E70、R56

オーディオ/ビデオ(CDC/ DVDC) CD チェンジャー/DVD チェンジャー

CD/DVD チェンジャーは、MOST リンケージ接続の独立したコントロール ユニットです。個々の機能の作動要求を複数のコントロール ユニットから受け取ることができます。

コンポーネント簡略説明

オーディオ/ビデオ(CDC/ DVDC) CD チェンジャー/DVD チェンジャー

オーディオ/ビデオ CD/DVD チェンジャーは、個々の CD/DVD または複数の CD/DVD を順番に自動的に演奏させるためのものです。演奏させる CD/DVD またはタイトルの順番は自由に選択できます。

コントローラー付きヘッド ユニット(CCC/ラジオ/MASK および後継システム)

セントラル インフォメーション ディスプレイ： セントラル インフォメーション ディスプレイ(CID)には、車両全体の操作エレメントおよび表示エレメントがほとんど漏れなく含まれており、CCC によって制御されます。CCC はシステムの機能条件を調整し、個々の機能に分類します。

コントローラー： CCC の操作はセンター アーム レスト内のフロント コントローラーによって行われます。

MOST バス

MOST バス(メディア オリエンティッド システム トランスポート)を通じてオーディオ、ビデオ、ナビゲーション コンポーネントがネットワークに組み込まれています。要求に関するインフォメーションは、MOST バス メッセージを介して、関係するコントロール ユニットに伝送されます。

システム機能

CD/DVD チェンジャーの以下のシステム機能について説明します：

• マウント/減衰機能
  
• 演奏：
  
• 交換
  
• ミュート スイッチ(「消音」)
  

マウント/減衰機能

希望する再生音の質を得るために、CD/DVD チェンジャーの再生メカニズムは弾性をもたせて固定してあります。通常の走行中は、路面の凹凸に対する緩衝は良好です。音質の向上のために、CD/DVD チェンジャーには、電子修正装置が追加されています。

シャシーが極端に硬いか、または高速の時に、振動が発生し、再生メカニズムがハウジングと接触する場合があります。そのような場合、電子修正装置では補正不可能で、音質が低下します。

演奏：

CD/DVD を演奏する際には、CD/DVD チェンジャー内のレーザー光線が情報を読み取ります。オプティカル信号がオーディオ信号へ変換され、オーディオ システム コントローラーへ転送されます。CD/DVD チェンジャーのドライブ内には、現在演奏中の CD/DVD だけがあります。他の CD/DVD は、CD/DVD チェンジャーの外のマガジン内に保管されます。

交換

• 交換動作では、次に演奏する CD/DVD が 2 つのゴム ローラーにより内部マガジンから取り出され、再生位置にセットされます。
  
• CD/DVD が再生ポジションに達すると、下方へ引かれて中央の穴のテーパー部に固定されます(クランピング)。固定されると、再生が開始します。
  
• CD/DVD をマガジンへ戻す動作は、逆の順序で行われます。
  

ミュート スイッチ(「消音」)

機能「ミュート」は、CD/DVD チェンジャーの再生を消音に切り替えるか、またはオーディオの音量を下げます。その他に、ドライブを停止することも可能です。「ミュート」機能は以下の優先順位付け後、(ASK)によって作動します：

1. 自動車電話
   
2. 交通情報
   
3. ナビゲーション アナウンス
   

サービスに関する注意事項：

苦情は CD/DVD チェンジャーの作動不良に原因していない場合があります。苦情が CD/DVD の品質が悪いため、または CD/DVD へ外的影響が加えられたことに起因していることがあります。

CD/DVD の不良、または損傷による機能不良

CD/DVD チェンジャーを携帯して使用する特殊な場合、製造上の公差から外れていたり、または限界値ぎりぎりである場合、演奏の際に問題が発生することがあります。考えられる原因：

縁が十分にバリ取りされていない：

• 外側の縁および/または内部の縁が十分にバリ取りしていないと、ローラーにより搬送する際にプラスチックのバリが取れることがあります。プラスチックのバリは、CD/DVD 表面に付着することがあります。
  
• プラスチックのバリがあると、搬送の際にローラーによって、またはテーパー部(クランピング) 上で CD/DVD が固定されることによって、バリが押し出されることがあります。プラスチックのバリが機械部分に入り込むと、CD/DVD およびマガジンを汚し、結果として機能不良になります。
  
• プラスチックのバリがあると、削りくずがマガジンに入り込んだ場合、CD/DVD 表面上の細かい引っかき傷の原因となります。
  比較的大きなかけら(5 〜 7 mm)は、場合によっては読取り不良(ジャンプ)や CD/DVD の目次(TOC = Table of Contents)の読取り不能の原因となることがあります。
  

CD/DVD が厚すぎる：

• CD/DVD が厚すぎると、搬送ローラーが CD/DVD をつかめなかったり、正しくつかめなかったりします。
  
• ひとつのマガジン内に厚みのある CD/DVD が何枚か入っていると、マガジンへの戻りがうまくいかなくなります。厚すぎる CD/DVD を搬送する際には、より大きな力を必要とします。
  
• 厚すぎる CD/DVD では、各 CD/DVD スロットを分けている仕切板も動いてしまいます。そのため CD/DVD は元の位置には戻れません。
  

シングル アダプター、保護フィルム、保護ラッカー、安定リングを使用しているシングル CD(8 cm)の故障

• 挙げた特徴の CD/DVD は、通常より厚い CD です。
  
• 輸送中には、シングル CD がアダプターから押し出されて装置内に途中で引っ掛かることがあります。
  
• また安定リングが移送ローラーに絡まることもあります。
  

ヒント： このような CD/DVD は車両 CD/DVD チェンジャーで使用しないでください。

透明な CD/DVD の不具合

CD/DVD 保護層の蒸着が不十分な場合、CD/DVD は部分的ないし全体が通常より透明になります。このような CD/DVD は再生は可能ですが、光バリアによる光学的なポジション コントロールは行われません。CD/DVD は検知されません。

製造時エラー

情報が保存される層に製造時エラーが発生している場合もあります。このような CD/DVD は車両内では再生できません。

再生が正常でない場合、CD/DVD チェンジャーの不具合ではありません。車両内で故障を修正するには、振動があるので、静止状態の場合とは別な条件があります。

そのため、携帯して利用する場合は、レーザー フォロー アップ機能の制御距離が制限されるので、表面の不具合を補正する能力に限界があります。

縦振れ

CD/DVD の面が平らでなくて縦振れが発生することがあります。そのような CD/DVD では、最後のタイトルを演奏する際に、電子修正機能によって、不具合は完全には補正できなくなります。再生の際、CD/DVD は内側から外側へ読み取られます。縦振れは、外側で最も大きいため、再生の際に音質が低下することがあります。

「イジェクト」機能の故障

イジェクト機能に不具合があると、個々の CD/DVD が装置から取り出せなくなります。コントロール ユニット機能により、ジョブ「すべてイジェクト」を実行することができます。それでも CD/DVD が排出されない場合は、装置をトラブルシューティングのため送付する必要があります。

CD/DVD チェンジャーのスキャン エラー点検

車両停止時の点検：

• 機能「品質点検」を選択
  

走行中の点検：

• 搬送用のボルトが外れていないか点検します。
  
• キャリア スプリングの位置が正しいか点検します。
  
• 両側のスプリングが同じ位置にあるか点検します。