メーター パネル(E52)

一般事項

メーター パネルは、7 個のモジュール(指針付きの 4 個のモジュールおよびディスプレイと操作パネル付きの 3 個のモジュール)およびモジュールの制御用電子回路を含む 1 個のコントロール ユニットから構成されています。このコントロール ユニットはボディ ワイア ハーネスと接続し、他のコントロール ユニットへの信号の受け渡し(データ接続/シリアル)およびセンサーへの接続を行う 3 つのバス インターフェース(診断バス、K バス、CAN バス)を含みます。

メーター パネルは以下のモジュールに区分されます。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニット交換

故障の際に、メーター パネルを安全に交換できるように、どのような状態のときに、どのような方法で行うべきか、その手順を以下の 4 つの状況によって説明します。

状況 1:メーター パネル モジュール用コントロール ユニットが故障、ライト チェック モジュール(LCM)用コントロール ユニットは正常。

処置

結果

備考

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットを交換します(新品)。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされます。

ライト チェック モジュール内のシャシー ナンバーが、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットのシャシー ナンバーと一致しないと、マニポレーション マークがセットされます。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットを新規にコーディングします

 

セントラル コーディング キーに従って、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットをコーディングします。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットにシャシー ナンバーをコーディングします。

 

シャシー ナンバーがメーター パネル モジュール用コントロール ユニットにコーディングされていない間は、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットでも LCM でもオドメーターは作動しません(トリップ メーターのみ)。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

マニポレーション マークは消えて、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットは LCM から総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットと LCM コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関するインフォメーションは、元通り正常な値を表示します。

状況 2:メーター パネル モジュール用コントロール ユニットは正常、ライト チェック モジュール(LCM)用コントロール ユニットが故障。

処置

結果

備考

LCM を交換します(新品)。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされます。

ライト チェック モジュール内のシャシー ナンバーが、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットのシャシー ナンバーと一致しないと、マニポレーション マークがセットされます。

LCM を新規にコーディングします。

 

セントラル コーディング キーに従って LCM をコーディングします。

LCM にシャシー ナンバーをコーディングします。

 

LCM にシャシー ナンバーがコーディングされていない間は、LCM で積算走行距離は表示されません。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

マニポレーション マークは消えて、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットは総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットと LCM コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関するインフォメーションは、元通り正常な値を表示します。

状況 3:メーター パネル モジュール用コントロール ユニットとライト チェック モジュール(LCM)コントロール ユニットを同時に交換しなければなりません。

避けられない事態の場合にだけ、両方のコントロール ユニットを同時に交換します(記憶されている総走行距離値が、消却される恐れがあります)。

処置

結果

備考

バッテリーを外し、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットと LCM を交換します(新品)。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされ、総走行距離値(積算距離値)が 0 を表示します。

それまでの総走行距離値(積算距離値)は回復不可能となります。

メーター パネル モジュールと LCM をコーディングします。

 

セントラル コーディング キーに従って、メーター パネル モジュールと LCM 用コントロール ユニットをコーディングします。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットと LCM にシャシー ナンバーをコーディングします。

 

シャシー ナンバーがコーディングされていない間は、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットおよび LCM で積算走行距離が表示されます。

イグニッションをオフにしてから、再度オンにします。

マニポレーション マークは消えて、LM はメーター パネル モジュール用コントロール ユニットから総走行距離値(積算距離値)および SIA データを受け取ります。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットと LCM コントロール ユニット間の、全データ メモリー(SIA データ、総走行距離値、シャシー ナンバーなど)に関するインフォメーションは、元通り正常な値を表示します。

状況 4:メーター パネル モジュール用コントロール ユニットまたはライト チェック モジュール(LCM)コントロール ユニットをテスト交換します。

ヒント

両方のコントロール ユニットのうち片方をテスト交換することは原理的には可能ですが、しないでください。

処置

結果

備考

別の車両から持ってきたメーター パネル モジュール用コントロール ユニットまたはライト チェック モジュール コントロール ユニットを試験的に取り付けます。

イグニッションをオンにすると、マニポレーション マークがセットされて、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットは総走行距離値(積算距離値)を引き続きカウントします。

