウィンドウ ウォッシャーは約 3 分間遮断されます。
Kl.R がオフになるとウォッシャー作動用のリピート ロックおよびカウンターがリセットされます。Kl.R が再度オンになった後にライトのスイッチを入れると直ちにヘッドライト ウォッシャーを作動させることができます。
ヘッドライト ウォッシャーは、シリコン リムーバー ポンプの切換えも行う外部ダブル リレー モジュールを介して作動します。
車速およびスイッチ オン状態のワイパー作動に応じて、ワイパー アームの接触圧(運転席側)が 5 段階で調節されます。次の通りです:
車速 |
ワイパー オフ |
ワイパー オン |
---|---|---|
< 6 km/h |
ステージ 0(これより上のステージで作動していなかった場合)、その他はステージ 1。 |
ステージ 0(これより上のステージで作動していなかった場合)、その他はステージ 1。 |
6 - 100 km/h |
ステージ 1 |
ステージ 1 |
100 - 140 km/h |
ステージ 1 |
ステージ 2 |
140 - 180 km/h |
ステージ 2 |
ステージ 3 |
> 180 km/h |
ステージ 3 |
ステージ 4 |
「ウォッシャー」作動の場合、押圧力はそれぞれ 1 段階ずつ上がります。
ワイパー プレッシャー コントロールの調整ユニットの位置決めは、モーターのカム スイッチにより行われます。ある位置(= ステージ)に達すると、このスイッチがグラウンドをジェネラル モジュールに切り換えます。
ロック防止のために ADV モーターはジェネラル モジュールによってタイムカットされます。故障によりカム スイッチから信号が出ない場合、ADV モーターは一定時間の後オフになります。
このスイッチ オフをキャンセルするには Kl.R をオフにします。
ルーム ライトは以下のスイッチおよびシステムにより制御されます:
フロント中央ライト ユニットのスイッチでルーム ライトのオンおよびオフが行えます。ただし照明の明るさはこのスイッチに左右されず、ジェネラル モジュールにより自動的に制御されます。
スイッチでオフにされたルーム ライトは、ドアが開くと再びスイッチが入ります。
特別機能として、スイッチを 3 秒以上押すとルーム ライトは連続してオフの状態になります。スイッチを新たに押すとオートマチック モードに戻ります。
車両の以下のライトは車両駐車状態の時にオンにすることができます:
この負荷用電源(バッテリー電圧)はジェネラル モジュールにより供給されます。
ライト類が継続してオンになっているときにバッテリーが完全放電しないように、Kl.R がオフになって 16 分後、ジェネラル モジュールがバッテリー電圧を遮断します。
「負荷遮断」の配線は静電流リレー K72 にも接続されています。このリレーは以下のコンポーネントのために負荷回路を切り換えます:
上記のシステムはリレー K72 により、Kl.R がオフになって 16 分後に Kl.30 の供給から分離されます。
Kl.R または 15 がオンになったとき、あるいはジェネラル モジュールまたはペリフェラル モジュールのインプットで信号が変更されたとき(ドアのオープン、エンジン フードのオープン、ドアのロック解除など)、上記の負荷は再度オンになります。
集中ロック システムの作動は以下の操作箇所から可能です:
車両の ZV スイッチ(センター ロック スイッチ) を介して車両を集中ロックおよびロック解除することができます。
ロックされたドアは、内側からドア グリップを 2 度引くことによりロック解除して開くことができます。
偶然の誤動作によるロック(ロック アウト) を防止するために ZV スイッチは以下の場合作動しません:
二重ロックされた車両(イグニッション オフ後の二重ロック、ドア キーまたは無線リモート コントロールによる運転席ドアの開/閉およびロック)は ZV スイッチで開けることはできません。
フロント ドアのロック シリンダーを介して、2 個のマイクロ スイッチ(= ドア ロック コンタクト)が切り換わります。これらのスイッチのコンタクトは B+ を、該当するドアのドア モジュールに切り換え、「ロック/二重ロック」および「ロック解除」の信号を伝送します。
