メーター パネル:表示および機能

メーター パネルは各種仕様のものが装備されています。メーター パネルには複数の目盛範囲があります。視覚的な表示以外に音響による警報も発します。メーター パネルは診断テスターによる診断機能を備えています。その他に自己診断機能も持っています。オンボード コンピューター機能はコーディング可能です。表示できる機能:

アナログ メーター:

液晶ディスプレイ、目盛範囲 1

液晶ディスプレイ、目盛範囲 2:

表示灯と警告灯: メーター パネルには以下の 24 個の表示灯と警告灯があります(アイコンまたは文字):

音響による警報/表示:以下の音響による警報/表示が表示灯/警告灯とともに(フラッシャーは例外)単音または連続音の形でスピーカーから出されます:

状況/警告

出力

優先度

フラッシャー サイクル

光学的フラッシャー表示との同期

1

イグニッション キー警報(米国仕様のみ)

間欠的

1

シート ベルト警報(国別仕様)

間欠的

1

車速警報用音響警報(ペルシャ湾岸諸国仕様のみ)

一回性

1

パーキング ブレーキ作動

間欠的

2

オーバー ヒート

単一音

2

タイア パンク表示(RPA)(タイア空気圧低下)

単一音

2

オイル レベル(オイル漏れ/オイル消費)

単一音

2

DSC の故障

単一音

2

オンボード コンピューターの速度警告(設定可能)

単一音

2

SMG のギア選択

単一音

2

照明点灯

間欠的

3

外気温度 ≤ 3°C

単一音

3

 

コンポーネント簡略説明

K バス

ボディ電装のコントロール ユニットとメーター パネル間のデータ交換には K バスが利用されます。データ交換はデータ メッセージによって行われます。

PT CAN バス

エンジン エレクトロニクス、ダイナミック スタビリティ コントロール(DSC)、メーター パネル間のデータ交換にはパワー トレーン CAN バスが利用されます。データ交換はデータ メッセージによって行われます。オートマチック車では、EGS コントロール ユニットが接続されています。

D バス

メーター パネルとテスター間のデータ交換には D バス診断バス)が利用されます。データ交換はデータ メッセージによって行われます。

診断ケーブルのない、K バスに接続しているコントロール ユニットについては、メーター パネルが診断テレグラム転送のためのゲートウェイ機能を行います。

BYTEFLIGHT

BYTEFLIGHT は、ゲートウェイとして機能するセーフティ インフォメーション モジュール(SIM)を通じて K バスに接続されています。このバス接続を通じてセンサー SBSL および SBSR のインフォメーションが伝送されます。

メーター パネル

メーター パネルには、コントロール ユニット、信号処理のためのスイッチ類、電源、操作および表示エレメントが内蔵されています。

メーター パネルには他のバス接続ユニットの主制御機能があり、ゲートウェイ モジュールとして PT CAN バス(パワー トレーン バス)、K バス(ボディ電装バス)、D バス(診断バス)、BYTEFLIGHT を互いに接続しています。情報交換はデータ メッセージによって行われます。メーター パネルはこの他にセンサーからの信号も直接受け取ります。

コーディング データと不揮発性カウンター ステイタスはメーター パネルにメモリーされます。

左側の S/R(セット/リセット)キーと時計アイコン(右側)のキーの 2 つにより以下の設定が可能です:

S/R キー:

時計アイコンのキー(右側):

ステアリング コラム スイッチ(LSS)

ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンによりオンボード コンピューターの評価が行われます。他にこのボタンによってデジタル クロック/外気温度表示の選択が可能です。

ライト スイッチ センター(LSZ)

メーター パネルの照明はライト スイッチ センター(LSZ)により切り換わります。ライト スイッチ センター(LSZ)により、文字盤、メーター、ディスプレイ照明の輝度調整もできます。インフォメーションはデータ メーッセージとして K バスを通じてメーター パネルに伝送されます。

