テール ゲート リフト

テール ゲート リフト

電気式テール ゲート リフトが 2007 年 10 月生産以降の E70 に提供されます。スピンドル ドライブ システムが初めて導入されます。

アッパー テール ゲートはスイッチを押すことによって自動的に開閉することができます。ロワー テール ゲートは引き続き手動で開けられます。

テール ゲートの開度は、コントローラーによりセントラル インフォメーション ディスプレイのメニューから 5 段階でプリセットすることができます。これによりテール ゲートは設定された角度まで開きます。

コンポーネント簡略説明

テール ゲート リフトの以下のコンポーネントについて説明します:

スピンドル ドライブ

スピンドル ドライブはテール ゲートの左右ガス ダンパーの箇所に取り付けられています。スピンドル ドライブは、以下のコンポーネントで構成されています:

GR_FB6107060

インデックス

説明

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説明

1

スプリング アセンブリー

2

スピンドル

3

ギア ポジション

4

スピンドル ドライブ モーター

5

ホール センサー

 

 

システム配線図

GR_FB6107057

インデックス

説明

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説明

1

カー アクセス システム(CAS)

2

センター コンソール スイッチ センターのテール ゲート オープナー スイッチ

3

オートマチック エア コンディショナー(IHKA)

4

テール ゲート リフト(HKL)

5

右スピンドル ドライブ モーター

6

右ホール センサー

7

右ホール センサー

8

リア フューズ ボックス

9

ソフト クローズ オートマチック(SCA)リレー

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ジャンクション ボックス コントロール ユニットへの接続部

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テール ゲート コンタクト スイッチ

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アッパー テール ゲート ロック モーター

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アウター テール ゲート オープナー スイッチ

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ソフト クローズ オートマチック モーター コンタクト

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テール ゲート ソフト クローズ オートマチック モーター

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インナー テール ゲート オープナー スイッチ

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インナー テール ゲート オープナー スイッチ ライト

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ロワー テール ゲート マイクロ スイッチ

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左ホール センサー

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左ホール センサー

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左スピンドル ドライブ モーター

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リモート コントロール レシーバー

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左ホール センサー

 

 


コントロール ユニット

テール ゲート リフト(HKL)

GR_FB6107058

インデックス

説明

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1

テール ゲート リフト コントロール ユニット

 

 

テール ゲート リフトはトランク ルーム内右側、ユニット キャリアに取り付けられています。HKL はオートマチック テール ゲート リフトの機能を制御およびモニターします。

制御ロジックは Kl.30g に接続されています。スピンドル ドライブの負荷電流用に HKL がさらに Kl.30 に接続されています。

テール ゲート リフトは 9 V 〜 16 V で作動します。この範囲以外では正常な機能は得られません。

カー アクセス システム(CAS)

カー アクセス システム(CAS)はリモート コントロールまたは ID トランスミッターの信号を受信して点検します。点検(認証)結果が正常であった場合、CAS はテール ゲートのロック解除の許可を与えます。

ジャンクション ボックス コントロール ユニット(JBE)

ジャンクション ボックス電子回路はテール ゲートのロック解除を行います。ジャンクション ボックス電子回路はフロント フューズ ボックスに差し込まれています。

操作エレメント

アウター テール ゲート オープナー スイッチ

テール ゲート オープナー スイッチはグラウンドに接続されます。テール ゲート オープナー スイッチの信号はジャンクション ボックス電子回路によって検知されます。ジャンクション ボックス電子回路は K-CAN を介してテール ゲート リフトのステイタスを HKL へ送信します。

インナー テール ゲート オープナー スイッチ

インナー テール ゲート オープナー スイッチはジャンクション ボックス電子回路でアウター テール ゲート オープナー スイッチと並列に接続されています。そのためジャンクション ボックス電子回路は両方のテール ゲート オープナー スイッチ間で異なりません。

テール ゲート オープナー スイッチ リモート コントロール

リモート コントロールの無線信号はリア ウィンドウ アンテナを介して受信されます。ダイバーシティ モジュールのリモート コントロール レシーバーは K-CAN を介して信号をカー アクセス システムへ転送します。カー アクセス システムは集中ロック機能の集中管理を行います。コンフォート アクセス装備車に使用されている ID トランスミッターはリモート コントロールと同じ機能性を持っています。

センター コンソール スイッチ センターのテール ゲート オープナー スイッチ

テール ゲート オープナー スイッチには抵抗コーディングが施されています。テール ゲート オープナー スイッチのステイタスはエア コンディショナー コントロール ユニットによって評価されます。エア コンディショナー コントロール ユニットは K-CAN を介してステイタスを送信します。

コンタクト

テール ゲート コンタクト スイッチ

テール ゲート コンタクト スイッチはテール ゲートが閉まっているときにグラウンドに切り換わります。テール ゲート コンタクト スイッチのステイタスはジャンクション ボックス電子回路によって評価されてから使用されます。

ロワー テール ゲート マイクロ スイッチ

GR_FB6107059

インデックス

説明

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説明

1

ロワー テール ゲート マイクロ スイッチ

 

 

ロワー テール ゲート コンタクトはマイクロ スイッチ仕様で、グラウンドへ切り換わります。マイクロ スイッチのステイタスは HKL によって評価されます。ロワー テール ゲートが正常に閉まらない場合は、オートマチック テール ゲート リフトを行うことはできません。その場合はテール ゲート リフトがチェック コントロール メッセージを生成し、これを K-CAN を介して送信します。