無線リモート コントロールが取り付けられている場合、助手席ドアにロック シリンダーはありません。
注: E38 では、95 年 9 月までミラーおよびパワー ウィンドウ用「運転席ドア モジュール」と「スイッチ ブロック」はそれぞれのコントロール ユニットに分かれていました。95 年 9 月生産以降は、運転席ドア モジュールがスイッチ ブロックに統合されました。
トランク リッドのロック シリンダーを介して 2 個のマイクロ スイッチ(= ドア ロック コンタクト)が切り換えられます。これらのスイッチのコンタクトは B+ をジェネラル モジュールに切り換え、「ロック/二重ロック」および「ロック解除」の信号を伝達します。
車両のキーが「ロック/二重ロック」位置からさらに 90 o 回した状態で引き抜かれた(ロック シリンダーの溝は水平位置になる)場合、トランク リッドはロックされた状態です。集中ロックが他の操作箇所からロック解除されたときも(「ホテル/ワークショップ ポジション」)同様です。
注: E39 ツーリングには、テール ゲートにロック シリンダーが取り付けられていません。
車両のすべてのドアで 2 種類の集中ロック状態が可能です:
ロックの場合 ロック ノブが下に引かれます。ロック状態ではドアを外側からドア フラップにより開けることはできません。インナー ドア フラップを 2 回引くと内側からドアを開けることは可能です。
運転席ドアが開いた状態で車両をロックしても、運転席ドアはロックされません。
ロックされた車両は ZV スイッチにより内側からロック解除することができます。
二重ロックの場合 ロック メカニズム内部とオープン メカニズムとの連結が解除されます。ドアは外側からも内側からも開けることはできません。ZV スイッチは作動しません。
ロック シリンダーまたは無線リモート コントロールを介した集中ロック作動の場合、イグニッション スイッチ位置が「0」(Kl.R および 15 がオフ)で Kl.R のオフ後に車両ドアが最低 1 回開けて閉められたときに、車両は自動的にロックおよび二重ロックされます。
フロント集中ロック アクチュエーターは各ドア モジュールのトランジスターを介して制御されます。リア ドアおよびフューエル フラップのアクチュエーターはジェネラル モジュールのリレーにより制御されます。
集中ロック アクチュエーターは電子制御モーターと内蔵スイッチ(= ポジション スイッチ)から構成されています。回転運動はギア ユニットを介してロック メカニズムに伝えられます。
集中ロックの作動後はアクチュエーターのポジション スイッチが「ロック」位置に達するまで電子制御モーターがオンになっています。ドアを二重ロックさせるときは、続けて電子制御モーターが新たに制御され、ギア ユニットが「ロック」位置から終端位置「二重ロック」へと移動します。
集中ロック アクチュエーター内の電子制御モーターはブロック作動を行うため(二重ロック位置で)、あまりに頻繁に作動が繰り返されて過負荷状態になるのを防止する必要があります。このために、集中ロックが 2 分以内に 32 回作動するとリピート ロックが働いて停止状態になり、作動は 4 秒ごとにのみ実行されることになります。
このリピート ロックは 3 分後にキャンセルされます。
安全上の理由から、ジェネラル モジュールが衝突事故(クラッシュ)を検知すると、集中ロック システムが解除されます。以下の要領で衝突が検知されます:
ロック解除に加えて、ハザード ライトとルーム ライトが点灯します。
イグニッション スイッチ位置が 0 の時、または集中ロック システムが「二重ロック」状態の時は、クラッシュ検知は作動しません。
電気的にロックされたドアがインナー ドア フラップにより機械的にロック解除された場合(ドア フラップを 2 回引く)は、ドア メカニズムと ZV アクチュエーターの連結が解除されます。ロック メカニズムと ZV アクチュエーターは対立的な状態になり同期がとれなくなります。
ジェネラル モジュールは、ドアが開いたことを示すドア コンタクト信号により、この不一致の状態を検知します。
この場合はロックを行ってからロック解除して新たにロックすると、この次に集中ロックを電気的にロックしたときに自動的にドアの同期が回復します。