メイン機能

作動可能状態

メーター パネルは Kl.30(Kl.R と Kl.15 はオフ)以上で作動可能状態になります。必要のないスイッチ部品は静電流低減のためオフにされます(スリープ モード)。現在時刻、SIA 日付、定期的外気温測定のためのタイマー モジュールは作動を続けます。K バス と S/R キーにより中断されます。Kl.30 がオンのときは K バスとメーター類は作動しません。

走行距離および時刻表示のためメーター パネルを起動することができます。25 秒後、メーター パネルは再びスリープ モードに入ります。表示時間中、バス類は起動されません。

セレクター ポジション インディケーター、チェック コントロール表示灯/警告灯、クーラント レベルおよびブレーキ パッドなどのセンサー類は Kl.15 オン以上で作動します。エンジン、トランスミッション、シャシーのコントロール ユニットとの交信が PT CAN バスを通じて行われます。メーター パネルの全てのインターフェースは作動状態です。

Kl.30h(Kl.50 スターター)のステイタスは、診断ケーブルを介して検知され、システムに提供されます。始動動作中には、信号入力評価が制限されています。Kl.30 がオンになっていると、A/D 変換が評価されません。この時たとえばテスターからの、デジタル入力情報も使用されません。

電圧降下/過電圧機能

メーター パネルへの電源供給はスイッチ レギュレーターにより行われます。このスイッチ レギュレーターは 9 V 〜 16 V の範囲内でバッテリー回路の電圧変動を補正します。

電圧降下: Kl.30 以上では回路電圧が 30 ミリセカンドごとに測定されます。約 7.5 V 電圧が下がると「電圧降下」が検知されます。そうすると EEPROM への読み出し/書き込みのアクセスができなくなります。電圧降下リセットの前にメーター パネルによってデータが確保されます。

過電圧: 電圧が 16 V を超えると過電圧が検知されます。その場合マイクロ コントローラーによってハードウェアの保護処置が行われます。データ(走行距離値、SIA データ、時刻、日付など)やステイタスは、早めにメモリーするため失われることはありません。表示灯/警告灯類は過電圧が持続している間オフになるか、減光します。

予備接続部:DSC コントロール ユニット - メーター パネル コントロール ユニット

ダイナミック スタビリティ コントロール(DSC)とメーター パネル間では PT CAN バスを通じて互いに交信が行われます。その他に両方のコントロール ユニットは、予備のインフォメーション伝送のため、配線によっても接続されています。

1 本の配線では DSC コントロール ユニットにより評価された左リア ABS 回転数センサーの車速信号が伝達されます。この信号は走行距離および車速の算出のために利用されます。

もう 1 本の配線では ABS 警告灯の制御用信号が伝達されます。この信号は、ブレーキ システムの機能障害時や PT CAN バスの故障時に出力されます。その他、この信号が欠損した際には DSC コントロール ユニットのコネクターの脱落が検知されます(法規に拠る)。

予備データ保存

予備データ保存機能については機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

サービス インターバル インディケーター(SIA)

サービス インターバル インディケーター(SIA)機能については、機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

キー リーダーおよび SAM 1

キー リーダーと SAM 1 機能については機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

ゲートウェイ機能

メーター パネルは K バス、PT CAN バス、診断バス間のインターフェースです。メーター パネルは車両の他のコントロール ユニット類と(1 本のケーブル)K バスや(2 本のケーブル)PT CAN バスを通じて交信しています。その際メーター パネルは、バス接続ユニット間とメッセージの送受信を行います。診断テスターとは(1 本のケーブル)診断バスを通じて接続します。

メーター パネルはバス ネットワーク内で以下のゲートウェイ機能を実行しています:

診断インターフェースのないコントロール ユニットについては、メーター パネルが診断テスターと対話します。そのために、このコントロール ユニットの K バス メッセージを診断バスに移します。

例(米国仕様のみ):2 ステージ制動力表示(ブレーキ フォース ディスプレイ)機能では、前後方向の減速(制動)のインフォメーションは DSC コントロール ユニット(PT CAN バス)からメーター パネルに伝達されます。メーター パネルにコーディングされている限界値を超えると、ライト スイッチ センター(LSZ)は、ブレーキ ライトをステージ 1、またはステージ 2 で点灯させる指示を K バスを通じて受け取ります。

