インジェクター調整、DME MSD80

インジェクターの製造誤差のために、実際に噴射された燃料の量は計算された理論上の燃料の量からわずかに外れます。この噴射量許容誤差は、各インジェクターの製造後にメーカーの測定によって全作動範囲にわたって算出されます。この測定から、各インジェクターのために 2 つの調整値が生成されます。

車両に取り付ける場合、DME コントロール ユニットの取り付け後に、取り付けられた各インジェクターの調整値が DME コントロール ユニットに保存されます。調整値は、インジェクターの個別シリンダーへの取付けに応じて割り当てられています。

この調整値によって、DME コントロール ユニットは演算処理された噴射量を補正し、排ガス エミッションを低減します。

サービス機能を用いて、コントロール ユニットのインジェクターの調整値を変更または新たに保存することができます。

調整値は 2 つのブロックにそれぞれ 3 つの数字で各インジェクターに印刷されています(下図を参照)。この印刷はプラスチック キャリアまたはメタル上部のいずれかにあることもあります。

 

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図 1:プラスチック キャリアに調整値が印刷されている例

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図 2:メタル上部に調整値が印刷されている例

 

注意:

インジェクターを交換する場合は、各インジェクターに印刷された DME コントロール ユニットの調整値が正しいシリンダーに割り当てられていることを確認してください!
取り付けた状態で調整値を読み取ることができない場合は、インジェクターを取り外してください。
インジェクターによりエンジンがすでに作動した場合は、取り付け前にシールを交換してください。
この際、必ずリペア マニュアルを参照してください!

注意:

DME コントロール ユニット内部の演算処理によって、調整値は、入力された値の保存後に最後の位がわずかに相違することがあります。入力エラーまたはコントロール ユニットの不具合は存在しません!

注意:

DME コントロール ユニットが交換された場合、インジェクター調整も同様に行い、取り付けられたインジェクターの調整値を新しいコントロール ユニットへ保存しておく必要があります!保存しておかないと、エンジンの回転がスムーズでなくなるか、またはエンジンを始動できなくなります!

注意事項:
新しい調整値が入力されないシリンダーには、DME コントロール ユニットのこれまでの調整値が引き続き維持されます!