故障内容 MOST E65
重要なヒント
このドキュメントの目的はすでに知られている故障内容を実際のトラブルシューティングに役立てるものです。考えられる故障内容の説明は可能性のある原因を示します。装備、ソフトウェア バージョンおよびモデルに応じて、症状は異なる可能性があります。
いずれにせよ顧客からの不具合に対する正確な情報が必要です。その場合にのみ、原因の特定が可能になります。故障に対する顧客の説明がおかしいか、または不十分な場合、誤った解釈につながるおそれがあります。
いずれの故障の場合にも、考えられる故障原因は MOST コントロール ユニットのソフトウェア バージョンが最新ではないことにあります。
MOST に関する基本事項
コントロール ユニットの故障は MOST リンケージのオーディオの故障をつねに引き起こします。理由:全てのオーディオ信号は光ファイバー ケーブルを介してデジタルで送られます(MOST バス)。光の流れが停止すると、MOST リング内のシンクロナイズと並んでデーター伝送全体も中断します。光の流れの中断はコントロール ユニットに起因することがしばしばあり、機械部品に起因することはめったにありません。各 MOST バス接続ユニットは先行ユニットの光信号を受信し、専用ダイオードを用いて後続の接続ユニットへ転送します。
オーディオ症状
- CD チェンジャー内の常時異音
MOST リングが常時遮断されています。リングの故障診断を続けます(下記を参照:リングの故障診断)。
- 短いオーディオ故障
- この故障は CD チェンジャーのマガジン チェックを行うと、音声が再び回復する。
- 停車中:原因は CD チェンジャーか、またはパワー モジュールの分離にあります。
- エンジン始動時:原因は CD チェンジャーか、またはバッテリーの充電不良にあります。
- Kl.15 以上:原因は CD チェンジャーにあります。
- その際、メモリーされたラジオ選局リストが失われる。
原因はアンテナ チューナーにあります。
- このオーディオ故障はラジオ作動時に発生し、その他の音源では発生せず、通信システムは正常に作動する。
原因はアンテナ チューナーにある可能性があります。
- スピーカーからの常時異音
- この異音は必ずフロント ドア スピーカーか、またはリア シェルフから発生する。
ASK はフロント ドア スピーカーとリア シェルフに電源を供給します。このスピーカーからの異音は他のオーディオ コントロール ユニット(電話、ナビゲーション システムなど)からも発生する可能性があります。これらのコントロール ユニットをブリッジすると、故障を特定することができます。
- この異音は必ずフロント中央スピーカー、シート下の低音スピーカーまたはリア ドア スピーカーから発生する。
原因はアンプ(Top-Hifi)にあります。
- この異音は必ずラジオ作動時に発生し、他の音源では発生しない。
原因はアンテナ チューナーにあります。
画面の故障
- ピン インプットが電話によって数回要求される
- 停車中またはエンジン始動時:考えられる原因は電話、パワー モジュールの分離または電圧の変動です。
- 走行時:原因は電話です。
- 「イグニッション オフ」から「Kl.R」へイグニッション スイッチを操作したとき、画面全体が暗くなったまま(ステイタス バーが見えない)。
MOST-CAN ゲートウェイが CAN バスからのターミナル ステイタスを受信しない。考えられる原因はメーター パネルと CAS です。
- 作動中、画面全体が暗くなり(ステイタス バーが見えない)、BMW ロゴが表示されて、画面が再起動する。
コントロール ディスプレイがリセットを行いました。頻繁に発生する場合:コントロール ディスプレイを交換します。
- ナビゲーション情報を表示する画面の一部が白く明滅し、再び正常に作動する。
原因は NAVI ユニット システム本体または道路地図 CD にあります。
- ナビゲーション情報を表示する画面の一部が白く明滅し、再び正常に作動する。
原因は大抵の場合、NAVIユニット システム本体にあります。
特殊な場合
- 運転席ドアを開けた後、またはしばらく停車した後、車両がエマージェンシー コールを送信する。
考えられる原因:エアバッグ コントロール ユニット、ボタンまたはボタン配線
- CD チェンジャーが車両始動ごとに CD を読み出す。
スリープ モード後、高すぎる静電流が測定され、その結果パワー モジュールが分離される。
故障箇所の特定
はっきりしない場合、故障箇所の特定のために、LWL カプラー(光ファイバー ケーブル カプラー)でコントロール ユニットを個別に接続しない方法をお奨めします。LWL カプラーはグローブ ボックス内にあります(小さなカバー)。LWL カプラーを用いて、コントロール ユニットを MOST リンケージからブリッジすることができます。故障の場合、この方法で故障したコントロール ユニットを見つけ出すことができます。
(LWL カプラー「診断リペア コネクター MOST 61 13 6 917 541」を注文するか、または他の E65 のものを使用する)
リングの故障診断
故障の場合、リングの故障診断は LWL リンケージ内の遮断を見つけ出すのに適しています。故障が現在発生している違いない場合に実施します。
リングの故障診断の詳細は、機能説明MOST バス:にあります。機能選択にあるリングの故障診断:
モデル -> ボディ -> バス機能 -> MOST 機能 -> リングの故障診断