バス ネットワーク上でのインフォメーションは以下のように送られます:

---> DSC === PT CAN === メーター パネル ---- K バス ---- LSZ --->

ヒント:診断については機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

照明とディマー

照明: メーター パネルは Kl.R オン以上で照明されます。スイッチ オンにするため、ライト オン信号がライト スイッチ センター(LSZ)から K バスを通じてメーター パネルに送られます。電源供給はメーター パネル内にあるスイッチ レギュレーターによって供給されます。

速度および回転数表示はスリット ライト(目盛リングと文字盤の間から出る光)によって照明されます。液晶ディスプレイの目盛範囲 1(速度表示)と 2(プログラムおよびシフト表示)はオレンジ色のセグメントで構成されます。

文字盤、メーター、ディスプレイ照明の輝度(ディマー)はライト スイッチ センター(LSZ)によってプリセットされます。ディマーを制御するため、ライト スイッチ センターは、輝度レギュレーター(ディマー ダイアル)、およびライト スイッチ センター(LSZ)にあるフォト セルからの信号を評価して周囲輝度を算出します。ディマー信号は K バスを通じて送信されます。

車速表示

車速は、Kl.15 オン以上で、その時点の ABS コントロール ユニットからの距離パルス数によって算出されます。車速は左の指針メーターにアナログ形式で表示されます。指針はステップ モーターにより駆動します。目盛は国ごとに異なります(国別仕様)。

回転数表示

その時々のエンジン回転数の情報は、Kl.15 オン以上で、エンジン エレクトロニクスから PT CAN バスを通じてメーター パネルに送られます。

回転数は右の指針メーターにアナログ形式で表示されます。回転数の目盛は 1 分ごとの回転数(rpm)です。レッド ゾーンは過回転数範囲を知らせます。指針はステップ モーターにより駆動します。

クーラント温度表示

クーラント温度に関する情報はメーター パネルに、Kl.15 オン以上でエンジン エレクトロニクスから PT CAN バスを通じて送られます。この情報は回転数表示内右にある小さなメーターにアナログ形式で表示されます。指針はステップ モーターにより駆動します。高温時には、指針が最高でレッドゾーンの中央まで来ます。警告ゾーンは同時に警告灯でもあります。スイッチング処置によって、温間始動後にメーターがレッドゾーンを指すのが防止されます。

指針の位置に関係なく、エンジン エレクトロニクスにより PT CAN バスを通じてオーバー ヒート表示がオンになります。

燃料残量表示

フューエル センサー L と R はメーター パネル内のスイッチ レギュレーターから 5 V を供給されます。両方のフューエル センサーの信号は個別に読み込まれます。燃料残量はメーター パネル内でフューエル センサーの信号や他のプリセット値から算出されます。算出された残量は、回転数表示内左にある小さなメーターにアナログ形式で表示されます。指針はステップ モーターにより駆動します。

工場出荷時にコーディングされている残量閾値(デフォルト= 8 リッター)に達すると、その他に燃料残量警告灯が点灯します。ライトの明滅はソフトウェア ヒステリシスによって抑制されます。

燃料残量の対応するデータが PT CAN バス、K バス、診断バスにメッセージとして、コントロール ユニットおよびサービスのために用意されています。

距離表示

Kl.15 オン以上で ABS コントロール ユニットが距離信号をメーター パネルのコントロール ユニットに送ります。距離信号から 10 m ステップごとに移動距離が導かれます。オドメーターおよびトリップ メーター(GWSZ と TWSZ)用のメモリー内でこの値が合計されます。キロごとにオドメーター(GWSZ)に表示されます。

交換の場合を考慮して、この他に 100 km ごとに積算距離値と SIA データがライト スイッチ センター内に予備保存されます。同時に、積算距離値と SIA データは K バスを通じて EWS 電子式エンジン始動ロック システム(EWS)に伝達されます。(EWS からのデータで顧客受付コードが供給されます)。

