マルチインフォメーションディスプレイ(MID)

マルチインフォメーションディスプレイ(MID )は、オーディオ装置、電話、クロックおよびオンボードコンピューターのための、操作パネル一体型ディスプレイです。MID は、存在するインフォメーションを表示し、接続されている通信機器にキー操作を伝達するだけで、MID 自体は演算処理を行いません。

MID は、これらの機器の主な機能の操作と表示を行うことができます。接続された通信機器の補助機能は、ユニット本体で調整します。例えばオーディオ装置の補助機能は、開閉式のラジオカバーの後ろにある操作パネルによって制御されます。

通信機器とMID は、シリアル単一配線バスであるインフォメーションバス(Iバス )によって相互に接続されています。MID には、以下の接続ユニットが接続できます:

MID は、キー操作をIバス 経由で、対応する通信機器に伝達します。MIDで行われるキー操作の機能は、メニューディスプレイに表示されているユニットによって理解され、作動します。

ある通信機器からMID に対して要求がある場合、通信機器はメッセージをMID に送信します。メッセージに該当するテキストはMID によって、読み取ることのできる形に変換され、情報として与えられます。評価できないメッセージは、無視されます。

注意事項

MIDのコントロールユニットは、Iバスに接続されています。診断のためにDISとMIDコントロールユニット間を接続した場合、診断ケーブルだけでなくさらにIバスケーブルも作動します。診断ができないときは、診断コネクターとメーターパネルエレクトロニクス(IKE)間の診断ケーブルを点検し、さらにIKEとMID間のIバスケーブルも点検します。

MID操作パネル

MID 操作パネルは、機能表示用のメインディスプレイ、およびキー機能表示用のメニューディスプレイと、それに対応するキーとで構成されています。

MID 正面の、文字が刻印されている選択キーで通信機器を選択します。該当するユニットからMID に表示メッセージが伝送され、ディスプレイに表示されます。

ラジオおよびハンズフリー通話のボリュームは、MID にあるボリュームノブによって調整できます。

またボリュームノブを押すことで、MID を、オン/オフすることができます。

サーチ/スクロールキーはボリュームノブの上に配置されていて、これによって以下の操作を行うことができます:

MIDのバージョン

MID には複数のバージョンがあります:

オンボードコンピューターのテスト機能

テスト、コーディングの点検および迅速な故障の特定に関するテスト機能は、これまでのモデルでは、オンボードコンピューター(BC )に呼び出すことができましたが、MID には呼び出すことはできません。

これらのテスト機能は、必要な場合メーターパネルエレクトロニクス(IKE )にあるチェックコントロールボタンおよびトリップメーターリセットボタンを押して呼び出します。そこで提供される機能は、基本的には従来の機能と同じです。

MIDのシステムテスト

サービス工場において、「その場」でシステムの点検を実施する場合、MID は、簡略テスト用に組み込まれた機能テストを利用します。

テストが進行している間、ディスプレイは接続されているすべての通信機器との接続を遮断します。機能テストに使用されるテストメニューはMID によって自動的に表示されます。このテストは外部ユニットを介さずにMID だけで実施されます。またIバス が接続されていなくてもテストは実施できます。

機能テストの呼び出し:

MID の機能テストが呼び出され、メインディスプレイに、ハードウェアの状態(HW X.X)、ソフトウェアの状態(SW X.X)およびMID のバージョン(V X)が表示されます。

テストメニューでは、以下のテストを選択することができます:

機能テスト終了:

イグニッションキー位置を1から0にしたとき、または最後のキーを押してから5秒が経過するとテストは終了します。

Iバス接続ユニットのテスト

MID は、接続されている通信機器のオーディオ電話 およびIKE に対し、規則的に10秒間隔でユニット状態の応答を要求します。2回の呼びかけに対して、有効な応答が戻ってこない場合は、該当するユニットはMID によって遮断されます。つまりディスプレイ上の通信機器の表示は消え、該当する選択キーにも反応しなくなります。このような場合、MID は該当するユニットを故障としてディフェクトメモリーに登録します。

故障している通信機器に再び応答する可能性を与えるために、この通信機器に対する呼びかけは継続して行われます。

通常の作動への復帰処理と接続ユニットの遮断は、2回の呼びかけに対する応答があった後でキャンセルされます。登録されていたディフェクトメモリーは「現在は存在しない」の項目に設定されます。

ディフェクトメモリー登録項目:

故障コード

故障

メーターパネルエレクトロニクス(IKE )からの有効な応答がない。

ラジオ(オーディオ )からの有効な応答がない。

電話(TEL )からの有効な応答がない。