国別仕様によっては(米国仕様など)、ジェネラル モジュールに「セレクト ロック解除」がコーディングされています。セレクト ロック解除では、最初にドア ロック コンタクトまたは無線リモート コントロールによりロック解除を行うと、まず運転席ドアのみがロック解除されます。他のドアは「二重ロック」から「ロック」の位置になり、インナー ドア フラップによってのみ開けることができます。
車両が 2 度目にロック解除されたとき、すべてのドアはロック解除されます。
ソフト クローズ オートマチックは電動アクチュエーターによりトランク リッドを電気的に開閉します。
トランク リッドのオープンは車両がロック解除されている場合にのみ可能です。トランク リッド ロックがワークショップ/ホテル位置(ロック シリンダーが水平位置)になっていてはなりません。トランク リッド「オープン」は以下により作動します:
トランク リッドを閉める場合はトランク リッドを軽く押します。このときトランク リッドのロータリー ストライカーはロック位置まで回ります。トランク リッド コンタクトによりジェネラル モジュールへリッド クローズの信号が伝えられます。トランク リッドのロック部と接続されている電子制御モーターは、ジェネラル モジュールのリレーを介して作動します。電子制御モーターがロック部を下まで回すことによりトランク リッドが閉まります。
電気的なクローズは車両がロックされている場合も作動します。
ソフト クローズ オートマチック用アクチュエーターは、トランク リッドのロック部を回転させる電子制御モーターです。その制御はジェネラル モジュール内のリレーを介して行われます。モーターの回転方向はオープン/クローズどちらの場合も同じです。
アクチュエーターにはさらにマイクロ スイッチが 1 個内蔵されていて、モーターおよびロック部の位置を検知してジェネラル モジュールに伝えます。モーターが「下死点」位置に達するとマイクロ スイッチがグラウンドをジェネラル モジュールへ切り換えます。
ソフト クローズ オートマチックに電気的な故障が発生した場合の緊急操作用として、トランク リッドのロック シリンダーとロータリー ストライカーの間はロッドで結ばれています。キーを逆時計方向にストップ位置まで(約90o )回すと、ロッドを介してロータリー ストライカーが機械的にロック解除されて開きます。
トランク リッド ロック解除により、トランク リッドを電気的にロック解除して開けることができます。ロック解除は、リターン スプリング内蔵の特殊なアクチュエーターを介して行われます。
アクチュエーターはジェネラル モジュールのリレーを介して制御されます。
トランク リッドのロック解除は、車両がロック解除されている場合にのみ可能です。トランク リッド ロックがワークショップ/ホテル位置(ロック シリンダーが水平位置)になっていてはなりません。トランク リッド「ロック解除」は以下の要領で作動します:
E39 ツーリングのテール ゲートは、ロータリー ストライカーを電気的にロック解除するか、ロック部を進角方向に回転させることにより、電気的に解除されます。
ロータリー ストライカーのロック解除のために、リターン スプリング内蔵の特殊なアクチュエーターがテール ゲートに取り付けられています。
ロック解除用アクチュエーターは、外部リレーを介してジェネラル モジュールにより制御されます。
ロック部は電子制御モーターにより回転します。その制御はジェネラル モジュール内のリレーを介して行われます。モーターの回転方向はオープン/クローズどちらの場合も同じです。
アクチュエーターにはさらにマイクロ スイッチが1個内蔵されていて、モーターおよびロック部の位置を検知してジェネラル モジュールに伝えます。モーターが「下死点」位置に達するとマイクロ スイッチがグラウンドをジェネラル モジュールへ切り換えます。
テール ゲートのロック解除とオープンは、車両がロック解除されている場合にのみ可能です。以下の要領で作動します:
テール ゲートを閉める場合はテール ゲートを軽く押します。このときテール ゲートのロータリー ストライカーは機械的にロック位置まで回ります。テール ゲート コンタクトによりジェネラル モジュールへリッド クローズの信号が伝えられます。ロック部と接続されている電子制御モーターが作動します。電子制御モーターがロック部を回すことによりテール ゲートが閉まります。
