メーター パネル(E46)

一般事項

メーター パネルは 3 つのバス インターフェースをもっており、それを介して、接続されたコントロール ユニットへのインフォメーションのやり取り(データ接続/シリアル)を行います。

3 種類のバス インターフェースは、

不揮発性データ メモリー(電源を切った場合でも、データは保存されている)には、メーター パネルの機能を決定するコーディング データがメモリーされています。

メーター パネルの交換

故障の場合に、メーター パネルを支障なく交換することができるように、どのような状態のときに、どのような方法で行うべきか、その手順を以下の 4 つの状況によって説明します。

状況 1: メーター パネルのコントロール ユニットが故障、ライト スイッチ センター(LSZ)のコントロール ユニットは正常。

処置

結果

備考

メーター パネルを交換します(新品)。

イグニッションをオンにすると、変更ポイント マークがセットされます。

ライト スイッチ センター内のシャシー ナンバーが、メーター パネルのシャシー ナンバーと一致しない場合は、変更ポイント マークがセットされます。

メーター パネルを新たにコーディングします。

 

セントラル コーディング キーでメーター パネルをコーディングします。

シャシー ナンバーをメーター パネルにコーディングします。

 

シャシー ナンバーがメーター パネルにコーディングされていない間は、メーター パネルでも LSZ でもオドメーターは作動しません(トリップ メーターのみ)。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

変更ポイント マークは消えて、メーター パネルは LSZ から総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

メーター パネル コントロール ユニットとライト スイッチ センター コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関するインフォメーションは、元通り正常な値を表示します。

状況 2: メーター パネルのコントロール ユニットが故障、ライト スイッチ センター(LSZ)のコントロール ユニットは正常。

処置

結果

備考

ライト スイッチ センターを交換します(新部品)。

イグニッションをオンにすると、変更ポイント マークがセットされます。

ライト スイッチ センター内のシャシー ナンバーが、メーター パネルのシャシー ナンバーと一致しない場合、変更ポイント マークがセットされます。

ライト スイッチ センターを新しくコーディングします。

 

セントラル コーディング キーでライト スイッチ センターをコーディングします。

ライト スイッチ センターにシャシー ナンバーをコーディングします。

 

ライト スイッチ センターにシャシー ナンバーがコーディングされていない間は、ライト スイッチ センターのオドメーターは作動しません。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

変更ポイント マークは消えて、LSZ はメーター パネルから総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

メーター パネル コントロール ユニットとライト スイッチ センター コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関するインフォメーションは、元通り正常な値を表示します。

状況 3: メーター パネルのコントロール ユニットとライト スイッチ センター(LSZ)のコントロール ユニットを同時に交換しなければならない。

避けられない事態の場合にだけ、両方のコントロール ユニットを同時に交換します(記憶されている総走行距離値が、回復不能の状態になる恐れがあります)。

ヒント

バッテリーのターミナル接続を外すこと !

処置

結果

備考

バッテリー ターミナル接続を外してから、メーター パネルおよびライト スイッチ センターを交換します(新品)。

イグニッションをオンにすると、変更ポイント マークがセットされ、総走行距離値(積算距離値)が 0 を表示します。

それまでの総走行距離値(積算距離値)は回復不可能となります。

メーター パネルおよびライト スイッチ センターをコーディングします。

 

セントラル コーディング キーでメーター パネルおよびライト スイッチ センターをコーディングします。

シャシー ナンバーを、メーター パネルおよびライト スイッチ センターにコーディングします。

 

シャシー ナンバーがコーディングされていない間は、メーター パネルおよびライト スイッチ センターでオドメーターは作動しません。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

変更ポイント マークは消えて、LSZ はメーター パネルから総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

メーター パネル コントロール ユニットとライト スイッチ センター コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関するインフォメーションは、元通り正常な値を表示します。

状況 4: メーター パネルのコントロール ユニットまたはライト スイッチ センター(LSZ)のコントロール ユニットをテストのために交換する。

ヒント

両方のコントロール ユニットのうち片方をテスト交換することは原理的には可能ですが、できるだけ避けてください。

処置

結果

備考

別の車両から持ってきたメーター パネルまたはライト スイッチ センター コントロール ユニットを取り付けます。

イグニッションをオンにすると、変更ポイント マークがセットされ、メーター パネルは総走行距離値をカウントします。

シャシー ナンバーが一致しない間は、オドメーターはメーター パネルでしか作動しません。 ライト スイッチ センターでは総走行距離のカウントは行われません。

機能範囲

以下は、表示用または機能用として使用されます:

表示/機能

信号

車速表示

ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

回転数表示

エンジン コントロール ユニットからの回転数シグナル(CAN バス)

燃費表示

エンジン コントロール ユニットからの噴射信号 ti(CAN バス)、エンジン コントロール ユニットからの回転数シグナル(CAN バス)、ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

燃料残量表示

両方のフューエル レベル センサーの抵抗値(アナログ信号)

クーラント温度表示

エンジン コントロール ユニットからのクーラント温度インフォメーション(CAN バス)

サービス インターバル インディケーター

エンジン コントロール ユニットからのインジェクション信号 ti(CAN バス)

サービス インターバル インディケーターのリセット

診断コネクターへの配線接続

オドメーター(積算走行距離)

/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

トリップ メーター

/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

路面凍結警報付き外気温度ディスプレイ(+3 o C)