シャシー ナンバーが異なっている間は、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットでしか積算走行」距離が表示されません。LCM では総走行距離のカウントは行われません。

テスト機能

システム テスト(テスト No.2):システム テストはディスプレイ ユニットおよびメーター パネル モジュール用コントロール ユニットによって制御される部品の点検に使用されます。

シミュレーション:

テスト機能の呼出し:

テスト ナンバー 1 および 2 以外のテスト機能はすべてロックされており、テスト機能ナンバー 19 で解除します。

手順: Kl.R が「オン」の時にトリップ メーター リセット ボタンを、メーター パネルのディスプレイ上に「__tESt__1._」が表示されるまで押し続けます(約 5 秒間)。1 秒以内に再度ボタンを押して離すことにより、該当するテスト(システム テストでは、テスト 2「__tESt__2._」)を呼び出すことができます。約 1 秒後に、呼び出したテストの最初の機能が表示されます。更にボタンを押すと、該当するテストの機能(システム テストは、それ以上の機能をもっていません)が表示されます。テスト 2(システム テスト)の際、その他の機能はないので、システム テストは「__tESt__2.0」が表示された後、トリップ メーター ボタンを押すと作動します。ロックされたテスト(テスト 3 〜 21)の場合は、「_L_oFF」の表示が現われた時にトリップ メーター ボタンを短時間押すとロックが解除されます。その後、テスト 0 が表示され、ボタンを短時間押すことにより、該当するテストがすぐに呼び出されます。

テスト No.

機能

1

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットの識別

2

システム テスト

3

SIA データ

4

走行 100 km 当たり、および走行 1 時間当たりの瞬間燃費

5

使用せず

6

燃料残量値

7

クーラント温度、外気温度、回転数および瞬間車速

8

ADC 値(システム電圧、左右のフューエル レベル センサーの電圧、フォト トランジスターおよび BVA の電圧、クーラントおよび外気温度センサーの電圧)

9

Kl.30 の回路電圧値

10

国別コードの呼出し

11

表示単位の呼出し(AM/PM または分.時/時.分)など

12

使用せず

13

ゴングの作動

14

故障バイトの呼出し(自己診断)

15

I/O ポート ステイタスの表示

16

調光値

17

内部時計

18

使用せず

19

テスト機能のロックおよび解除

20

使用せず

21

メーター パネルのリセット(ソフトウェア リセット)

0

テストの終了、この機能によってテスト モードを解除することができます。

車速表示

車速表示用モジュールは、国別仕様に応じて異なったディスプレイが装備されています。

モジュールには、スリップ制御システム用警告灯(ASC/DSC、黄色)、エレクトロニクス スロットル コントロール(EML)およびオドメーター、トリップ メーターとサービス インターバル インディケーターが表示されるディスプレイ(LCD テクニック)も含まれます。サービス インターバル インディケーターは、残りの距離が表示される負荷対応式距離インスペクション表示付き SIA 4、およびコーディングされている場合、実施時期日付が表示されるタイム インスペクション付き SIA 4 に対応します。速度計用距離パルスは ASC/DSC コントロール ユニットから送られ、左リア ホィール回転数センサーによって処理された信号です。

回転数表示

回転数表示用モジュールには、バッテリー充電警告、ソフト トップ、タイア警告システム(RFC、DWS)、アンチロック ブレーキ システム(ABS、黄色)、ブレーキ警告、Check Engine および油圧/オイル レベル警告(赤色/黄色)用警告灯も含まれます。その他に、送り/戻りが調整可能なアナログ時計がモジュールに格納されています。

回転数表示はメーター パネル モジュール用コントロール ユニットによって制御され、K バスで回転数インフォメーションが他のコントロール ユニットに提供されます。イグニッションをオフにすると、回転数インフォメーションには 0 [rpm]がアウトプットされます。