電気的なクローズは車両がロックされている場合も作動します。
電気システムが故障した場合は、ケーブルを使用した緊急操作により機械的にロックを解除し、テール ゲートを室内から開けることができます。
テール ゲートと同様にリア ウィンドウも、ロック解除スイッチを押すと、アクチュエーターによって電気的にロック解除されます。
ロック解除用アクチュエーターは、外部リレーを介してジェネラル モジュールにより制御されます。
リア ウィンドウ用のロック解除スイッチは、リア ウィンドウ ワイパーのワイパー アームのピボット部に取り付けられています。
リア ウィンドウのロック解除は車両がロック解除されている場合にのみ可能です。
パワー ウィンドウは「運転席ドアのミラーおよびパワー ウィンドウ操作用スイッチ ブロック」および各ドアのその他の 3 個のスイッチにより作動します。
助手席ドアおよびリア ドアのスイッチは、2 本の配線を介してドア モジュールまたはジェネラル モジュールへスイッチ状態を知らせます(グラウンド信号)。運転席ドアのスイッチ ブロックは、「P バス」を介してドア モジュールおよびジェネラル モジュールへ情報を伝えます。
注: E38 では、95 年 9 月までミラーおよびパワー ウィンドウ用「運転席ドア モジュール」と「スイッチ ブロック」はそれぞれのコントロール ユニットに分かれていました。95 年 9 月生産以降は、運転席ドア モジュールがスイッチ ブロックに統合されました。
すべてのスイッチには 2 段階のスイッチ ステージがあります。前方または後方へ軽く押すとウィンドウを開/閉することができます。スイッチから手を離すとパワー ウィンドウ モーターが直ちにオフになります。
第 1 ステージからスイッチをさらに押すと第 2 ステージになります。この時点でパワー ウィンドウ モーターはオートマチック モードになっていて、ウィンドウが完全に開くかまたは閉まるまで制御されます。新たにスイッチを作動させるとオートマチック モードは中止になります。
オートマチック モードは法規に基づき、コーディング データで設定されます。例:オーストラリア仕様では、オートマチック モードは運転席ドアでのみ「クローズ」方向で可能です。
オートマチック モードの場合、電流測定を介してモーターのスイッチ オフが行われます。終端位置に達するとモーターは短時間ロックされるため消費電流が上がります。電流上昇はドア モジュール(フロント ウィンドウ)またはジェネラル モジュール(リア ウィンドウ)で検知され、モーターがスイッチ オフになります。
ドアのすべてのウィンドウ フレームの上部領域には、挟み込み防止プレートが取り付けられています。このプレートは、プラスチックにはめ込まれた 2 枚のコンタクト ストリップで構成されており、圧力がかかると電気的な導通が発生します。
ウィンドウを閉めている際に挟み込み防止プレートが押されると、クローズ動作は中止されてウィンドウが約 1-2 秒間オープン方向に制御されます。
挟み込み防止プレートに連続的に圧力がかかっている場合、ウィンドウのクローズ動作はスイッチをさらに押し込む(スイッチ位置「オートマチック」)ことによってのみ可能です。
並列接続された抵抗により、挟み込み防止プレートの配線が破損していないかモニターされます。断線が発生するとウィンドウのクローズ動作は同様にスイッチをさらに押し込むことによってのみ可能です。
運転席ドアのロック シリンダーおよび無線リモート コントロールを介してウィンドウおよびサン ルーフを開/閉することができます。
コンフォート オープンは、ロック シリンダーが「ロック解除」位置に 3 秒以上保持されているとき、あるいは無線リモート コントロールの該当するボタンが、対応する時間だけ押されているときに実行されます。
コンフォート クローズは、ロック シリンダーが「ロック」位置に 2 秒以上保持されているとき、あるいは無線リモート コントロールの該当するボタンが、所定の時間だけ押されているときに実行されます。
この機能はコーディングによってオン/オフすることができます。
パワー ウィンドウは Kl.R がオンのときに作動します。Kl.R がオフになった直後、パワー ウィンドウはまだ操作可能です。16 分後に自動的にスイッチ オフになります。
