可変バルブ リフト量制御システム/バルブトロニック

 

最小バルブ リフト量学習

エンジンの種類によって内部の摩擦力が異なるので、アイドリング時の個別エンジンのエア需要も異なります。 アイドリング時の可変バルブ リフト量調整システムのバルブ リフト量は、エンジンの摩擦損失に対応します。

バルブ リスト量は、下方の、一定の学習可能な値に限定されます。 この限定は、コンポーネントの相違によって、吸気エアの個別シリンダーへの配分が著しく不均等にならないようにするために必要です。 アイドル回転数を維持するために、調整される最小許容バルブ リフト量よりも少ないエア量が必要とされると、アイドル回転数に達するまで、スロットル バタフライは対応する値になるまで閉じられます。

それにもかかわらず DME が最小バルブ リフト量付近でラフな回転数を検知すると (回転の非スムーズさの値)、最小許容バルブ リフト量の値が上げられます。 バルブ リフト量が大きくなると、個別バルブ開度の差はもうそれほど影響を及ぼしません。

例 1: 最小バルブ リフト量: 0.3mm、任意のバルブの差:0.03mm = 10%

例 2: 最小バルブ リフト量: 0.6mm、任意のバルブの差:0.03mm = 5%

最小バルブ リフト量の補正学習は、一定のバルブ開度の上限で、バルブトロニックの希望燃料消費低減効果が作用しなくなるので、同様に上記に従って制限されます。

インターミディエイト レバー システム テスト

事情によっては、可変バルブ リフト量制御システムの個々のインターミディエイト レバーに摩耗が発生することがあります。 摩耗は、インターミディエイト レバーの摺動面の一定箇所にだけ発生するので、摩耗は全作動状態時に検知されるわけではありません。 したがって、インターミディエイト レバーの摩耗の診断のためには、全制御範囲で実行される専用システム テストがあります。

システム テストを開始するために、以下の条件が満たされている必要があります: エンジンは運転温度状態、エア コンディショナ−はオフ、エンジンはアイドリング、車速 = 0、アクセル ペダルは操作されてない、エンジンの吸気が絞られていない状態(バルブトロニックは開いていない)。

システム テストの場合、アイドリング時に吸気が絞られた状態から絞られていない状態へ切り換えられます。 インターミディエイト レバーの摩耗が存在する場合、移行時にミス ファイアが発生します。 ミス ファイアは、シリンダー別に加算されます。 一定の限界値を超過すると、摩耗が診断されます。