外気温度センサーからの抵抗値、/ASC/DSC コントロール ユニットからの距離信号 tw

テキスト ディスプレイ

時刻、総走行距離表示、トリップメーターの距離表示、SIA 残りキロ数、ベーシック オンボード コンピューターの場合の外気温度、燃費、走行距離、ステアリング コラム スイッチによる平均車速に対する分かりやすいテキスト ディスプレイが使用可能です。

メーター パネル ディマー

ライト スイッチ センター (LSZ)からのディマー信号、フォト トランジスターからの内部信号

ゴング制御

トーン 3(T3)は 1 kHz の優先ゴング

回転数 A 信号/アウトプット

車速信号

ブレーキ パッド摩耗検知

ブレーキ バッド摩耗センサーおよびリング状に配置されたセンサー配線(アナログのプラス アウトプットからアナログのグラウンド インプットへ)の抵抗値。

シフト プログラム表示(オートマチック トランスミッション)

トランスミッション コントロール ユニットからのトランスミッション プログラム インフォメーション(CAN バス)

K バス(ボディ バス)

接続されているコントロール ユニットへのインフォメーション配線(データ配線/シリアル)

診断バス

DIS へのインフォメーション配線(データ配線/シリアル)

テスト機能

システム テスト(テスト No.2): このシステム テストでは、メーター パネル(アナログ メーター、ディスプレイ表示、ライト類、警告灯、表示灯)の簡単な目視判定が行われます。

システム テスト機能の呼出し

メーター パネルの左ボタン(トリップ メーター リセット ノブ)を押すとシステム テストが開始されます。 その際、イグニッション スイッチ「0」でノブを押し続け、イグニッション スイッチを「1」(Kl.R アクセサリー位置)に回し、ノブを離します。 ディスプレイに「tESt 1」が表示されてから、スイッチをもう一度押します。その後「tESt 2」が表示されます。 しばらくすると、表示が「tESt 2.0」に変わります。スイッチをもう一度押すと、システム テストを始動することができます。

イグニッション スイッチを「1」(Kl.R アクセサリー位置)から「2」へ切り換えることにより、2 色の表示灯/警告灯がその都度、黄色または赤色に制御されます。 システム テストの終了後、スイッチをもう一度押すと、テストを繰り返すことができます。

シミュレーション:

以下のコンポーネントの表示灯/警告灯

テスト ナンバー 1 および 2 以外のテスト機能はすべてロックされており、テスト機能ナンバー 19 で解除します。

テスト機能の呼出し:

メーター パネルの左ボタン(トリップ メーター リセット ノブ)を押すとシステム テストが開始されます。 その際、イグニッション スイッチ「0」でノブを押し続け、イグニッション スイッチを「1」(Kl.R アクセサリー位置)に回し、ノブを離します。 ディスプレイに「tESt 1.」が表示されてからスイッチを押すと、希望するテスト(「tESt 2.」、「tESt 3.」、「tESt 4.」など)を選択することができます。 しばらくすると、表示が「tESt x.0」(x は選択したテスト グループを表す)に変わります。スイッチをもう一度押すと、選択したテスト グループの次のテストに切り換わるか、システム テストの場合と同様にテストが開始されます。

ロックされたテスト(テスト 3 〜 21)の場合は、テスト 19 で「_L_oFF」の表示が現われた時にトリップ メーター ボタンを短時間押すとロックが解除されます。 その後、テスト 0 が表示され、ボタンを短時間押すことにより、該当するテストが即座に呼び出されます。

テスト No.

機能

1

メーター パネルの識別

 

1.0 ASC 2 の記号がないシャシー ナンバー

 

1.1 車速計算用の定数(K値)

 

1.2 BMW 部品番号

 

1.3 コーディング インデックス、診断インデックス、バス インデックス

 

1.4 メーター パネルの製造時期(週/年)

 

1.5 ハードウェア ナンバー、ソフト ウェア ナンバー

 

1.6 割当てなし

 

1.7 CAN インデックス、バス インデックス、変更インデックス

2

システム テスト

3

サービス インターバル表示 - データ(SIA データ)

 

3.0 SIA データ(最後のリセットからのリッター)

 

3.1 SIA データ(最後のリセットからのタイム インスペクション)

4

4.0 走行 100 km 当たりの瞬間燃費

 

4.1 走行 1 時間当たりの瞬間燃費

5

5.0 区間燃費(限られた走行距離用の計算値)

 

5.1 現在の区間走行距離

6

6.0 左/右レバー センサーのタンク値(表示 LLLRRR は LL,L と RR,R に相当、リッター L は左リッター値に、R は右リッター値に相当)

 

6.1 左右レバー センサーのタンク値の平均(表示 __SSSS は SSS,S に相当、左右タンク センサー値をリッター単位で合計)

 

6.2 内部タンク計算値

7

7.0 クーラント温度 ℃(イグニッション キー 2 以上、KL 15「オン」)

 

7.1 外気温度 ℃(0.5度きざみ)

 

7.2 瞬間エンジン回転数(毎分回転数)

 

7.3 瞬間車速(1 時間当たりのキロ数)

8

アナログ デジタル コンバーターからの値(ADC、内部計算値)

9

Kl.30 の回路電圧値

10

使用せず

11

使用せず

12

使用せず

13

音響シグナルによる作動(ゴング T3)

14

使用せず

15

使用せず

16

使用せず

17

使用せず

18

使用せず

19

テスト機能のロックおよび解除

20

使用せず

21

メーター パネルのリセット(ソフトウェア リセット)

0

テストの終了、この機能によってテスト モードを解除することができます。