さらに各国の法規に左右されますが、運転席ドアまたは助手席ドアを開けることによりパワー ウィンドウのスイッチ オフが可能です。
2 種類の仕様がコーディング可能:
EC 仕様 |
Kl.R のオフ後および運転席ドアまたは助手席ドアの開/閉後にスイッチ オフ。 |
米国およびオーストラリア仕様 |
Kl.R のオフ後および運転席ドアまたは助手席ドアを開けた後にスイッチ オフ。 |
このスイッチ オフ条件はサン ルーフにも当てはまります。
サン ルーフの制御は専用ペリフェラル モジュール(SHD モジュール)により行われます。このモジュールには SHD モーター用の負荷開閉回路が含まれています。これは SHD モーターと直接接続されています。
SHD モジュールは P バスを介してジェネラル モジュールと接続されています。
サン ルーフ用スイッチには 5 種類のスイッチ位置があります。
5 種類のスイッチ位置は 3 本の配線によって SHD モジュールに伝えられます(グラウンド信号)。
スイッチ位置「オープン」および「クローズ」をさらに押し込むとオートマチック モードが作動し、サン ルーフを全開/全閉します。
2 個のポジション センサー(インクレメンタル センサー)がモーター回転数を検知し、サン ルーフの位置を検知します。
ポジション センサーのパルスおよびモーターの消費電流から常に SHD モーターのトルクが算出されます。このトルクが特定の値を超えると、挟み込みとして検知されます。
挟み込み防止装置は、ノーマル クローズ(スイッチは押し込まれていない)の時、オートマチック モードの時、およびサン ルーフのコンフォート クローズの時に「クローズ」方向で作動します。SHD スイッチをクローズ方向に押し込んだままにしておくと、異常時に挟み込み防止装置は作動しません。
挟み込みを検知するとクローズ動作が中止になり、サン ルーフが短時間開きます。
重要!
サン ルーフ開口部の内側の寸法が 4 mm 以下の場合、挟み込み防止装置は作動しません。
バッテリー ターミナルの脱着後または SHD モジュールの脱着後は、モジュール内にメモリーされていたポジション値が消去されています。サン ルーフの操作はクローズまたはアップの方向でのみ可能です。
初期化を行うにはサン ルーフを終端位置「アップ」にします。この位置で「アップ」のスイッチを 15 秒以上押し続けます。サン ルーフが初期化されます。
パワー ウィンドウと同様に、サン ルーフも車両のロックまたはロック解除により開/閉することができます。
コンフォート オープンは、ロック シリンダーが「ロック解除」位置に 3 秒以上保持されているとき、あるいは無線リモート コントロールの該当するボタンが、対応する時間だけ押されているときに実行されます。
コンフォート クローズは、ロック シリンダーが「ロック」位置に 2 秒以上保持されている時、あるいは無線リモート コントロールの該当するボタンが所定の時間だけ押されている時に実行されます。
この機能はコーディングによってオン/オフすることができます。
サン ルーフは Kl.R がオンのときに作動します。Kl.R がオフになった直後、サン ルーフはまだ操作可能です。16 分後に自動的にスイッチ オフになります。
さらに各国の法規に左右されますが、運転席ドアまたは助手席ドアを開けることによりスイッチ オフが可能です。
2 種類の仕様がコーディング可能:
EC 仕様 |
Kl.R のオフ後および運転席ドアまたは助手席ドアの開/閉後にスイッチ オフ。 |
米国およびオーストラリア仕様 |
Kl.R のオフ後および運転席ドアまたは助手席ドアを開けた後にスイッチ オフ。 |
このスイッチ オフ条件はパワー ウィンドウにも当てはまります。
DWAはドアおよびフード/リッド、イグニッション スイッチ、車両の傾き、室内をモニターします。
非常時には音と視覚による警報が作動します。
DWA の制御はジェネラル モジュールにより行われます。
盗難防止装置は車両をロックすると自動的に作動します。(二重ロック= イグニッション オフ、運転席ドアを開閉し、ロック シリンダーまたは無線リモート コントロールにより車両をロックする)。
