サーボトロニック

サーボトロニックはパワー ステアリングの操舵力を、車速に対応してサーボトロニック ソレノイド バルブ(電子油圧式コントローラー)を通じて制御しています。さらに、パワー ステアリングの油圧回路は、サーボトロニック ソレノイド バルブによってさまざまな強度で絞られています。

コンポーネント簡略説明

サーボトロニック ソレノイド バルブ

サーボトロニック ソレノイド バルブは電子油圧式コントローラーで、パワー ステアリングの油圧回路内にあります。このソレノイド バルブは、バリアブル カバー( 0 〜 0.7 mm)を備えていて、これがオイル の流れを、制御に応じてさまざまな強度で絞るのです。カバーの直径は、車速感応式フロー特性曲線によって変動します。

コントロール ユニット

サーボトロニック機能はシャシー インテグレート モジュール(CIM)に内蔵されています。CIM コントロール ユニットはサーボトロニック ソレノイド バルブを制御しています。サーボトロニック ソレノイド バルブの車速感応式制御のためのさまざまな特性曲線は、不揮発性メモリー内にコーディング可能な形で保存されています。

ダイナミック スタビリティ コントロール(DSC)は、車速信号 V_DSC を K CAN システムを通じて CIM コントロール ユニットに送ります。

エレクトロニック ダンパー コントロール(EDCK)は、ダンパー プログラム ステイタス信号を K CAN システムを通じて CIM コントロール ユニットに送ります。

機能

このシステムは、パワー ステアリングのステアリング サポートを車速に対応して制御しています。サーボトロニック ソレノイド バルブは、パワー ステアリングのハイドロリック オイル フローをさまざまな強度で絞ります。スロットル開度は、ソレノイド バルブを制御する電流に依存しています。 運転者は 2 種類の特性曲線(コンフォート、またはスポーツ特性)から選択できますが、これが車速対応のステアリング サポートにさまざまな度合いで影響するのです。特性曲線により、ソレノイド バルブへの電流や規定圧力が車速に対応して決まります。 特性曲線は 16 のサポート位置によって記述されていて、それぞれのサポート位置に車速と、電流または圧力がコーディングされています。エレクトロニック ダンパー コントロール(EDCK)が使用されていない場合、コンフォート特性曲線のみが利用可能です。サーボトロニックは、Kl.15 がオンでエンジンが回転中にのみソレノイド バルブを制御します。エンジン始動時で、車速信号がまだないときは、最大可能程度のステアリング サポート力に設定されます。正常な車速を受け取ると、電気的特性曲線から規定値が導き出されます。

以下の故障の際は、ソレノイド バルブへの通電がなされません:ステアリング サポートが最小限に抑えられた:

故障 SERV1(プラス側へのショート)では、サーボトロニック ソレノイド バルブに全バッテリー電圧がかかります。ソレノイド バルブは完全に制御されている状態です。ステアリング サポートは最大限になります。

運転者へのメッセージ

チェック コントロール メッセージ「サーボトロニック機能オフ」

補足ヒント:「サーボトロニック機能オフ!ステアリングが重くなっています。できるだけ早く最寄りの BMW 正規ディーラーで点検を受けて下さい」

原因:サーボトロニックが作動していません。サーボトロニック ソレノイド バルブが通電されていないので、パワー ステアリング によるステアリング サポートは最低です。

チェック コントロール メッセージ「サーボトロニック機能不良!慎重に運転してください」

補足ヒント:「ステアリングは常にスムーズに動きます」「最寄りの BMW 正規ディーラーで点検を受けて下さい」

原因:サーボトロニックの機能不良です。サーボトロニック ソレノイド バルブが持続的に通電されているので、パワー ステアリングによるステアリング サポートは最大です。