アクティブ シート E65、E66
アクティブ シート E65、E66
アクティブ シートは背筋と脊椎の緊張を和らげるのに有効です。
2006 年 9 月以降、ニューマチック システムが導入されています。これは従来の油圧式システムに代わるものです。
コンポーネント簡略説明
以下のコンポーネントを説明します。
- SMFA および SMBF(運転席側および助手席側シート モジュール)
- BZM(センター コンソールの操作ユニット)
- CAS(カー アクセス システム)
- アクティブ シート用キー
- ランバー サポート アクティブ シート モーター
- プレッシャー ディストリビューター
- エア クッション
- ランバー サポート
- SMFA および SMBF (運転席側および助手席側シート モジュール)
シート モジュールはランバー サポート アクティブ シート モーターとプレッシャー ディストリビューターを制御します。運転席および助手席には、それぞれ 1 つのランバー サポート アクティブ シート モーターとプレッシャー ディストリビューターがあります。シート モジュールはアクティブ シート用キーの機能表示灯(センター コンソール スイッチ センターの左側および右側スイッチ ブロックの発光ダイオード各 1 個)の点滅を行います。シート モジュールは K-CAN P (ボディ CAN ペリフェラル)に接続されています。
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カー アクセス システム (CAS)
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助手席側アクティブ シート用プレッシャー ディストリビューター
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助手席 ランバー サポート アクティブ シート モーター
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助手席側ランバー サポート調節用バルブ ブロック
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リア フューズ ボックス
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助手席側シート モジュール(SMBF)
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運転席側シート モジュール(SMFA)
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フロント パワー ディストリビューション
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運転席側ランバー サポート調節用バルブ ブロック
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運転席側ランバー サポート アクティブ シート モーター
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運転席側アクティブ シート用プレッシャー ディストリビューター
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K-CAN P
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ボディ CAN ペリフェラル
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K-CAN S
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ボディ CAN システム
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Kl.30
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Kl.30
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- BZM(センター コンソール スイッチ センター)
BZM はシート調整キーでコントローラーおよびスイッチ ブロックを操作します。BZM では運転席側および助手席側シート調整のためのキー信号を処理します。
BZM はアクティブ シートのキー信号(on/off)およびランバー サポート調整のキー信号をデジタル信号に変換し、メッセージとして K-CAN S(ボディ CAN システム)を通じて送出します。
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センター コンソール スイッチ センター左側スイッチ ブロック
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センター コンソール スイッチ センター右側スイッチ ブロック
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センターコンソール操作センター(BZM)
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K-CAN S
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ボディ CAN システム
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Kl.30
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Kl.30
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- CAS(カー アクセス システム)
CAS には K-CAN S と K-CAN P とのゲートウェイ機能が含まれます(K-CAN S は ボディ CAN システム、K-CAN P はボディ CAN ペリフェラルの略です)。
CAS は BZM からの CAN メッセージを K-CAN S 経由で受け取り、K-CAN P 経由で対応するシート モジュールに転送します。
- アクティブ シート用およびランバー サポート調整用キー
センター コンソール スイッチ センターの各スイッチ ブロックにはそれぞれアクティブ シート用キー、ランバー サポート調整用キーが含まれています。
キー信号はフラット ケーブルを通じてセンター コンソール スイッチ センター(BZM)に送られます。
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センター コンソール スイッチ センター左側スイッチ ブロック
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ランバー サポート調整用キー
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アクティブ シート用キー
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操作ノブ
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- ランバー サポート アクティブ シート モーター
ランバー サポート アクティブ シート モーターには次のコンポーネントが含まれます。
- ニューマチック式ポンプおよびポンプ モーター
ニューマチック式ポンプはアクティブ シートのエア クッションおよびランバー サポート クッションに圧縮空気を送入します。
ニューマチック式ポンプは直流モーターで駆動されます。
- ソレノイド バルブ
ソレノイド バルブはニューマチック式ポンプのエア フローを次のように送出します。
- ランバー サポート クッションへ
あるいは
- アクティブ シートのエア クッション用プレッシャー ディストリビューターへ
- プレッシャー リリーフ バルブ
プレッシャー リリーフ バルブはシステムを過大な圧力から保護します。プレッシャー リリーフ バルブは、ニューマチック式ポンプの後ろの配管に取り付けられています。
- 電子制御回路
電子制御回路には次の機能があります。
- ポンプ モーターの制御
電子制御回路はポンプ モーターを制御します。2 段階出力ステージ
アクティブ シート機能を選択したとき:
ポンプ モーターは低出力で作動します。
ランバー サポート機能を選択したとき:
ポンプ モーターはフル出力で作動します。
電子制御回路は専ら 4 つのエア クッションとランバー サポート クッションへ空気を供給するためにポンプ モーターを制御します。
- ソレノイド バルブの制御
制御用電子回路は、選択された機能(アクティブ シートまたはランバー サポート)に応じて、ソレノイド バルブを操作します。エア フローは次のコンポーネントに導かれます。
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運転席側または助手席側ランバー サポート アクティブ シート モーター
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ソレノイド バルブ
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プレッシャー リリーフ バルブ
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ニューマチック式ポンプとポンプ モーター
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チェック バルブ
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アクティブ シートのプレッシャー ディストリビューターへ
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ランバー サポート クッションへ
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- プレッシャー ディストリビューター
プレッシャー ディストリビューターは、ニューマチック式ポンプが発生したエア フローを 4 つのエア クッションに分配します。プレッシャー ディストリビューターは、エア クッションの給気と排気を自動的に制御します。
プレッシャー ディストリビューターは次のコンポーネントから成っています。
- 駆動ユニット
駆動ユニットは駆動モーターとギア ユニットから成っています。アクティブ シート機能を有効にすると、駆動モーターが圧力分配のためにユニットを常時駆動します。
- ポンプ モーター起動および停止用マイクロ スイッチ
このスイッチは、駆動ユニット内で 4 つのカムにより信号ディスクに接触しています(4 つのカムはそれぞれ各エア クッションの給気および排気用です)。これによって作業サイクルが把握されます。駆動ユニットの 1 回転が 1 回の作業サイクルに相当し、約 80 秒にわたります。
エア クッションからの排気のためには、ニューマチック式ポンプのポンプ モーターが停止されます。プレッシャー ディストリビューターの駆動ユニットは運転を続けます。
マイクロ スイッチは、シート モジュールに直接接続されています。
- プレッシャー ディストリビューション ユニット
プレッシャー ディストリビューション ユニットはエア フローを 4 つのエア クッションに分配します。
カムシャフトがスライダーを操作することにより、エア クッションの給気、圧力保持、排気が可能になります。
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プレッシャー ディストリビューター
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カムシャフト
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圧縮空気供給接続部(エア クッションへ)
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圧縮空気供給接続部(ランバー サポート アクティブ シート モーターから)
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信号ディスク
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ギア ユニット
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駆動モーター
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マイクロ スイッチ
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- エア クッション
アクティブ シートには 4 つのエア クッションが含まれます。エア クッションは、左右のシート面に 2 つずつ配置されています。
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アクティブ シートのエア クッション
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エア クッション
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- ランバー サポート
バック レスト内のランバー サポートは空気で膨張させる 2 個のランバー サポート クッションと、バルブ ブロック内の 2 つのバルブから成っています。ここで用いられているのはソレノイド バルブではなく、形状記憶合金製(shape memory alloy)のワイアを用いたものです。このワイアは一定温度以上になると結晶構造が変化して収縮しますが、常に元の形状に戻ろうとする傾向があります。
各ランバー サポート クッションに対して 2 本のワイアを持つバルブ 1 個があり、ワイアの一方は排気チャンネルを、他方は給気チャンネルをそれぞれ開くのに用いられます。無通電状態ではバルブは閉じており、
ニューマチック式ポンプがランバー サポート クッションに圧縮空気を送入します。設定を選択することにより、各エア クッションの給気または排気が行われます。このようにしてランバー サポートの高さや厚さを変えることができます(ランバー サポート高さ調整、ランバー サポート前端位置調整)。
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アクティブ シートのランバー サポート クッション
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ランバー サポート クッション
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バルブ ブロック(背面に)
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システム機能
以下のシステム機能を説明します。
- 追作動
- バッテリー取り外し後のノーマライジング
- 電圧過大または過小のときの停止
- 横方向加速度が大きいときの停止
- 追作動
アクティブ シート キーによってシステムを停止させたとき、4 つのエア クッションの排気が必要です。
排気:ポンプ モーターが停止しているときは、プレッシャー ディストリビューターが 1 回の作業サイクル全体を遂行します。
- バッテリー取り外し後のノーマライジング
バッテリーを取り外し、またはシート モジュールをリセットした後にアクティブ システムが完全に排気されていない場合は、制御動作が行われます。プレッシャー ディストリビューター内のマイクロ スイッチが信号を発生します。ポンプ モーターが停止しているときは、プレッシャー ディストリビューターが 1 回の作業サイクル全体を遂行します。
- 電圧過大または過小のときの停止
運転席側のシート モジュール(SMFA)または助手席側のシート モジュール(SMBF)は電圧の過大または過小を検出します。シート モジュールはアクティブ シート モーターを停止します。
電圧過小:車内電源電圧 9 V 以下
電圧過大:車内電源電圧 16 V 以上
- 横方向加速度が大きいときの停止
車速と横方向加速度が共に約 0.25 秒以上にわたって所定の値を上回ったときは、運転席側のアクティブ シート機能が停止されます。機能表示(発光ダイオード)は引き続きオンの状態です。この限界値以下の値が約 3 秒間継続すれば、システムは停止したときの位置から機能を再開します。
DSC コントロール ユニットが車速と横方向加速度を計算し、信号をメッセージとして PT-CAN に送出します。
ヒント:
SA 455「運転席側および助手席側アクティブ シート」は SA 488「運転席側および助手席側ランバー サポート」と同時にのみ提供されています。
国別仕様
米国、カナダ
助手席側にアクティブ シートを設けることは、シート カバー マットの関係で不可能です。