積算走行距離は国別に km またはマイルに変換されます。値は 6 桁の数字で表示されます。液晶ディスプレイの表示は、Kl.R オン以上または Kl.30 で 25秒間 S/R キー操作後行われます。

トリップ メーター距離表示も国別に km またはマイルに変換されます。値は 4 桁の数字で表示されます。液晶ディスプレイの表示は、Kl.R オン以上で 10分の 1 キロまたは 10分の 1 マイルごとに行われます。

オドメーターとトリップ メーターは Kl.R がオンかどうかに関係なく表示することができます。両方の走行距離は常に同時に表示されます。トリップ メーターは Kl.R オン以上で、S/R キーによって何回でも「ゼロ」にリセットすることが可能です。

デジタル クロック

Kl.R がオンになるとサービス インターバル インディケーター(SIA)がディスプレイ 1 にまず 5 秒間表示されます。この間はステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用軸方向ボタンを操作しても無視されます。続いて時刻が表示されます。時刻はメーター パネルの S/R キーや時計アイコン キー、またはオンボード コンピューターによってセットすることができます。長時間 Kl.30 への電圧供給が途絶えていたことなどによって、時刻がセットされていない場合、点滅するコロンの付いた線が表示されます。

時刻は Kl.R 以上でマルチ インフォメーション ラジオ(MIR)やセントラル インフォメーション ディスプレイ(CID)で表示するため K バスに送信されます。

時刻はコーディングに応じて 12 時間または 24 時間モードで表示可能です。ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを長く押して(5 秒以上)切り替えます。12 時間設定は AM や PM を作動させることにより表示されます。

S/R キー、時計アイコン キーによる時刻設定:

設定モードの呼び出し:

時間のセット:

分のセット:

時計の再スタート:

オンボード コンピューターによる時刻の設定:

分の設定を変更すると、秒が 0 にセットされます。

マニポレーション マーク

マニポレーション マークは液晶ディスプレイの目盛範囲 1 、トリップ メーターの左隣に表示されます。メーター パネルおよびライト スイッチ センター(LSZ)内にメモリーされているシャシー ナンバー(予備データ保存)が一致しない場合にオンになります。原因はどちらかのコントロール ユニットを交換した場合に発生することがあります。

ヒント :シャシー ナンバーの統一(マニポレーション マークの消去)およびコントロール ユニットの交換については機能説明「メーター パネル」を参照してください:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

チェック コントロール表示灯/警告灯

チェック コントロール表示灯(バルブ故障)については機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

表示灯/警告灯:

表示灯/警告灯(アイコンまたは文字)は内蔵されている LED によって点灯します。いくつかの LED は 2 色仕様です。

メーター パネル/アイコン

点灯

〜以降作動

左右フラッシャー

LSZ(K バス)

Kl.R、ハザード ライト Kl.30

充電警告灯(Kl.61)

DME(PT CAN バス)

Kl.15

ハイ ビーム/パッシング ライト

LSZ(K バス)

Kl.R

油圧、低

オイル レベル、低

DME(PT CAN バス)またはオイル プレッシャー スイッチ(4 気筒エンジン) DME(PT CAN バス)

Kl.15

ABS(アンチロック ブレーキ システム)オフ

別付けの配線を通じた DSC

Kl.15

通常のブレーキ警告灯:

- パーキング ブレーキ - ブレーキ液レベル、低 - EBV(エレクトロニック ブレーキ フォース ディストリビューション)オフ

DBC(ダイナミック ブレーキ コントロール)オフ(コーディングされている場合)

黄/赤

赤 赤 赤

 

ハンド ブレーキ スイッチ DSC(PT CAN バス)DSC(PT CAN バス)

DSC(PT CAN バス)

 

Kl.15

 

Kl.15

ブレーキ パッド摩耗

ブレーキ パッド センサーとメーター パネルのアルゴリズム

Kl.15

フォグ ライト

LSZ(K バス)