燃料残量表示

燃料残量表示用モジュールには、燃料残量警告灯も含まれます。

燃料残量の測定はメーター パネル モジュール用コントロール ユニットと接続したホール センサーによって行われます。ホール センサーは、専用のグラウンド(アナログ グラウンド)およびセンサー配線(アナログ プラス)でコントロール ユニットに接続されています。フューエル レベル センサーには、燃料残量警告灯を点灯させるためのリザーブ コンタクトはありません。「燃料残量」の信号が、エンジン制御用のインフォメーションとしてアウトプットされます。燃料残量警告灯は、レベル限界値と残量の比較によって点灯します。充填レベルの測定は、コーディング データと充填レベル センサーの抵抗特性曲線を介してフューエル タンクの形状に適合されます。

クーラント温度計

クーラント温度計用モジュールには、クーラント温度用警告灯も含まれます。

クーラント温度の測定は、エンジン コントロール ユニットで行われ、CAN バスを介してメーター パネル モジュール用コントロール ユニットによって読み出されます。コントロール ユニットは CAN バス インフォメーションから最新のクーラント温度を算出します。「クーラント温度」インフォメーションは、K バスで他のシステムに提供されます。

クーラント温度は、専用センサー(NTC)付きメーター パネル モジュール用コントロール ユニットによっても算出されます。クーラント温度は、初期化中モジュールの CAN バスを経由してクーラント温度表示計で表示されます。

エンジンは停止後もなお一定時間クーラントを温めるため、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットのソフトウェアの「予熱フィルター」がエンジン停止時の表示の上昇を防止します。これにより、エンジン再スタート時に「エンジン停止」時よりも高い温度が検知されると、「エンジン停止」時にメモリーされた値が表示されます。エンジンを作動させて、20 秒後に最新の温度が表示されます。

クーラント異常過熱警告

クーラント異常過熱警告灯は、「イグニッション オン」の際 2 秒間メーター パネル モジュール用コントロール ユニットによってオンにされます(走行前点検)。その後、CAN バスを介してエンジン コントロール ユニットによって制御されます。クーラント異常過熱警告灯がエンジン コントロール ユニットによってオンにされると、この CAN メッセージは K バスで他のコントロール ユニットに提供されます。

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットは CAN バスを介して値を受け取り、クーラント温度表示を制御します。最大値に達すると、指針は赤色警告ゾーンの中央まで戻されます。

サービス インターバル インディケーター

サービス インターバル インディケーター(SIA)によって、ドライバーおよびサービス工場はオイル サービス、距離インスペクションまたはタイム インスペクションの実施時期を知ることができます。車両のインスペクション インターバルは、走行距離だけに固定されているわけではなく、燃費に応じても決定されます。サービス インターバル インフォメーションは、「Kl.15 オン」以上で、エンジン回転数が 400 rpm 以上に達してから 10 秒間、表示されます。

サービス インターバル インディケーター(SIA)のデータは、ライト チェック モジュール(LCM)にもメモリーされます。

サービス インターバル インディケーター(SIA)は、一定の周期のパルスがサービス インターバル リセット インプットにかかるとリセットされます。各リセットは、それぞれ互いに独立して行われます(サービス インターバル インディケーター[SIA]リセッター)。オイル サービス、タイム インスペクションおよび距離インスペクションをリセットすることができます。

オドメーター(積算走行距離)

積算走行距離は、速度計用モジュール内の液晶ディスプレイに表示されます。現在の積算走行距離値は、Kl.R を「オン」にするとディスプレイに表示されます。Kl.R が「オフ」のときは、メーター パネルのトリップ メーター リセット ボタンを押して、手を離すと約 25 秒間、積算走行距離値が表示されます。コーディングされている国別仕様に応じて距離の単位(km/miles)が、オドメーターとトリップ メーターの間に表示されます。ボディ バス(K バス)では、積算走行距離がテレグラムとして使用されます。

