レール プレッシャー コントロール DDE6.0/6.2/6.3
以下のコンポーネントはコモン レール システムに属し、レール プレッシャー コントロールを制御します:
- 高圧ポンプ(HDP)
- レール プレッシャー コントロール バルブ(DRV)
- フロー コントロール バルブ(MRV)
- レール プレッシャー センサー
- 高圧アキュムレーター(レール)
- 高圧ライン
- インジェクター
機能
高圧ポンプは、常時レール内でシステム圧を生成させます。レール内の正常な圧力は、作動ポイントに応じて以下の 2 つの考えられるコントロール種類の内の 1 つによって、調整されます(ダブル アクチュエーター コンセプト):
- レール プレッシャー コントロール バルブによるプレッシャー コントロール:
高圧ポンプは、常時高圧を加えて燃料をレールに圧送します。レール プレッシャー コントロール バルブは、レールへ送られた燃料の量が多すぎる場合、リターン ラインへ戻し、希望のレール圧に調整します。制御フローが多ければ多いほど、それだけレール プレッシャーは上昇します。
フロー コントロール バルブは、その場合フル吐出に調整されます。
- フロー コントロール バルブによるフロー コントロール:
フロー コントロール バルブは、低圧側から希望レール圧の構成のために必要なだけの燃料を高圧ポンプへ送ります。その場合、高圧ポンプのシリンダーは完全には燃料を補給されません。制御フローが多ければ多いほど、それだけレール プレッシャーは降下します。
その場合、レール プレッシャー コントロール バルブは閉じています。つまりレール プレッシャーが上昇するように調整されています。
コントロール種類は、以下の作動ポイントで作動しています:
- エンジン始動の場合、プレッシャー コントロールが常時作動しています。
- エンジン回転時:
- クーラント温度が約 19 °C 以下の場合、プレッシャー コントロールが常時作動しています。
- クーラント温度が約 19 °C 以上の場合、フロー コントロールが常時作動しています。
レール プレッシャー モニター
レール プレッシャーはエンジン始動中およびエンジン回転中、規定値/実測値の比較によってモニターされます。レール プレッシャー センサーは DDE に実測値を伝えます。規定値は作動状態に応じて DDE によって演算されます。DDE が実測値と規定値間に許容できない差を検知すると、故障がディフェクト メモリーに登録されます。
レール プレッシャーが規定値の許容誤差を超えている場合、以下の原因が考えられます:
- コモン レール システム コンポーネントの外部の漏れ
- フロー コントロール バルブが開かない
- コモン レール システムの内部の漏れ:
- 高圧ポンプ内(ピストンの詰まり)
- レール プレッシャー コントロール バルブ付近(リターン ラインの燃料が少なすぎるか、または多すぎて停止する)
- インジェクター付近(リターン ラインの燃料が多すぎて停止する)
- 燃料供給装置の不具合、フューエル リターン システムの詰まり、フューエル システム内のエア混入などの外的影響
故障時の処理
DDE が許容できないレール プレッシャー コントロールの制御値のばらつきを検知すると、最初の処置として噴射量が制限されます。その処置によって制御値のばらつきを修正できないか、または引き続き低いレベルでばらつきが存在する場合、エンジンが停止するか、またはエンジンを始動させることができません。