Kl.15 と Kl.58

リア フォグ ライト(米国仕様以外)

LSZ(K バス)

Kl.15 と Kl.56

EPS(電子機械式パワー ステアリング)

EPS(PT CAN バス)

Kl.15

RPA(タイア パンク表示)システム故障または初期化中(タイア交換、チャージ圧変更)のタイア空気圧低下

 

DSC(PT CAN バス)

Kl.15

エアバッグ

ASE(K バス)

Kl.15

シート ベルト装着(国別仕様に拠るコーディング可)

ASE(K バス)

Kl.15

チェック コントロール(ランプの故障)

LSZ(K バス)

Kl.15

エマージェンシー プログラム

EGS/SMG(PT CAN バス)

Kl.15

EML(エレクトロニック スロットル コントロール)

DME(PT CAN バス)

Kl.15

エンジン エレクトロニクス(米国仕様、SERVICE ENGINE SOON)

DME(PT CAN バス)

Kl.15

ASC(オートマチック スタビリティ コントロール)(作動またはオフ)

DSC(PT CAN バス)

Kl.15

DTC(ダイナミック トラクション コントロール)制御

DSC(PT CAN バス)

Kl.15

クーラント レベル、低

クーラント レベル スイッチ

Kl.15

オーバー ヒート

DME(PT CAN バス)

Kl.15

タンク プラグ開(米国仕様のみ CHECK GAS CAP)

DME(PT CAN バス)

Kl.15

燃料残量

フューエル レベル センサーとメーター パネルのアルゴリズム

Kl.15

 

シート ベルト警報(シート ベルト リマインダー)

音響式シート ベルト警告は EU 仕様では(米国仕様:シート ベルト リマインダー)運転席と助手席に出力されます。シート ベルト警報は、これまで米国仕様車にのみ使用されていたベルト ロックを装備することによって可能となります。また、シート着座検知センサー(SBE)により助手席が使用されているか検知されます。100 m 走行後または走行中、メーター パネルが最長 90 秒間の間欠的な音響警報を出力します。

ベルト ロック情報はエアバッグ コントロール ユニットから K バス経由でメーター パネルへ送られます。

走行前点検

走行前点検については機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

オンボード コンピューター機能

メーター パネルのオンボード コンピューター機能は 2 通りのコーディングができます。

オンボード コンピューターのロー バージョン では、液晶ディスプレイの目盛範囲 1 に外気温度のみが表示されます。この場合、時刻はラジオ ディスプレイに表示されます。時刻設定はメーター パネルにある S/R キーで行います。

オンボード コンピューターのハイ バージョン では、個別機能をコーディングされている順序で呼び出すことが可能です。ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを押します。機能は液晶ディスプレイ表示範囲 1 またはマルチ インフォメーション ラジオ(MIR)またはセントラル インフォメーション ディスプレイ(CID)に継続して表示されます。

選択中のオンボード コンピューター機能の単位は、コーディングに応じて液晶ディスプレイに表示されます(l/100 km、km/l、米 mls/gal、英 mls/gal)

ラジオ非装備車では、外気温度ディスプレイはありません。ラジオ非装備車では、時刻のみが液晶ディスプレイ 1 の下の行に表示されます。

液晶ディスプレイ 1 に表示されるオンボード コンピューター機能の順序は常に一定です。

メーター パネル内の装備に応じて、時刻と外気温度を組み合わせることもできます。

ヒント: オプションのラジオを装備していない車両では、メーター パネルに外気温度ディスプレイがありません。時刻だけが液晶ディスプレイ 1 の下の行に表示されます。

外気温度ディスプレイが点滅しているとき(温度 ≤ 3°C)には、使用中のオンボード コンピューター機能がフェード アウトします。

液晶ディスプレイの目盛範囲 1 のオンボード コンピューター表示

Kl.R がオンのときはオンボード コンピューターは最後に表示していたオンボード コンピューター機能を表示します。ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを短時間押すことにより(2 秒以内)、他の表示を呼び出すことができます。長く押すと(2 秒以上)表示中のコンピューター機能の設定またはリセットを選択できます。