コーディング データに基づき、DWA の作動および作動解除が、無線リモート コントロールによってのみ可能か、無線リモート コントロールとロック シリンダーによって可能かを確認します。
DWA が無線リモート コントロールによってのみ作動可能な場合は、車両がドア ロックによってロック解除されると警報が作動します。
作動後に約 3 秒経過してから診断モニターが作動します。 この待機時間があるため、DWA の作動直後にドアを閉めることなどが可能です。
作動後に 1 個または複数の非静止位置の入力信号があるとき(ドアのオープンなど)、LED 表示灯が 10 秒間点滅します。静止位置にないスイッチはモニターには取り込まれません。
作動後 10 秒以内に DWA を新たに作動させると、ジェネラル モジュールの傾斜センサーおよび無線室内保護装置(95 年 9 月生産以降)が停止します(回転式車庫または自動車旅行専用列車用の特殊動作)。
ステイタス「DWA 作動または作動解除」は、電圧に関係なくジェネラル モジュール内にメモリーされています。バッテリー ターミナルを脱着しても装置は作動解除になりません。
視覚的な応答として発光ダイオードが DWA のステイタスを表示します。
DWA-LED |
DWA の状態 |
---|---|
オフ |
作動解除 |
常時点灯 |
作動 |
10 秒間点滅した後、常時点灯 |
非静止状態の入力 |
1 秒間点灯した後、常時点灯 |
再作動(= 傾斜センサーおよび無線室内保護装置が停止) |
5 分間点滅した後、常時点灯 |
警報作動 |
10 分間点灯した後にオフ |
緊急解除 |
10 秒間点滅した後にオフ |
警報後の作動解除 |
コーディングを介して作動および作動解除の際に追加応答がコーディングされています(国別仕様により異なる)。
DWA の状態 |
ハザード ライト確認 |
ホーン確認 |
---|---|---|
作動 |
ハザード ライト点灯 1 回 |
短いトーン シグナル 1 回 |
作動解除 |
ハザード ライト点灯 2 回 |
短いトーン シグナル 2 回 |
95 年 9 月生産より、ガラスの破損を検知するためのウィンドウ モニターに代わって、無線室内保護装置(FIS)が取り付けられています。
無線室内保護装置は、超音波領域の無線波を使用して、室内をモニターします。車両内で人が動くと、無線波の反射率が変化します。無線室内保護装置は警報を作動させます。
無線室内保護装置用のモジュールは、ルーフ内張りに取り付けられています。ハウジングにはリブが付いていて、これが無線波を特定の方向に設定します。これにより無線波の検知領域を車両室内に限定することができます。同じ理由からモジュールの取付方向も決められています。
各車種への調整は、仕様の異なる無線室内保護装置用モジュールにより行います。各仕様はハウジング ラベルおよび部品番号で区別できます。
E39 ツーリングの場合 2 個の無線室内保護装置モジュールが取付けられています。前側のモジュールは乗客用の空間をモニターし、後ろ側のモジュールはトランク スペースをモニターします。両方のモジュールとも、ルーフ内張りに取り付けられています。
無線室内保護用モジュールにはシステム用の完全な電子回路が含まれています。ジェネラル モジュールからの配線(コネクター X253、ピン 20)を介して無線モニターが作動および作動解除されます(この配線は傾斜センサーおよび緊急サイレンを作動および作動解除させます) 。無線室内保護装置用モジュールは、ジェネラル モジュールへの第 2 配線(E39 ツーリングの後部 FIS モジュールの場合、コネクター X253、ピン5/6)を介して、異常なく作動したかどうかをフィードバックします。この配線を介して警報も作動します。さらにこのモジュールは Kl.30 および Kl.31 と接続されています。
盗難防止装置の作動後は 30 秒遅延して、無線室内保護装置がジェネラル モジュールにより作動します。無線室内保護装置は以下のときは作動または作動解除されません:
オフ条件が無くなって、無線室内保護装置を 30 秒の遅延後に再度作動させるとき。
