フロント アクスルの故障に関する注意事項
不具合のあるホィール ガイド ジョイント
稀にホィール ガイド ジョイントが故障している場合があります。従って、測定結果に基いてホィール ガイド ジョイント点検用ツールによる点検が必要な場合にのみ、ホィール ガイド ジョイントを交換してください。
点検が適切に実行されたことを証明するために、保証申請またはグッドウィル申請に診断記録(プリント アウト)が添付されていなければなりません。
フロント アクスル領域から異音
フロント アクスル領域からの異音は、以下の故障原因によって引き起こされる場合があります:
- ペンドラム サポートの不具合
- コントロール アームにあるハイドロリック マウントによって異音が引き起こされる
注意事項:マウントに目に見える損傷が認められないにもかかわらず、コントロール アームにあるハイドロリック マウントから散発的に「カチカチ音」が発生する場合があります。
点検:歩行速度でフロント ホィールが小さな障害物(4 - 8 cm、縁石など)に乗り上げたときに、異音「カチリ音/カチカチ音」が発生します。異音は左または右ホィールで発生します。
ヒント:顧客から苦情を受けた場合にのみハイドロリック マウントを交換します。ハイドロリック マウントには音響問題がありますが、引き続き安全に作動します。
- コントロール アームの右ハイドロリック マウントにある断熱プレートは曲がった状態です
注意事項:断熱プレートは予荷重がかかった状態でハイドロリック マウントのホルダーに当たらなければなりません。プレートが正確に当たるようにプレートに突起があります。プレートに予荷重が加えられずに、ホルダーとの間にわずかな間隔が生じると、振動によって異音が発生する場合があります。
- エンジン フードが異音を引き起こします。
注意事項:がたつき音が発生しないように、エンジン フードのヒンジ内のガイド ピンまたはストップ ピンにはグリースが塗布されていなければなりません。
- ステアリング ギア ボックスのスラスト メンバーが異音を引き起こします。
注意事項:異音は車両を暖機運転したとき、および左ホィールが凹凸に乗り上げたときにのみ発生します。
点検:車両が作動温度になるまで、テスト走行を続けます。車両をリフトに上げて、ホィール中心線が胸の高さにくるまで車両をリフト アップします。左ホィールを交互に前後へ揺さぶります。そのときにはっきりとノック音が聞こえる場合は、ホィールに明らかにクリアランスがあるばかりでなく、ステアリング ギア ボックスのスラスト メンバーのクリアランスが大きすぎます。補助のメカニックは左タイ ロッドに手を置いてください。スラスト メンバーに大きなクリアランスがある場合、揺さぶっている間はっきりとノック音が聞こえます。
ヒント:顧客から苦情を受けた場合にのみステアリング ギア ボックスを交換します。ステアリング ギア ボックスには音響問題がありますが、引き続き安全に作動します。
フロント ホィールにクリアランスが認められる
フロント ホィールの点検時にクリアランスが認められる場合でも、原則として不具合があるということには必ずしもなりません。頻繁にクリアランスが認められた場合、通常の弾性変化に過ぎません。必要に応じリペア マニュアルの規定に従って全てのジョイントを個別に点検します(ホィール ガイド ジョイント、タイロッド ジョイントおよび蛇腹下のアクスル ジョイント)。ホィール ガイド ジョイントの点検のためにホィール ガイド ジョイント点検用ツールを使用します。