オンボード コンピューター機能の「平均燃費」と「平均車速」は、ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを短時間押すことにより(2 秒以内)リセットできます。リセットすると、両方の表示の平均値が新たに算出されます。

速度警告の値に達すると、(または国別仕様により車速警報用音響警報)液晶ディスプレイ 1 に車速値が点滅します。アラーム音が鳴ります。

ディスタンス トゥ ジャンクション(Distance to junction)

次の分岐点までの距離はナビゲーション ユニット システム本体から K バスを通じてメーター パネルに送られます。距離表示は液晶ディスプレイ 1 に段階的に表示されます。

車両が分岐点の方向に移動すると、400 m 〜 100 m の距離が 100 m ステップで表示されます。

100 m 以下は 10 m ステップで表示されます。

ヒント:高速道路などで車速が高い場合には、分岐点の 1000 m 手前から距離表示が始まります(高速走行)。

分岐点を抜けると再び、以前に表示されていたオンボード コンピューター機能画面になります。

マルチ インフォメーション ラジオ(MIR)でのオンボード コンピューター表示

マルチ インフォメーション ラジオ(MIR)装備車では、オンボード コンピューター機能をラジオ ディスプレイに表示させることもできます。その他、オンボード コンピューター機能「平均燃費 2」が表示されます。このリストはロータリー プッシュ ボタンでスクロールできます。日付表示が可能です。

ロータリー プッシュ ボタンによる、単位の選択やリセットの設定は、データ メッセージとしてメーター パネルに送信されます。これにより、それまで有効だった値が利用されます。

日付はメーター パネル内で管理され、ラジオ ディスプレイに表示されます。

ヒント:電圧中断後(例 バッテリー交換)メーター パネルにメモリーされている現在の年号年数が表示されます。

ナビゲーション システムのセントラル インフォメーション ディスプレイ(CID)のオンボード コンピューター表示

ハイ ナビゲーション システム装備車では、オンボード コンピューター機能がセントラル インフォメーション ディスプレイ(CID)に表示されます。ディスタンス トゥ ジャンクション(Distance to junction)(次の分岐点までの距離)のナビゲーション情報はメーター パネルに並んで表示されます。

ナビゲーション システムの操作パネルにあるロータリー プッシュ ボタンによる、単位の選択やリセットの設定は、データ メッセージとしてメーター パネルに送信されます。これにより、それまで有効だった値が利用されます。

日付はセントラル インフォメーション ディスプレイ(CID)の「設定」機能で設定できます。ただし日付の管理と表示はメーター パネルで行います(セントラル インフォメーション ディスプレイ(CID)にはステイタス バーはない)。

外気温度ディスプレイ

外気温度はバンパー内のセンサー(NTC 抵抗)によって検知されます。センサーはメーター パネルの電源に接続されています。センサーから送られるアナログ電圧値は、メーター パネル内でデジタル化されます。その後この値は、エンジン水温や車速に基づいて評価され、表示されます。

外気温度を表示する際は、単位表示の切り替えが可能です。ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを長く押すことによって(5 秒以上)°Cと°F が切り換わります。

Kl.R オン以上では、ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンをさらに押すことにより表示を変えることができます。順序は:時刻、外気温度、平均燃費、区間距離、平均車速です。ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを離すごとに次の機能に切り換わります。

外気温度が + 3°Cを下回ると、音響による外気温度警報が鳴ります。外気温度表示が数秒間点滅します。外気温度警報はステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを短時間押すと(2 秒以内)停止します。停止後は再び、以前に表示されていたオンボード コンピューター機能画面に切り換わります。

コーディングに応じて、外気温度警報後に外気温度表示が残るか、または最後に表示されていたオンボード コンピューター機能(時刻など)に戻ります。

SIA 表示中は外気温度警報は出力されません。

- 5°C未満の温度では、Kl.R がオンになった後は外気温度表示は点滅しません。点滅は、ステアリング コラム スイッチ(LSS)にあるフラッシャー用の軸方向ボタンを押して、表示を選択してから始まります。