特定条件(自動車旅行専用列車や船輸送など)において、無線室内保護装置により誤動作の危険を回避するために、ジェネラル モジュールの DWA が作動している状態で無線モニターを停止し、その後 10 秒以内に再び DWA を作動させることができます(車両をロック シリンダーまたは無線キーを介して 2 度ロックします)。その際、さらに傾斜センサーも停止になります。LED 表示灯が短時間点灯して、停止が実行されたことを示します。
盗難防止装置が作動しているときにテール ゲートまたはリア ウィンドウ(E39 ツーリング)が開いていると、テール ゲート/リア ウィンドウ コンタクト、無線室内保護装置、および傾斜センサーがコントロール ユニットで停止になります。信号が変っても警報装置は作動しません。
テール ゲートまたはリア ウィンドウが閉まってから 30 秒間、停止された信号が再度評価されます。
警報はジェネラル モジュールによって作動します。音によるシグナル トランスミッターとして働きます:
ホーンの場合、音によるシグナル トランスミッターは 30 秒間作動します。DWA が作動解除されるとホーンは即座に中止されます。
コーディングにより(国別仕様により異なる)、シグナル トランスミッターを連続音または断続音にコーディングすることができます。
音による警報と同時に、視覚的な警報が約 5 分間作動します。ライトのスイッチ オンはライト モジュールにより行われます。ジェネラル モジュールは K バスおよび I バスを介して、ライト モジュールにどのライトが接続されているかの情報を伝えます。
国別仕様により異なりますが、視覚的な警報の際にどのライトを点灯させるかはジェネラル モジュール内でコーディングされています。
95 年 9 月生産以降、ホーンに代わって緊急サイレンが取り付けられています。
ホーンとは異なり、緊急サイレンには電子回路およびバッテリーが内蔵されています。したがって緊急サイレンはバッテリー回路から独立して作動することができます。
緊急サイレンはジェネラル モジュールからの配線(コネクター X253、ピン 20)を介して作動および作動解除されます(この配線は傾斜センサーおよび無線室内保護装置を作動および作動解除させます)。警報作動はジェネラル モジュールからの別の配線(ホーンの場合のコネクター X254、ピン 17と同じ)を介して緊急サイレンに伝わります。緊急サイレン作動中は、サイレンがバッテリー回路から切り離されても、また車両のバッテリーの接続が外されても、警報は作動し続けます。
緊急サイレンの場合、米国モードと EC モード用の 2 つの基本仕様があります。EC 仕様では連続音と断続音のどちらも設定することかできます。作動モードのコーディングはジェネラル モジュールを介して自動的に行われます。警報作動の場合は、ジェネラル モジュールが緊急サイレンに、コーディングされている作動モードを伝えます。これはサイレンにメモリーされ、サイレンがセルフ作動する際も同じ作動モードを維持します。ジェネラル モジュールのコーディングが変更されると、次の警報の時にはサイレンにメモリーされていた作動モードも変わります。
無線リモート コントロールまたは集中ロック システムが故障した場合は、DWA を作動解除することができなくなることがあります。この場合は DWA を緊急作動解除します。ただし警報は作動します。
手順:
放置時間の間に 1 枚のドアが開けられたり、イグニッション スイッチ位置が変更されると緊急作動解除は中止されます。
ドアを閉めて、イグニッション スイッチを「0」から「1」にすると再度、緊急作動解除が開始されます。
EWS(電子式エンジン始動ロック システム)なしの車両の場合は、二重ロックされた車両において、ジェネラル モジュールにより車両移動防止およびスターター ロックが行われます。
車両移動防止は、ジェネラル モジュールから DME コントロール ユニットまでの配線です。二重ロックされた車両では DME が部分的に作動解除されています。
ジェネラル モジュールからスターター ロック リレーまでは、別の配線が延びています。このリレーを介してKl.50 がイグニッション スイッチからスターターへ切り換わります。車両の二重ロックが解除されて、作動解除になり、Kl.15 がオンになっているときにのみエンジンの始動が可能です。
95 年 1 月生産以降、EWS システムには以下の機能が加わりました。
ミラーの電気的な調節は、運転席ドアおよび助手席ドア モジュールを介して行われます。 調節スイッチは運転席ドアのスイッチ ブロック内にあります。