積算走行距離は、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットおよびライト チェック モジュール(LCM)にメモリーされます。

トリップ メーター

トリップ メーターは、速度計用モジュール内の液晶ディスプレイに表示されます。現在のトリップ メーターの数値は、Kl.R を「オン」にするとディスプレイに表示されます。Kl.R が「オフ」のときは、メーター パネルのトリップ リセット ボタンを押して、手を離すと約 25 秒間、表示されます。コーディングされている国別仕様に応じて距離の単位(km/miles)が、オドメーターとトリップ メーターの間に表示されます。

外気温度センサー

モジュールの制御用電子回路を含むコントロール ユニットは、外気温度センサー(NTC 抵抗)を介して最新の外気温度を算出します。外気温度センサーは、専用のグラウンド(アナログ グラウンド)とセンサー ケーブル(アナログ プラス)、およびモジュールの制御用電子回路を含むコントロール ユニットと接続しています。

「外気温度」インフォメーションはメーター パネルからバスを介して伝送され、マルチ インフォメーション ラジオ(MIR)によって表示されます。外気温度センサーはイグニッション スイッチが「0」のとき、分間隔でメーター パネル モジュール用コントロール ユニットに読み込まれます。そのためメーター パネル コントロール ユニットは短時間アクティブになり、「外気温度」インフォメーションを提供した後に再度オフになります(スリープ モード)。

メーター パネル調光

メーター パネルおよび液晶ディスプレイ照明の調光は、別々に制御されます。メーター パネルの調光のために、ライト モジュール部品のパルス幅変調信号(58g)がライト チェック モジュール(LCM)で使用されます。液晶ディスプレイの照明を制御するために、ライトをオフにすると、速度計用モジュールに取り付けられているフォト トランジスターの輝度インフォメーションが使用されます。これによって液晶ディスプレイの照明が周囲の明るさに適合されます。ライトをオンにして、液晶ディスプレイの照明の強度が、調光によってさらに制限範囲内に変更されます。いずれにせよフォト トランジスターを介して、液晶ディスプレイの照明の強度を制御する際、周囲の明るさのインフォメーションが優先的に検知されます。

警告灯/表示灯

警告灯

信号

ブレーキ警告灯

赤く点灯:イグニッション オン時にパーキング ブレーキが引かれる(パーキング ブレーキ スイッチのグラウンド)ライト チェック モジュールからバスを介したブレーキ液レベル メッセージまたは CAN バスに機能故障のメッセージ、ASC コントロール ユニットから「エレクトロニック ブレーキ ディストリビューション(EBV)」故障のメッセージ

 

黄色く点灯:ASC コントロール ユニットから CAN バス「ブレーキ アシスタント(HBA)」を介した機能故障メッセージ

シート ベルト警告灯

ライト チェック モジュールから K バス メッセージ(コーディング データに拠る)

燃料残量警告灯

フューエル レベル センサーの抵抗値(アナログ信号)

フラッシャー表示灯

ライト チェック モジュールからバス メッセージ

リア フォグ ライト表示灯

ライト チェック モジュールからバス メッセージ

ハイ ビーム表示灯

ライト チェック モジュールからバス メッセージ

オイル レベル警告灯

赤く点灯:油圧スイッチのグラウンドによる油圧警告

 

黄色く点灯:オイル レベル警告バス メッセージ

クーラント温度(赤色)

エンジン コントロール ユニットから CAN バスを介してバス メッセージ

充電警告灯

コンパクト オルタネーター信号「チャージ モード無し」

ABS 警告灯

アンチロック ブレーキ システム コントロール ユニットからの信号

エアバッグ警告灯

エアバッグ コントロール ユニットからの信号

Check Engine(排気ガス警告灯)

エンジン コントロール ユニットから CAN バスを介してバス メッセージ

ASC コントロール

シャシー コントロール ユニットから CAN バスを介してバス メッセージ

タイア警告

タイア警告システムからバス メッセージ

EML 表示灯(エレクトロニクス スロットル コントロール)