次に外気温度警報が可能になるのは、+ 6°Cを超えた後で再び + 3°Cを下回った場合か、または Kl.R を新たにオンにした場合です。

カー メモリーおよびキー メモリー

カー メモリーとキー メモリー機能については機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

プログラム表示およびシフト表示

プログラム表示およびシフト表示のための液晶ディスプレイ目盛範囲 2 は、大きなアナログメーターの間、表示灯/警告灯の下部にあります。液晶ディスプレイの目盛範囲 2 には、オートマチック トランスミッション バリエーションとシーケンシャル マニュアル トランスミッション(SMG)の場合、シフトされたギアやトランスミッション プログラムが表示されます。故障時には、別付けの警告灯にエマージェンシー プログラムのアイコンが表示されます。表示機能はコーディング可能です。コーディングされている機能(非装備、オートマチック、SMG)は Kl.15 オン以上で表示されます。

プログラム モード (左)

M (= マニュアル)

S (= スポーツ)

D (= オートマチック モード、SMG のみ)

F (= 故障、SMG のみ)

ギア (右)

P

R

N

D

16

SMG 表示は、Kl.15 と R オフ後も、SMG コントロール ユニットがインフォメーションを送ってくる限りは可能です。この他に SMG では点滅表示や、PT CAN バスを通じた音響警報の出力もできます。

オートマチック トランスミッションと SMG では、トランスミッションのインフォメーションはトランスミッション コントロール ユニットから PT CAN バスを通じて伝達されます。メーター パネルが受信したデータは Kl.15 オン以上で表示されます。トランスミッションの故障または PT CAN コミュニケーションの故障の場合は、別付けの警告灯によりエマージェンシー プログラムが表示されます。機能はコーディング可能です。メッセージに不具合がある場合は、メーター パネルにディフェクト メモリーが登録されます。

マニュアル トランスミッション車では、バックアップ信号はコネクター ピンを通じて読み込まれます。マニュアル トランスミッションでもバック信号を K バス経由で出力可能にするために、メーター パネルには、この信号用にデジタル入力があります。メーター パネルにマニュアル トランスミッションがコーディングされていると、インプットから情報を読み込みます。現在のステイタス「リバース ギアに入っている」は、常に K バス経由でミラー メモリー、パーク ディスタンス コントロール(PDC)などの他のバス コンポーネントへ提供されます。

ヒント: SMG では駐車後にセレクター レバー ポジション N が点滅します。この点滅は、車両のころがる可能性に対して視覚的な注意を促します。

サービスのためのヒント:

テスト機能:テスト機能は、診断テスターを使用せずにコーディングの点検やトラブル シューティングを行うためのものです。これについては機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法

国別仕様

国別仕様

米国仕様: 表示灯/警告灯のバリエーション:

イグニッション キー警報は米国法定機能です。Kl.15 がオフのときにイグニッション キーが挿入されたまま運転席ドアが開くと、間欠的なアラーム音が鳴ります。アラーム音は、イグニッション キーを抜くか、運転席ドアを閉めるか、警告が 30 分持続した後で止みます。

シート ベルト警報は Kl.15 オン以上のときにシートベルト コンタクトが閉じていないと作動します。間欠的な音響警報が最長 6 秒間続きます。その後、警告灯/表示灯のみが点灯し続けます。

ペルシャ湾岸諸国仕様: 工場出荷時にコーディングされている 120 km/h の法定車速範囲をオーバーすると単一音のアラーム音(速度警告)が出力されます。次の車速警報用音響警報は、車速範囲が一度 4 km/h 以上減少した後で可能となります。車速警報用音響警報の値に達すると、液晶ディスプレイ 1 に車速値が点滅します。

日本仕様: 音響式バックアップ警報および間隔警報が外付けゴングから出力されます。

診断

診断については機能説明「メーター パネル」参照:内部テスト機能、サービス インターバル機能インディケーター(SIA)、コントロール ユニットの交換方法