スイッチ作動は P バスを介して、スイッチ ブロックからドア モジュールへ伝送されます。ドア モジュールは半導体を介してミラーの調節モーターを制御します。
水平方向および上下方向の調節用として、ミラー ハウジング内にそれぞれ電子制御モーターが取り付けられています。
車両にシートおよびステアリング コラム メモリーが取り付けられている場合は、ミラー位置も検知されてメモリーされます。
シートおよびステアリング コラム メモリーには専用のペリフェラル モジュール(専用の診断プログラム)があり、P バスを介して ZKE のジェネラル モジュールと結ばれています。シートおよびステアリング コラムの位置はこのペリフェラル モジュールに検知されてメモリーされます。
これと同時に、ミラー位置がドア モジュールにメモリーされます。
ミラー位置の検知は、ミラー モーターに取り付けられているポテンショ メーターにより行われます。
メモリーモードの作動は、4 本の配線で運転席ドア モジュールに接続されているメモリー スイッチにより行われます。ボタンが押されたことは P バスを介してジェネラル モジュールに伝えられます。
ミラー、シート、およびステアリング コラムの位置は Kl.R 以上でメモリーされます。赤色のメモリー ボタンを押すと最大 7 秒間これが点灯します。この間にメモリー ボタン(1、2、3)のひとつを押すと、選択したメモリー位置に、使用中の位置がメモリーされます。
メモリーされた位置の呼出しはいつでも可能です。ただしイグニッションをオフにして 16 分後、Kl.R が再びオンになるまで、あるいはモジュール インプット側で信号変更が行われる(例: ドアのオープン)まで、この機能は作動解除になります。
位置を呼び出す際は、すべての調整が行われている限り任意のメモリー ボタン(1、2、3)を押します。また、ボタンを短時間軽く押すとオートマチック動作を開始することができます。この「オートマチック モード」は以下の場合可能です:
ミラー ヒーターはドア モジュールにより制御されます。ヒーターは Kl.15(イグニッション スイッチ位置「2」)以上で作動します。始動開始時間は外気温度により異なります。
ジェネラル モジュールは K バスを介して IKE から外気温度の情報を得て、ヒーターのタイミングを算出します。この時間はペリフェラル モジュールへ伝送され、実行されます。外気温度が 25o C 以上のときヒーターは作動しません。外気温度が -10o C 以下のときヒーターは連続してオンになります。
ドア ミラー格納用の電子制御モーターにより(オプション)、左右のドア ミラーは走行方向と反対方向へ格納されます。
格納用ボタンは運転席ドアのスイッチ ブロック内にあります。スイッチの信号は P バスを介してドア モジュールへ伝送されます。この信号によりミラー位置に応じてミラーが格納されたり、起こされます。
ミラーを手で起こした場合、または衝突などでミラーが機械的に起きてしまった場合は、ミラーは格納モーターから機械的に連結解除されます。ミラーにはマイクロ スイッチが取り付けられていて、このスイッチが連結解除を検知し、グラウンド信号を各周辺装置へ切り換えます。
スイッチを押して、機械的に連結解除されたミラーを作動させる場合、ミラーは格納モーターによりマイクロ スイッチがロック信号を出すまで格納方向へ動きます。モーターの最大作動時間はこの場合 15 秒です。
ミラー格納モーターはブロック作動するので、作動が頻繁な場合は熱によるオーバー ロードが発生することがあります。これを防止するためにリピート ロックが取り付けられていて、1 分以内に 6 回作動が行われると格納モーターは 3 分間ロックされます。
サーボトロニックは車速によるパワー ステアリング制御です。
サーボトロニックはジェネラル モジュールに内蔵されています。車速の評価のために車速信号 A(配線)が IKE からジェネラル モジュールに接続されています。故障検知のために車速信号 A の他に車速値が、K バスを介して IKE からジェネラル モジュールへ伝送されます。
車速に関係なく、ジェネラル モジュールで電子油圧式コンバーター用電流が制御されます。車速が速くなるとコンバータ電流は小さくなります。