エンジン コントロール ユニットから CAN バスを介してバス メッセージ

ブレーキ摩耗警告灯

ブレーキ パッド センサーを介した信号ループ

ソフト トップ警告灯

ソフト トップ モジュールからの信号

一般事項:すべての警告灯シンボルのバックアップ照明は、発光ダイオードによって行われます。赤くまたは黄色く点灯するシンボルの場合、2 色の発光ダイオードが使用されます。

ブレーキ警告灯:警告灯(赤)は、ブレーキ液レベルが LCM によって低すぎると検知されると、バスを介してライト チェック モジュール(LCM)によってオンにされます。警告灯(赤)は、エレクトロニック ブレーキ フォース ディストリビューション(EBV)の機能故障が ASC によって検知されるか、または ASC コントロール ユニットからメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへの ASC メッセージが CAN バスに来ないと、CAN バスを介してシャシー コントロール ユニットによってもオンにされます。警告灯はイグニッション「オン」後およびパーキング ブレーキが引かれた場合または機能点検(走行前点検)の際にオンにされます。走行前点検の際、ブレーキ アシスタント(HBA)機能がコーディングされている場合、警告灯の赤と黄色がそれぞれ 1 秒間点灯します。そうでない場合、赤の警告灯だけが 2 秒間点灯します。パーキング ブレーキが引かれると、赤の警告灯だけが点灯します。

警告灯は、赤のための警告が存在しない場合、黄色だけしか点灯しません。警告灯(黄色)は、ブレーキ アシスタント(HBA)の機能故障が ASC によって検知されると、CAN バスを介してシャシー コントロール ユニット(ASC)によってオンにされます。

シート ベルト警告灯:シート ベルト警告灯は、コーディング データに応じて制御されます。シート ベルト ロック コンタクトの付いていない車両では、Kl.15 を「オン」にしてから約 6 秒間点灯します。

ライト チェック モジュール(LCM)からのバス メッセージは、シート ベルト コンタクトが開くまで(シート ベルト ロックがかみ合っている)オンにされます。

燃料残量警告灯:燃料残量警告灯は、フューエル レベル センサーのリザーブ コンタクトにより点灯するのではありません。レベル限界値と残量との比較によって点灯します。

「燃料残量」の信号が、エンジン制御用のインフォメーションとしてアウトプットされます。燃料残量警告灯は、Kl.15 オンの際、機能点検(走行前点検)のために 2 秒間オンにされます。

フラッシャー表示灯:フラッシャー表示灯は、ライト チェック モジュール(LCM)からメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへの該当するバス メッセージを介してオンにされます。

リア フォグ ライト表示灯:リア フォグ ライト表示灯は、ライト チェック モジュール(LCM)からメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへの該当するバス メッセージを介してオンにされます。

ハイ ビーム表示灯:ハイ ビーム表示灯は、ライト チェック モジュール(LCM)からメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへの該当するバス メッセージを介してオンにされます。

油圧警告灯:警告灯(赤)は、油圧スイッチによってオンにされます。

警告灯(黄)は、 ライト チェック モジュール(LCM)からメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへの該当する K バス メッセージを介してオンにされます。その際、エンジン コントロール ユニットはエンジン内のオイル レベル センサーの信号を評価し、CAN メッセージをメーター パネル モジュール コントロール ユニットに送ります。メーター パネル モジュール コントロール ユニットは CAN メッセージを変換し、K バス メッセージとしてライト チェック モジュールに送ります。ライト チェック モジュールは、コーディング データに応じてインフォメーションを調整し、K バス メッセージをメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへ送ります。これによってメーター パネル モジュール用コントロール ユニットは、油圧警告が優先されている油圧警告灯を制御します。

油圧警告灯は以下の場合、黄色く点灯します:

クーラント異常過熱警告灯:クーラント異常過熱警告灯は、「イグニッション オン」の際 2 秒間メーター パネル モジュール用コントロール ユニットによってオンにされます(走行前点検)。その後、CAN バスを介してエンジン コントロール ユニットによって制御されます。クーラント異常過熱警告灯がエンジン コントロール ユニットによってオンにされると、この CAN メッセージは 接続されているバス システムで他のコントロール ユニットに提供されます。

バッテリー充電警告:警告灯はコンパクト オルタネーターによって信号ケーブル(「チャージ モード無し」)でメーター パネル モジュール用コントロール ユニットに接続されます。

アンチロック ブレーキ システム警告灯:警告灯は、ABS コントロール ユニットによってオンにされます。警告灯は、信号ケーブルが外れた場合も点灯しなければなりません。機能は、信号ケーブルがハイ(バッテリー電圧)の時には警告灯が点灯し、信号ケーブルがロー(グラウンド)の時には警告灯が消灯し、また信号ケーブルがハイ(高抵抗、断線)の時には警告灯が点灯します。これにより、断線した信号ケーブルをサポートします。

エアバッグ警告灯:警告灯は、エアバッグ コントロール ユニットからの信号(グラウンド)によってオンにされます。

Check Engine(排気ガス警告灯):「Check Engine」警告灯は、CAN バスを介してエンジン コントロール ユニットによってオンにされます。

オートマチック スタビリティ コントロール(ASC)警告灯:「ASC」警告灯は CAN バスを介して ASC システムによってオンにされます。機能点検のために、警告灯はイグニッション オン後、ASC システムによって時間に応じてオンにされます(走行前点検)。

タイア警告システム警告灯(DWS/RFC):タイア警告灯は、タイア警告システムからメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへの該当するバス メッセージを介してオンにされます。

機能点検のために、警告灯はシステムがメーター パネル モジュール用コントロール ユニットのコーディング データでコーディングされている場合、2 秒間オンにされます(走行前点検)。

エレクトロニクス スロットル コントロール(EML)警告灯:「EML」警告灯は、CAN バスを介してエンジン コントロール ユニットによってオンにされます。EML メッセージがエンジン コントロール ユニットとメーター パネル モジュール用コントロール ユニット間の CAN バスに到着しない場合は、警告灯がイグニッション オンの後、1.5 秒間オンにされます(エマージェンシー値)。

ブレーキ パッド摩耗警告(BBV):ブレーキ パッド摩耗警告灯は左フラッシャー モジュール内にあり、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットによってオンにされます。機能点検のために、警告灯はイグニッション オン後、約 2 秒間オンにされます(走行前点検)。

センサーはモニター回路に応じて右リアおよび左フロント ブレーキ パッド内にあり、順に(直列接続)オンにされます。摩耗したブレーキ パッドの場合、モニター回路が断線します。断線はコントロール ユニットによって検知され、それに基づいて警告灯がオンにされます。エンジンを停止した状態で、イグニッション「オン」後、30 秒間断線が検知されないと、表示は再度消去されます。

ソフト トップ警告灯:ソフト トップ警告灯は、信号ケーブルを介してカブリオーレ ソフト トップ モジュール(CVM)によって制御されます。ソフト トップが操作されると、警告灯が点灯します。ソフト トップが終端位置にロックされていない場合、警告灯が点滅します。

ライト警報

ライト警報とフラッシャー サイクル用音響リレーは、速度計用モジュール内に取り付けられています。イグニッション スイッチが 0 で運転席ドアが初めて開けられ、メーター パネル照明がオンであると、ライト警報は 8 サイクル(1 サイクルは 500 ms「オン」/500 ms「オフ」)鳴ります。ライト警報の作動に関するインフォメーションは、K バスを介して読み出され、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットによって結合され、制御されます。