システム機能

テール ゲート リフトの以下のシステム機能について説明します:

オートマチック オープンおよびクローズ

テール ゲート オープナー スイッチを押すことによって、テール ゲートを自動的に開閉することができます。ただしセンター コンソール スイッチ センターのテール ゲート オープナー スイッチは異なります。このスイッチでは自動的に開くことのみが可能です。

CAS による作動許可の後、ジャンクション ボックス電子回路はテール ゲートのロック解除を実行します。まずソフト クローズ オートマチックのモーターが制御されてテール ゲートにかかっている力をゆるめます。その後テール ゲート ロックが制御されます。

テール ゲート コンタクト スイッチが閉から開に切り換わり、スピンドル ドライブが開方向に制御されます。

テール ゲートは完全に、または設定した開度まで開きます。テール ゲート動作中にロック条件のひとつ(ロック条件を参照)が作動すると、テール ゲート動作が停止します。

開動作中にテール ゲート オープナー スイッチを短く押すと、開動作が停止します。

HKL には (ソフト始動) または (ソフト停止) が内蔵されています。この機能により、テール ゲートはストッパーに達する少し手前で、閉または開速度を遅くしてストッパーまでゆるやかに動きます。(例外: 閉時にソフト停止なし)。これは、制御電圧のパルス幅の変化によって達成されます。

コンフォート アクセス装備車の場合、テール ゲートのオープンは車両ロック状態でも可能です。アウター テール ゲート オープナー スイッチを押すことにより、テール ゲートは自動的に開きます。車両に適合した ID トランスミッターが車体後部のすぐ近くにあることが条件です。

オートマチック テール ゲート リフトは走行時には作動できません。車両停止時にのみ可能です。

テール ゲートが一部開いている場合、テール ゲートは手で (開) または (閉) 方向に動かすことができます。

ポジション検知

スピンドル ドライブにはそれぞれモーターが組み込まれています。モーターには、向かい合った位置に 2 個のホール センサーが互いにずれて配置されています。これによりモーターの回転方向を検知することができます。さらにホール センサー パルスに基づいて、テール ゲートの移動距離と開度を検知することができます。ホール センサー パルスはたとえば、セントラル インフォメーション ディスプレイを介した開度の調整に使用されます。

ブロック検知

ブロック検知はテール ゲートの開閉時に作動します。開時のテール ゲート動作のブロックは、テール ゲート動作が直ちに停止するように働きます。閉時にテール ゲート動作がブロックされると、HKL がスピンドル ドライブを短時間反対方向に制御します(= 反転動作)。テール ゲートがその後もブロックされ続ける場合、スピンドル ドライブは制御されません。

ホール センサー パルスがない場合またはモーター電流が上昇する場合、ブロックが検知されます。

リピート ロック(アレスト)

モーターの異常過熱を防止するために、HKL にはリピート ロック(アレスト)が内蔵されています。リピート ロック用としてモーター回転時間が加算されます。全回転時間の合計が 2 分を超えると、新たな操作が承認されなくなります。すでに動作が開始されている場合、その動作は最後まで行われます。6 分の冷却時間の後、2 分間のモーター回転時間が再び可能となります。

テール ゲート動作に対するロック条件

テール ゲートは、車両損傷を防止するためにいくつかの状況では操作することができません。

以下にロック条件について説明します:

ロック条件

説明/注意事項

車速 vmax>3 km/h

例外: 閉のコマンドは最後まで実行されます。K-CAN を介したメーター パネルからの車速信号。

外気温度 < - 30 °C および +80 °C

K-CAN を介したメーター パネルからの外気温度の信号。

システム電圧 <9 V 〜 16 V>

 

ロワー テール ゲートが閉まっていない場合

テール ゲート動作時の中断、テール ゲート操作のロック。開動作は可能です。

エンジン始動(ステイタス (Kl.50 オン) )

K-CAN を介した CAS からの信号。テール ゲート動作時の中断、テール ゲート操作のロック。

車速または温度信号が無効の場合、テール ゲートは動作可能です。

サービスに関する注意事項:

スピンドル ドライブの交換

不具合のあるスピンドル ドライブは一体で交換しなければなりません。

スピンドル ドライブの交換の場合、Kl.30g をオフに保つ必要があります。これを守らないと、ディフェクト メモリーが登録され、オートマチック テール ゲート リフトが機能しません。

テール ゲート リフト コントロール ユニットの交換

テール ゲート リフト コントロール ユニットまたはスピンドル ドライブの交換後は、アッパー ストッパーを新たに学習させる必要があります。その際、最初の開時にテール ゲートがアッパー ストッパーでブロックされるまで動きます。

テール ゲートのブロックおよびスピンドル ドライブのホール センサー パルスの停止により、テール ゲートの最大開度のポイントがマークされます。このポイントから全ホール センサー パルスの約 5 % の値が差し引かれます。これがその後のテール ゲートの開度です。このポイントはソフト ストップと呼ばれます。

ソフト ストップにより、テール ゲートがストッパーまで開いて損傷しないように保護されます。

ロワー ストッパーはテール ゲート ロックのテール ゲート コンタクト スイッチが開から閉へ切り換わることによって求められます。

国別仕様

米国仕様

テール ゲート動作はテール ゲート オープナー スイッチを放した後に開始されます。

リモート コントロールでテール ゲートを閉めることはできません。

誤記、誤植が生じる可能性があるため、完全な一致を保証するものではありません、また将来予告なしに技術的変更が加えられることがあります。