4 気筒ディーゼル エンジン N47 では、負圧で作動する EGR アクチュエーターによって EGR が制御されます。
作動状態に応じたある特定の量の排気ガスが、EGR バルブを介してインテーク マニフォールドに戻されます。それにより、窒素酸化物の排出が低下します。EGR 制御は、回転数および負荷が低いときにのみ作動します:
従来のディーゼル エンジンとは異なり、EGR アクチュエーターのバキューム ボックスにポジション センサーが取り付けられており、これが調整ストロークのフィードバックを可能にしています。
EGR コントロール
戻される排気ガスの量は、吸入されるフレッシュ エアの量に影響を与えます:戻される排気ガスの量が多ければ多いほど、フレッシュ エアの吸入量は少なくなります。EGR オフ時に、各作動ポイントでエンジンが吸引するフレッシュ エア量は、わかっています。こうして、再循環した排気ガス量に応じ、EGR によって吸引されるフレッシュ エア量が低減されます。作動中、プレッシャー コントローラーのデューティー比が調整され、作動ポイントごとに決められた規定フレッシュ エア量が吸引されます。
図 1:EGR アセンブリー
図 2:EGR アセンブリー、EGR ラジエター内にバイパス フラップを備えた仕様
分量平均値学習
平均流量値学習は、噴射量の許容範囲に EGR をより正確に適合させるために用います。
ラムダ センサーによって測定されたラムダ値と HFM によって測定されたエア量から、全てのシリンダーの平均噴射量が決められます。この値は DDE コントロール ユニットによって設定された噴射量と比較されます。 ずれが確認されると、EGR バルブが調整されてエア量が実際の噴射量に適合されます。その結果、正しいラムダ値に調整されます。MMA は迅速な制御方法ではなく、適応型学習方法です。 これは、DDE コントロール ユニットに恒久的にメモリーされる適応型特性マップへ噴射量の不具合が記憶されることを意味します。
図 3:EGR バルブ
プレッシャー コントローラーを介して、バキューム ボックスはバキューム供給口と接続します。プレッシャー コントローラーは DDE コントロール ユニットによる制御に応じ、可変バキューム圧をバキューム ボックスへ送ります。DDE コントロール ユニットは、50 % 〜 75 % のデューティー比(変動するパルス幅)の矩形波信号によりプレッシャー コントローラーを制御します。
EGR バルブの最大ストロークは 8 ± 0.5 mm。
DDE は、EGR ポジション センサーを介して EGR バルブの調整ストロークを測定します。EGR バルブの調整ストロークは、補助的なインプット値として EGR 制御に用いられます。
ポジション センサーはリニア ポテンショ メーターで、5 V の供給電圧を受けます。ポジション センサーの電圧信号は DDE 内部で換算され、パーセント値としてアウトプットされます。
戻される排気ガスの温度を下げることにより、さらに窒素酸化物の排出を低減するために、排気ガスは EGR ラジエターを通過して戻されます。
EGR ラジエター バイパス フラップ
図 4:EGR ラジエター バイパス フラップ
N47oL およびマニュアル トランスミッション搭載車には、EGR ラジエターにバイパス フラップが装備されています。このフラップにより、低温時の排気ガスはクーリング フィンを通り過ぎてバイパス流路に導かれ、冷却されません。エンジン水温が上昇して始めて、DDE がバイパス フラップを開き、排気ガスが再び冷却されます。
この機能により、冷間作動時の炭化水素の排出が低下します。さらに、排気ガスの残留物による EGR ラジエターの汚れを防ぎます。N47oL およびマニュアル トランスミッション搭載車の場合は、他のバリエーションと比較して温度レベルが全体的に低いため、このような対策が必要になります。
クーラント温度が 50 °C 未満のときは、EGR 作動中、EGR ラジエターのバイパスが開きます。
平均流量値学習機能のために、ラムダ センサーが必要になります。ラムダ センサーは、ターボチャージャーのタービンのすぐ後ろに取り付けられています。ラムダ センサーには、ガソリン エンジンの既存の広帯域ラムダ センサーが用いられており、広い測定範囲にわたって正確なラムダ値を供給します。
平均流量値学習のリセット
以下のコンポーネントの 1 つを交換した場合、サービス機能「平均流量値学習」を実行しなければなりません:
サービス機能の説明と手順は、付属の機能説明を参照してください。
EGR バルブの学習
EGR バルブを交換する場合は、交換する 前に以下のサービス機能を実行する必要があります:
学習の説明と手順は、付属の機能説明を参照してください。