イグニッション キー警報

「イグニッション キー警報」機能は、コーディング データに含まれ、コーディングされている場合のみ(通常米国仕様のみ)、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットによってオンにされます。音響警報装置は K バス メッセージを介してライト チェック モジュールによって作動します。その際メーター パネル モジュール用コントロール ユニットはゴング トーン 3(T3)の制御を引き受けます。

イグニッション キー警報はイグニッションがオフで、運転席ドアが開いているときに最大 60 秒間作動します。警報はライト チェック モジュールからメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへ該当する K バス メッセージが到着すると、すぐに消去されます。

フラッシャー用音響リレー

ライト警報とフラッシャー サイクル用音響リレーは、速度計用モジュール内に取り付けられています。音響リレーは、左右フラッシャー コントロールおよびフラッシャーと同時にメーター パネル モジュール用コントロール ユニットによって制御されます。「フラッシャーはオンの状態」インフォメーションは K バスを介してライト チェック モジュールから送られてきます。K バスを介してシンクロ特性も制御されます。フラッシャーの故障が検知されると、メーター パネル モジュール用コントロール ユニットに K バス メッセージで表示され、2 つの表示灯は倍のクロック周波数で制御されます。

ゴング

メーター パネル モジュール用コントロール ユニットは、ゴングのトーン 3(T3)を制御します。コーディング データおよび該当する K バス インフォメーションに応じて、シート ベルト用音響警報、イグニッション キー警報、パーキング ブレーキ警報、タイア警告および車速警報用音響警報がアウトプットされます。警告に応じて、短いか、または 1 回きりのトーン 3(T3)が繰り返しアウトプットされます。

音響シート ベルト警告:音響シート ベルト警告は、運転席シート ベルト キャッチ コンタクトおよび対応するコーディングとの組み合せのみ可能です。作動と終了は、K バスを介してライト チェック モジュールによって制御されます。メーター パネル モジュール用コントロール ユニットは、シート ベルト コンタクトが開いているとイグニッション オン後、最大 6 秒間ゴング トーン 3(T3)を間欠的に制御します。シート ベルトがこの期間内にセットされると、ゴングは停止されます。

音響イグニッション キー警報:イグニッション キー警報は、コーディング データに応じて、イグニッション オフで、運転席ドアが開いているときに最大 60 秒間作動します。警報はライト チェック モジュールからメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへ該当する K バス メッセージが到着すると、すぐに消去されます。

音響車速警報:コーディング データに応じて、スピード警告はメーター パネル モジュール用コントロール ユニットによって作動します。速度制限を超過すると、ゴングのトーン 3(T3)が短くなります。制限値を 5 km/h 以上下回ると、制限値を超過した場合、トーンが新たに作動します。

パーキング ブレーキ警告:コーディング データに応じて、パーキング ブレーキが引かれ、3 km/h 以上の車速が検知されると、ゴングのパーキング ブレーキ警告が作動します。警告条件が存在する間は、間欠トーンが最大 20 秒鳴ります。

音響タイア警告:タイア警告灯は、タイア警告システムからメーター パネル モジュール用コントロール ユニットへの K バスを介してオンにされます。音響タイア警告がコーディングされている場合、イグニッション オンの際に音響警報も作動します。

ゴング バリエーションのまとめ

警告

ゴング タイプ

条件

シート ベルト キャッチ コンタクトを介したシート ベルト警告

間欠ゴング最大 6 秒間

イグニッション「オン」で、シート ベルトが取り付けられていない(K バス インフォメーション)

イグニッション キー警報

間欠ゴング最大 60 秒間

イグニッション「オフ」、運転席ドアは開、イグニッション キーは挿し込まれている(K バス インフォメーション)

車速警報

個別ゴング トーン 3(T3)

イグニッション「オン」、車両は走行中、制限値を超過

パーキング ブレーキ警告

間欠ゴング最大 20 秒間

イグニッション「オン」、車両は 3 km/h 以上で走行、パーキング ブレーキが引かれた

タイア警告

個別ゴング トーン 3(T3)

イグニッション「オン」、タイア警告が検知された(K バス インフォメーション)